7月9日、2023年FIA F2第9戦のフィーチャーレース(決勝レース2)が、イギリスのシルバーストン・サーキットで開催され、ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)が5秒のタイムペナルティを跳ね除け、ポール・トゥ・ウインでFIA F2初優勝を飾った。3番手スタートの岩佐歩夢(ダムス/レッドブル&ホンダ育成)は5位でチェッカーを受けた。
第9戦決勝レース2のグリッドは7月7日に行われた予選結果順となり、昨年のFIA F3王者マルタンスが2戦連続のポールポジションを獲得。2番グリッドにクッシュ・マイニ(カンポス・レーシング)、3番グリッドに岩佐、4番グリッドにジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング/アルピーヌ育成)、5番グリッドにイギリス出身のオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)が続いた。
岩佐歩夢「単純なエア抜きをしていなかった」チームのミスでレースを失う/FIA F2第9戦レース1
今大会のタイヤコンパウンドは、プライムタイヤがハード(ホワイト)、オプションタイヤがソフト(レッド)となるなか岩佐を含む上位勢の多くはオプションタイヤを装着。一方、9番手スタートのアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト/レッドブル育成)を筆頭に、12番手スタートのアーサー・ルクレール(ダムス/フェラーリ育成)ら後続の数台がプライムタイヤでのスタートを選択した。
シルバーストン・サーキットは曇り空に包まれるなか、直前の計測で気温15度、路面温度21度のドライコンディションとなるなか、タイヤ交換義務を有する周回数29周(60分+1周)の決勝レース2は、現地時間9時55分(日本時間17時55分)にフォーメーションラップを迎えた。
抜群の蹴り出しでロケットスタートを決めたのは岩佐。岩佐はターン1のホールショットを奪うが、ターン3でマルタンスが抜き返し、ポールシッターがトップに返り咲く。さらには地元戦を迎えたベアマンが一気に3番手に浮上し岩佐の背中を追う展開でレースは2周目に突入。一方、フロントロウスタートのマイニは6番手に沈む。
2周目よりDRS使用可能となるが、マルタンスはこの時点で岩佐をDRS圏外に引き離す。さらに昨年のFIA F3王者はこの時点でのファステストを更新し、岩佐とのギャップを着々と広げにかかる。一方、マルタンスと同じオプションタイヤを履く岩佐はペースをコントロールしつつ、背後のベアマンから2番手のポジションを守る。ただ、6周目時点でマルタンスと岩佐は4.6秒まで広がる。さらに岩佐とベアマンは1.5秒と、岩佐は背後も気にしながらの周回が続く。
6周目、アムーリ・コルデール(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)がターン15でマシンを止めた。その様子を見た5番手エンツォ・フィッティパルディ(ロダン・カーリン/レッドブル育成)、フレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)、ロイ・ニッサニー(PHMレーシング・バイ・チャロウズ)らがピットイン。
その直後、7周目にセーフティカー(SC)が導入され、マルタンス、岩佐、ベアマン、ドゥーハン、ゼイン・マロニー(ロダン・カーリン/レッドブル育成)、テオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)らが続々とピットイン。それぞれオプションタイヤからプライムタイヤに履き替え、タイヤ交換義務を消化する。
ピットイン組の中での順位は変わらずも、ピットイン組トップのマルタンスとピットイン組2番手の岩佐の間に、クレモン・ノバラック(トライデント)、ファン・マヌエル・コレア(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、ラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)らステイ組が入るポジションに。
これでオーダーはステイ組のハジャルが見た目上トップ、2番手にステイ組ルクレール、3番手マルタンス、4番手ステイ組ノバラック、5番手ステイ組コレア、6番手ステイ組ボシュング、7番手岩佐となった。岩佐にとっては眼前を走るステイ組3台を早めに攻略することが鍵となる展開に。
レースは11周目に再開を迎えた。ただその直後、タイトル争いにも関わることになるであろうアクシデントが発生。隊列後続のデニス・ハウガー(MPモータースポーツ/レッドブル育成)がターン16でランキングトップのフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)に追突。弾き出されたベスティはその先のロマン・スタネ(トライデント)に追突。3台が絡むアクシデントにより、リスタート早々に2度目のSC導入となる。
スタネはリスタートが切れず、そこでマシンを降りた。一方、ハウガーはフロントウイングを交換後にコース復帰。また、ベスティもピットでのチェック後にコース復帰を果たすが、左フロントがステアリングと逆向きとなり、その直後にエスケープでマシンを止めた。
レースは15周目に2度目のリスタートを迎えた。ターン1でベアマンがコースオフし、8番手から10番手まで後退。これで岩佐の背後はマロニーに変わった。その直後、岩佐はボシュングを攻略し6番手に浮上する。一方、マルタンスはルクレールに眼前を塞がれペースアップが叶わない。
16周目、ターン16でマロニーが岩佐をコース外に押し出すかたちでオーバーテイク。その隙にプルシェールも岩佐をかわす。岩佐はこれでピット組4番手に後退し「あれは明らかな違反だよ!」と無線を飛ばす。
その直後、マルタンスに1周目の岩佐との攻防の際に、コース外から岩佐をかわしたとして、5秒のタイムペナルティが下る。マルタンスは後続に5秒以上のギャップを築いてフィニッシュしなければ勝利を失うという状況に。
そんななかマイニとボシュングのカンポス・レーシング同士が接触し、3度目のSC導入となる。このSC中にステイ組もピットストップを終え、マルタンス、マロニー、プルシェール、ルクレール、岩佐、ノバラックというオーダーに変わった。なお、ハジャルはピットで大きくタイムロス、ステイ組2番手につけていたルクレールが岩佐を先行するポジションに変わった。
レースは20周目に3度目のリスタートを迎えた。岩佐はフレッシュなオプションタイヤを履くルクレールを追う。ただ、同じくフレッシュかつオプションタイヤを履くノバラックも岩佐に仕掛ける。岩佐はディフェンスの走りを強いられ、21周目にルクレールと岩佐は1.8秒差まで広がる。
そんななか、21周目にルクレールがプルシェールをかわし3番手に浮上。さらにルクレールはマロニーとの2番手争いを展開。一方、5秒タイムペナルティが下ったトップのマルタンスは5秒のギャップを後続に築くべくプッシュ。一方、23周目にはドゥーハンが岩佐をパス。岩佐はペースが上がらず、これで6番手に後退。
残り5周を迎えた25周目、プルシェールがターン15~16でルクレールに仕掛けるも、ルクレールがポジションを死守。しかし、2台の戦いの背後にドゥーハンも接近する。そんななか、プルシェールはターン15進入でルクレールを攻略。
続けてドゥーハンがターン6でブレーキング勝負に持ち込むと、ルクレールはグリップの限界が訪れたかオーバーラン。これでドゥーハンが4番手、続いて岩佐も5番手に浮上する。ルクレールはコース復帰も、やはりオプションタイヤのピークは終わっており、ここからズルズルと順位を下げることに。
29周目、後続に7秒以上のギャップを築いたビクトール・マルタンスが5秒ペナルティを跳ね除け、悲願のFIA F2初優勝を飾った。2位にマロニー、3位にランキング2位のプルシェールが続いた。4位にドゥーハン、5位に岩佐が続いた。ルクレールは最終的に9位でチェッカーを受けた。
このレースを終えて、ランキングトップ3は変わらず。ただ、ランキング2位プルシェールとランキング3位岩佐のポイント差は13点から18点に広がった。
2023年のFIA F2、次戦となる第10戦は7月21日~23日にハンガリーのハンガロリンクで開催される。
■2023年FIA F2第9戦シルバーストン
レース2正式結果
Pos.No.DriverTeamTime/Gap16V.マルタンスARTグランプリ58'54.38923Z.マロニーロダン・カーリン2.05135T.プルシェールARTグランプリ4.749414J.ドゥーハンインビクタ・ビルトゥジ・レーシング6.637511岩佐歩夢ダムス12.61162J.ダルバラMPモータースポーツ18.93374E.フィッティパルディロダン・カーリン18.96388O.ベアマンプレマ・レーシング23.225912A.ルクレールダムス24.155109J.クロフォードハイテック・パルスエイト24.5431123J.コレアファン・アメルスフォールト・レーシング27.9581221C.ノバラックトライデント30.6101317B.ベナビデスPHMレーシング・バイ・チャロウズ30.973141D.ハウガーMPモータースポーツ32.9201510I.ハジャルハイテック・パルスエイト34.5731622R.フェルシュフォーファン・アメルスフォールト・レーシング34.6291716R.ニッサニーPHMレーシング・バイ・チャロウズ39.777-24K.マイニカンポス・レーシングDNF-25R.ボシュングカンポス・レーシングDNF-7F.ベスティプレマ・レーシングDNF-20R.スタネトライデントDNF-15A.コルデールインビクタ・ビルトゥジ・レーシングDNF
・ファステストラップ(全体&トップ10圏内)
#6 ビクトール・マルタンス:1分42秒091(23/29)207.732km/h
・ ペナルティ
#16 ロイ・ニッサニー:5秒タイムペナルティ(ピットレーンスピード違反)
#22 リチャード・フェルシュフォー:5秒タイムペナルティ(ピットレーンスピード違反)
#2 ユアン・ダルバラ:5秒タイムペナルティ(ピットレーンスピード違反)
#6 ビクトール・マルタンス:5秒タイムペナルティ(コースアウトでアドバンテージを得た)
#25 ラルフ・ボシュング:5秒タイムペナルティ(セーフティカー先導中の追い越し)
#16 ロイ・ニッサニー:10秒タイムペナルティ(追突原因)
#8 オリバー・ベアマン:5秒タイムペナルティ(追突原因)
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みんなのコメント
これはひどい裁定