2023年7月21日、F1第12戦ハンガリーGPがハンガロリンクで開幕する。開幕から続くレッドブルの連勝はイギリスGPでも止まらず、マックス・フェルスタッペンの連勝も「6」まで伸びて、いよいよ真夏のハンガリーGPまで来てしまった。シーズン前半戦も残り2戦、レッドブルの連勝、フェルスタッペンの独走を止めるドライバーは現れるのだろうか。
レッドブルの連勝が止まるならば、このサーキットか
前戦イギリスGPでレッドブルはついに開幕から負けなし10連勝をマークした。ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンはスタートで失敗して久しぶりに2番手での走行となったが、慌てず騒がず。DRSが解禁されると5周目にあっさりと首位を奪い、そのまま徐々に差を広げ、セーフティカーの導入でその差が帳消しになっても、後続に脅かされることなく6連勝(10戦8勝・2位2回)のチェッカーへと飛び込んだ。
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一方、チームメイトのセルジオ・ペレスはイギリスGPで6位。シーズン序盤に2勝し、唯一フェルスタッペンに対抗しうる存在としてドライバーズタイトルを争っていたペレスはポイントランキングこそ2位に位置しているものの、このところ失速気味で、もはやチャンピオンシップは決したかのような雰囲気となってきた。
レッドブルの連勝、フェルスタッペンの連勝がどのような形で止まるのか、誰が止めるのか、ということが話題となりつつある。
サマーブレイク前の最後の2連戦(ハンガリー→ベルギー)は、どんなレースとなるのだろうか。最後の2連戦は大きく性格の異なるサーキットで行われるが、夏休みに入る前に、ライバルとしてはなんとか挽回のきっかけを作っておきたいところだ。
2023年F1ドライバーズランキング(第11戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)255
2位 S.ペレス(レッドブル)156
3位 F.アロンソ(アストンマーティン)137
4位 L.ハミルトン(メルセデス)121
5位 C.サインツ(フェラーリ)83
6位 G.ラッセル(メルセデス)82
7位 C.ルクレール(フェラーリ)74
2023年F1コンストラクターズランキング(第11戦終了時)
1位 レッドブル 411
2位 メルセデス 203
3位 アストンマーティン 181
4位 フェラーリ 157
5位 マクラーレン 59
コース幅が狭く、オーバーテイクが難しいがゆえに波乱も多い
ハンガリーGPが行われるハンガロリンクは、約4.4kmの短い全長に14のコーナーが待ち構える、タイトでトリッキーな難しいサーキット。
平均速度はモナコに次いでシーズン中で2番目に遅く、各チームはモナコと同様のハイダウンフォース設定のマシンを投入する。低速コーナーが多いため、空力性能よりも高いメカニカルグリップ、パワーよりもドライバビリティが要求されるサーキットなのだ。
夏の暑い時期に行われるため気温や路面温度が高く、しかもサーキット全体が円形劇場のような形状で熱がこもりやすく、最大のリスクはタイヤのオーバーヒートとなる。
コース幅が狭く、直線部分が短いためオーバーテイクが難しく、予選順位が重要となるが、ポールトゥフィニッシュは約30%と意外に高くない。また、路面がバンピーでコーナーが多いので、サスペンションやダウンフォースの微妙なセッティングも重要なポイントとなる。
打倒レッドブルを目論むライバルチームにとっては、その可能性もうかがえるコースと言えるだろう。
波乱が潜むサーキットであることは、過去のレースを見てもうかがえる。オーバーテイクが難しいため、いつものグランプリ以上に予選順位が重要となるが、序盤のポジション争いが激しくスタートで混乱もよく起きるし、スタートで首位を守れても逃げ切りは簡単ではない。丘陵地帯にあるため天候が不安定になりやすいのもやっかいだ。
一昨年2021年は8番グリッドからスタートしたエステバン・オコン(アルピーヌ)がレース直前に降り出した雨による混乱もあって逆転優勝。昨年2022年はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が10番グリッドから優勝を飾った。
昨年のハンガリーGPではフェルスタッペンは前日の予選でパワーユニットのトラブルに見舞われて10番グリッドとなったが、決勝を前にしたパワーユニット交換で復調。スタート直後からハイペースで順位を上げると、その後は早め早めのタイヤ交換で上位に進出。タイヤ交換を引き延ばして粘っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)がピットに入るとついに首位に立ち、その後は危なげなくフィニッシュまで走り切った。フェルスタッペン自身も驚く逆転劇だった。
【参考】2022年F1第13戦ハンガリーGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)70周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+7.834s
3位 63 G.ラッセル(メルセデス)+12.337s
4位 55 C.サインツ(フェラーリ)+14.579s
5位 11 S.ペレス(レッドブル)+15.688s
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+16.047s
7位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) +78.300s
8位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー) +1周
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー) +1周
10位 5 S.ヴェッテル( アストンマーティン・メルセデス) +1周
・・・・・・・・・・・・・
12位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル) +1周
19位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル ) +2周
ファステストラップ: 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:21.386
タイヤの熱管理とドライバーの疲労が課題
タイヤを供給するピレリは、ハンガリーGPについて・・・
「レースは夏の暑い時期に開催され、サーキットは空気の流れが少ない自然の窪地に位置しているため熱気がこもり、タイヤの熱管理とドライバーの疲労が課題となります。一般的な戦略は2ストップですが、1ストップが好まれることもあります。 2022年はバーチャルセーフティカーとセーフティカーに大きく影響され、 ほとんどすべてのドライバーが2ストップとなりました。
今回のハンガリーGPでは、各予選セッションに必須のスリックコンパウンドを1つだけ使用するオルタナティブ タイヤ アロケーション(ATA)が初導入されます。 チームはQ1ではハード、Q2ではミディアム、Q3ではソフトを使用しなければなりません。 予選がウエットの場合は通常どおりコンパウンドを自由に選択できます。金曜日には、各フリー走行セッション終了時にタイヤ1セットを返却、 土曜日のフリー走行にはさらに2セットを返却します。 これにより、予選とレース用に7セットのタイヤが残り、そのうち少なくとも1セットのハードタイヤと1セットのミディアムタイヤをレース用に確保しておく必要があります。
ハンガリーGPの後、9月のイタリアGPでこのATAルールが再び試行され、来シーズンにこのルールを採用するかどうかを決定することになります。タイヤは2022年より柔らかい3つのコンパウンド(ハード=C3、ミディアム=C4、ソフト=C5)を供給します」とコメントしている。
ちなみに、ハンガリーGP開幕を前に、スクーデリア・アルファタウリのニック・デ・ブリースがシートを失い、かわってダニエル・リカルドが復帰することが明らかになった。
さて2023年はどんなレースとなるのか。第12戦ハンガリーGPは日本時間7月21日20時30分(現地時間13時30分)から始まるフリー走行で開幕する。
2023年F1第12戦ハンガリーGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:7月21日13時30分~14時30分(日本時間20時30分~221時30分)
フリー走行2回目:7月21日17時~18時(日本時間24時~25時)
フリー走行3回目:7月22日12時30分~13時30分(日本時間19時30分~20時30分)
予選:7月22日16時~17時(日本時間23時~24時)
決勝(70周):7月23日15時~(日本時間22時~)
[ アルバム : F1第12戦ハンガリーGP プレビュー はオリジナルサイトでご覧ください ]
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