スペインの自動車ブランドから高性能SUV登場
スペインの自動車ブランドでフォルクスワーゲン・グループ傘下のクプラは、9月2日にドイツ・ミュンヘンで開幕した国際モーターショー「IAAモビリティ2023」において、新型クーペSUVのタバスカン(Tavascan)を公開した。
【画像】スペイン生まれの高性能電動クーペSUV【クプラ・タバスカンを写真でじっくり見る】 全15枚
2018年にセアトから独立したクプラにとって、タバスカンは独自開発モデルとして3台目にあたり、またバッテリーEVとしては2台目となる。
タバスカンはフォルクスワーゲン・グループのMEBプラットフォームをベースとし、高性能ブランドとしてスポーティな性格を強調している。最高出力340ps、最大トルク69.2kg-mのデュアルモーター四輪駆動モデルと、最高出力286psのシングルモーターモデルが用意される。
フォルクスワーゲンID.5と同じ82kWh(ネット:77kWh)のバッテリーを搭載し、最長550kmの航続距離を誇る。
エクステリアとしては、大型グリルと3角形のライトシグネチャーを備えたシャープなフロントエンド、アーチ状のルーフライン、フルワイドのリアライトバーが特徴的である。
インテリアでは、ゴールドのトリムをあしらうなど独自の高級感を演出。ダッシュボード中央には、フロントエンドのデザインを反映した「スパイン(背骨)」と呼ばれるピラーが備わる。
また、新型ID.7と同じ15インチのインフォテインメント・タッチスクリーンやゼンハイザー製スピーカーシステムも装備される。デジタル・ドライバーズ・ディスプレイはID.3と共通だ。
VWグループのリソース活用 デザインで差別化
昨年15万台の販売台数を記録したクプラは、さらなる成長を目指してブランド独自のデザインに力を入れる。今後発売予定のハイブリッドSUV「テラマール(Terramar)」や、小型EVの「ラヴァル(Raval)」などにもこうしたデザイン要素を採り入れている。
クプラのウェイン・グリフィスCEOは「合理的なEVはたくさん市場に出てきています。それはクプラが目指すものではありません」と語り、競合他社との差別化を強調した。
「2019年、わたし達には電動化を再発明するというビジョンがありました。EVは、ユニークなスポーツ性を備えつつ、素晴らしいデザインを持ち、楽しくてセクシーであることを世界に示したいのです。当時は、単なる夢でしかなかったかもしれません。このタバスカンで、夢が実現しました」
フォルクスワーゲン・グループのトーマス・シェーファーCEOによれば、クプラへの投資は今後さらに拡大していくという。タバスカンはその計画の中で重要な役割を果たすことになるだろう。
また、シェーファーCEOはIAAモビリティ2023で、セアトよりもクプラの方がはるかに収益性が高いと説明している。
クプラ・タバスカンは今年後半から中国のフォルクスワーゲン工場でID.5とともに生産を開始し、2024年来年夏に欧州で納車開始予定となっている。
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