初開催のCN燃料部門で2516.072km/Lを記録
2024年大会で43回目を数える「Honda エコ マイレッジチャレンジ」の全国大会が開催されました。今回の大きなトピックは、CN(カーボンニュートラル)燃料を採用したクラスが新設されたというものです。近年さまざまなモータースポーツシーンでもよく目にするようになったCN燃料がついにこの世界にもやってきました。
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全クラスにCN燃料クラスが新設され、そのうち5クラスにチームが参加
「Honda エコ マイレッジチャレンジ」は、スーパーカブ50などに搭載されているホンダの50ccエンジンをベースに、1Lのガソリンでどれだけ走行できるか、マシンの走行距離を競う燃費競技である。その全国大会の会場となる栃木県のモビリティリゾートもてぎ(旧ツインリンクもてぎ)にある1周1.5マイルのオーバルコースを使用し、それぞれの規定周回数(距離)を制限時間内で走行し、その燃料消費量から「燃費」を算出する。中学生から一般まで、手作りのマシンで、その燃費性能の高さを競うことになる。
そのキモとなるのは、車体の小型化と軽量化。そして車体剛性を保ちながらボディをスリム化して、空気抵抗を低減する流線形の形状を採用した車両とすること。さらにドライバーとチームメンバーは密に連絡を取り合って、スピードの緩急やエンジン停止タイミングなどを調整しながら記録に挑戦していくことになる。
1981年に鈴鹿サーキット(三重県)と桶川特設会場(埼玉県)でスタートしたイベント(当時は「Hondaエコノパワー燃費競技大会」という名称で開催)だが、1985年の第5回大会で初めて1000km/Lを突破、第14回大会(1994年)では3000km/Lを越え、3644.869km/L(第31回大会)という記録が現在の大会レコードとなっている。これまでののべ参加台数は1万5968台、参加者数は約8万人にのぼる。
「Honda エコ マイレッジチャレンジ」では、これまでスーパーカブで使用している50ccエンジンをハイオク燃料で回し走らせていたが、今まで以上に環境に優しいモータースポーツに進化させるとして、今回新たに植物由来のバイオマスを原料としたカーボンニュートラル燃料を採用することとなった。
採用されたのは「ETS Renewablaze Nihon R100」。この燃料は植物ゴミから抽出された抽出されたセルロースから生成されたエタノールを燃料として使用できるように改質したもの。すでにスーパーGTシリーズ、そして、2輪のロードレースではJSB1000クラスで使用されている燃料である。
2023年のエコマイレッジチャレンジ全国大会ではエキシビション走行として2チームが走行を実施し、参加者に向けたカーボンニュートラル燃料の講座や意見交換の機会を設けるなどしてきた。
今後もCN燃料での競技が開催される予定
そして今回の第43回目となる本田宗一郎杯は、2024年10月12日(土)~13日(日)に開催された。中学生クラス、高校生クラス、専門学校・大学生クラス、そして一般に加え、2人乗りクラス、ホンダの4ストローク 50cc以上150cc以下という少し大きなエンジンを使用したニューチャレンジクラス、そして2輪車クラスの7クラスが設定されている。
今回はその全グループカテゴリーでCN燃料クラスが設定されたが、最終的に、そのうちの5クラスでCN燃料クラスが成立。「CN燃料クラス」は合計57台が参加し、最優秀車の記録2516.072km/Lとなった。一方「ハイオク燃料クラス」では計165台が参戦し、その最優秀車は3010.105km/Lを記録している。
「エコマイレッジチャレンジ」では今後もCN燃料での競技が開催される予定で、さらに電動クラスの設置も視野に入れているという。この歴史ある大会、そもそものコンセプトも相当にエコだが、次回以降も、より環境に配慮した大会として開催されていくことになる。
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