現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ラスト・チャンスを逃すな! アルファロメオ 4Cスパイダー試乗記

ここから本文です

ラスト・チャンスを逃すな! アルファロメオ 4Cスパイダー試乗記

掲載 更新 3
ラスト・チャンスを逃すな! アルファロメオ 4Cスパイダー試乗記

年内に生産終了するアルファロメオ「4C スパイダー」に小川フミオが試乗した。

緊張感が快感へ

運転をとことん楽しみたい! と、考えるひとには、このクルマがぴったりだろう。アルファロメオ「4Cスパイダー1750 TBI」。2013年販売開始なので、すこし前のモデルになるが、その個性はいまも輝いている。

4Cスパイダーは、あらゆる点でダイレクト。ドライバーの一挙手一投足というか、ちょっとしたステアリング ホイールの切れ角や、アクセルペダルの踏み込み量に即座に反応してくれる操縦性をもっている。そこが楽しい。

なにより特徴的なのは、いってみれば”遅くても速い”ところ。思わず笑ってしまったのは、大磯の海岸線、西湘バイパスを走ったときだ。漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが助手席に座り、ハンドルを握っていたのは編集部のイナガキ氏。しばらく走ると「そんなにとばさなくていいです」と、声をかけたという。

しかしイナガキ氏は、制限速度70km/hの道で、周囲の交通状況に合わせて60km/hで運転していたのだった。辛酸なめ子さんいわく、120km/hぐらい出ていると思ったとのこと。

たとえ60km/hでも、ドライバーは楽しめる。かなりクイックなステアリングのせいもある。スムーズにコントロールすることをむねとする。それゆえ操作に神経を集中するのが、まるでスポーツのよう。豪快でいて繊細だ。

ツインクラッチタイプの6ATをマニュアルモードにし、シフターでレッドゾーン近くまでエンジンをひっぱるときや、アクセルペダルの踏み込みに応じての絶妙な加減速も、レース用マシンみたいである。

ホイールベースは2380mmと短めで、車重は1060kgに抑えられている。キャビン背後に搭載する1742cc直列4気筒ガソリンターボ・エンジンは、最高出力177kW(240ps)、最大トルク350Nmを発生。このボディには十分すぎるほどのパワーだ。

クルマの動きかたが把握出来て、ある程度クセに慣れると、乗り出しのときに感じた緊張感が、運転の快感へとじわじわっと変わっていく。

自分の足で路面を蹴って進んでいくような感覚だったり、陸上競技のトラックをまわっていく感覚だったり……”スポーツ”カーとは言い得て妙であると強く感じられるはずだ。

どんな速度でも”速い”

2013年に販売開始された4C(4本のシリンダーをもったエンジンを意味する戦前からの伝統的なネーミング)は、“BMWをしのぐスポーティなクルマを作る!”という目的のもと、企画・開発された。

それまで前輪駆動モデル(一部4WDもあったが)で“お茶を濁していた”メーカーの本気ぶりがよくわかる。高価な炭素樹脂製の軽量かつ高剛性のシャシーや、強烈なパンチ力を惜しみなくくりだすパワートレインによくあらわれているのだ。

まるで羽のように軽い。4C スパイダーに乗ると、私はいつもそう感じる。あるいは矢のように進む、と、言い換えてもよいだろう。4C スパイダーに乗っていると、スピードメーターで読み取る速度なんて無意味に思えてくる。楽しさの尺度は数字でなく、自分の感覚だからだ。

自分が速いと思えたらそれでいい。スーパーセブンからポルシェ「911」にいたる、よく出来たスポーツカーはどんな速度でも”速い”と、感じる。たとえゆっくりでも運転が楽しくてしようがないのだ。

4Cスパイダーの価値はドライバーにしかわからないだろう。見た目以上に過激かつスポーティであるのだ。そんな4Cスパイダーは2020年内に生産を終了する。現在。輸入元のFCAジャパンは、最終モデルの受注受け付け中。気になる人はこの機会を逃してはならない。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

こんな記事も読まれています

大変失礼だけど[イタフラ車]だけで大丈夫なの!? しかも土地代バカ高い世田谷だよ!? 老舗ラテン系専門中古車店のビジネスの実態が衝撃
大変失礼だけど[イタフラ車]だけで大丈夫なの!? しかも土地代バカ高い世田谷だよ!? 老舗ラテン系専門中古車店のビジネスの実態が衝撃
ベストカーWeb
アロンソの“個人的な要望”から生まれたV12+6MTの限定車『ヴァリアント』がグッドウッド出走へ
アロンソの“個人的な要望”から生まれたV12+6MTの限定車『ヴァリアント』がグッドウッド出走へ
AUTOSPORT web
「失敗作の汚名挽回!!」大胆イメチェンで一発逆転!! 大成功したクルマたち
「失敗作の汚名挽回!!」大胆イメチェンで一発逆転!! 大成功したクルマたち
ベストカーWeb
ガソリンがリッター424円! 激高なアウトバーンのスタンドで給油せずに節約するためにとった方法とは?【みどり独乙通信】
ガソリンがリッター424円! 激高なアウトバーンのスタンドで給油せずに節約するためにとった方法とは?【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
フォルクスワーゲンが新型車5モデルを同時に発表|Volkswagen
フォルクスワーゲンが新型車5モデルを同時に発表|Volkswagen
OPENERS
【635ps/750Nm】トップ・オブ・新時代ディフェンダーあらわる ランドローバーからディフェンダー・オクタ発表
【635ps/750Nm】トップ・オブ・新時代ディフェンダーあらわる ランドローバーからディフェンダー・オクタ発表
AUTOCAR JAPAN
非ハイブリッドの「欧州最速」仕様 ポルシェ・カイエン GTSへ試乗 コレぞ運転を楽しめる大型SUV!
非ハイブリッドの「欧州最速」仕様 ポルシェ・カイエン GTSへ試乗 コレぞ運転を楽しめる大型SUV!
AUTOCAR JAPAN
F1パワーユニット開発に取り組むアウディ、すでにレース距離のシミュレーションも実施。他カテゴリーでの経験が大きな資産に
F1パワーユニット開発に取り組むアウディ、すでにレース距離のシミュレーションも実施。他カテゴリーでの経験が大きな資産に
AUTOSPORT web
中国からの刺客 BYD新型EVスポーツセダン「SEAL(シール)」販売開始 
中国からの刺客 BYD新型EVスポーツセダン「SEAL(シール)」販売開始 
AUTOCAR JAPAN
フォルクスワーゲン、5つの新型車を同時発表『Tクロス』『ティグアン』『パサート』『ゴルフ/同ヴァリアント』が順次発売
フォルクスワーゲン、5つの新型車を同時発表『Tクロス』『ティグアン』『パサート』『ゴルフ/同ヴァリアント』が順次発売
AUTOSPORT web
BMW、現行『4シリーズ』のクーペとカブリオレを刷新。新デザインのLEDヘッドライトを採用
BMW、現行『4シリーズ』のクーペとカブリオレを刷新。新デザインのLEDヘッドライトを採用
AUTOSPORT web
プジョー陣営のハンセンが原点“レッド”に回帰。新たな市街地戦構想にBTCC王者も興味/WorldRX
プジョー陣営のハンセンが原点“レッド”に回帰。新たな市街地戦構想にBTCC王者も興味/WorldRX
AUTOSPORT web
約550万円! トヨタ新型「86」特別モデルに予約殺到!「戦艦」モチーフの“斬新デザイン”がカッコイイ! 予想を超えた「驚きの声」とは
約550万円! トヨタ新型「86」特別モデルに予約殺到!「戦艦」モチーフの“斬新デザイン”がカッコイイ! 予想を超えた「驚きの声」とは
くるまのニュース
欧州に「本腰」入れる中国メーカー 長城汽車(GWM)が本格上陸 「嗜好」の違い課題に
欧州に「本腰」入れる中国メーカー 長城汽車(GWM)が本格上陸 「嗜好」の違い課題に
AUTOCAR JAPAN
テスラやボルボにもマッチ! プレミアム輸入車の足元によく合う鍛造削り出しのシャープなデザインがカッコよすぎるウェッズ「FZ-6」とは
テスラやボルボにもマッチ! プレミアム輸入車の足元によく合う鍛造削り出しのシャープなデザインがカッコよすぎるウェッズ「FZ-6」とは
Auto Messe Web
【MC20がベース】 今季そのまま参戦のコンペティションモデル マセラティGT2にモデナで試乗
【MC20がベース】 今季そのまま参戦のコンペティションモデル マセラティGT2にモデナで試乗
AUTOCAR JAPAN
レーシングカーのマフラー音をBGMに睡眠!? サーキット内常設キャンプ場「RECAMP 富士スピードウェイ」を一足早く“体験”
レーシングカーのマフラー音をBGMに睡眠!? サーキット内常設キャンプ場「RECAMP 富士スピードウェイ」を一足早く“体験”
くるまのニュース
【F1第11戦無線レビュー(2)】「勝てるぞ、ジョージ!」思わぬ勝機が巡ってきたレース終盤。メルセデス代表は大興奮
【F1第11戦無線レビュー(2)】「勝てるぞ、ジョージ!」思わぬ勝機が巡ってきたレース終盤。メルセデス代表は大興奮
AUTOSPORT web

みんなのコメント

3件
  • 別に…!
  • このクルマの独特のシャシーについては、全く触れないのね…良く車のジャーナリストやってるね…至極の秘宝なのに。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

849.01110.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

849.0849.0万円

中古車を検索
4C スパイダーの車買取相場を調べる

アルファロメオ 4C スパイダーの中古車

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

849.01110.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

849.0849.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村