昨年発売されたAmazonの車載用デバイスである「Echo Auto」。Echo自体は元々、家で使うスマートスピーカーだが、これを車載向けにすると思った以上に色々なことが楽しめる。
今回も筆者が自腹で購入したEcho Autoを約3ヶ月使った感想も含め、HA(ホームオートメーション)との連携なども含めて解説する。
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文/高山正寛、写真/ベストカーWeb、Amazon
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■そもそも「Echo」って何だ?
この小さな端末とスマートフォンを組み合わせればスマートカーの一丁あがり、というわけだ。ノイズの多い車内環境に合わせて、マイクなど音声入力のチューニングがされている
元々Amazon Echo(以下Echo)は同社の家庭用情報端末で、基本はスマートスピーカーを中心とした商品構成となっている。
このEchoに同社の音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」を連携させることで天気予報やニュースなどの情報、サブスクリプションを含めた音楽再生サービスなど、またはディスプレイ付き端末の場合は画像も含めて活用することができる。
これを車載向けに対応させたのが「Echo Auto」で「Alexa!」と発話すれば、車内でも家庭用と同様のサービスを得ることができる。
■4980円手ごろな価格!セール時はさらに値引きも
年に数回のセール時期を狙って購入すれば、定価よりさらに安く入手することができる
個人的な話だが、初期の頃から「Amazon Echo」「Google Nest」「LINE Clova」などのスマートスピーカーを使ってきたが、現在は全体的にEchoに落ち着きつつある。
その理由はまずスマートスピーカーに代表されるEcho対応機器の種類が多く、全体的に価格が安い点にある。Amazonは年に数回セールを行っているが、それを狙えばさらに安く購入できる。
実際、Echo Autoの価格は4980円(税込)だが、現在所有している3個のうち、1個はセールで3980円(税込)で入手している。この辺はAmazonも商売が上手いな、と感じる部分で「つい買ってしまう」という一種のマジックに陥っているのかもしれない。
一応言い訳をすると、筆者の家にはクルマが2台あるのでそれぞれに装着、残り1台はテスト用ということで稼働している。
■取り付けは簡単! スマートフォンとの連携が必要
Echo Autoを使用するにはスマートフォンが必要になる
さて、実際のEcho Autoだが、非常にコンパクトで寸法は幅85mm×奥行き47mm×厚さ13.28 mm、重量も45gしかない(Amazon公称値)。取り付け自体も5分あれば完了する。
ただここからが重要、Echo Autoを使用するにはBluetoothを搭載するスマートフォンが必要となる。iOSであれば 12 以上、Android OSであれば 6.0 以上が必要となる。
基本的な使い方は家庭用と同様にスマホに「Amazon Echo」のアプリをインストールして、Echo AutoとはBluetoothで接続する。最近の新型車には無線LANを搭載しているクルマも徐々に増えてきているが、この機能とのダイレクトな接続はできない。
あくまでもスマホとの接続が前提となる。そう考えるとスマートスピーカーから機能を絞った音声入力デバイスという考えもできる。
このBluetooth接続はあくまでもEcho Autoとスマホ側の基本となる連携だ。音楽再生や音声を聴く場合はカーナビやディスプレイオーディオのような車載機器とBluetooth、または外部音声入力端子があればEcho Auto側のAUX端子から付属のケーブルを使い接続できる。
■音楽再生サービスの通信料には注意が必要
ホルダーを使用すれば設置場所を選ばないが、使用にはインターネット通信が必要となる。通信契約内容をしっかりと確認しておこう
Echo AutoもEchoシリーズであることから同様の操作が可能だ。
まず連携する音楽再生サービス、筆者はこれまで「Amazon Music」と「Google Music」を使ってきた。いずれも接続させるプロバイダー契約で通信料が発生しない「カウントフリー」を活用してきたのだが、「Google Music」が「YouTube Music」に変更された際にどうやらこれが使えなくなった。
今後はまだ未定のようだが、ゆえに現状音楽再生は「Amazon Music」のみとなっている。
言いたいことは、音楽再生もそれなりの通信料を使うことになるので、自分の契約しているサービスの規定をしっかり確認する必要があるということ。
ただこれに関しては最後に「ちょっといい話」をプラスするのでぜひ読んで欲しい。
■車内から家電をコントロールできるのは便利だ!
スマホを使って多様な機能をカスタマイズできるところが大きな魅力だ
Echoシリーズの大きな魅力は3500以上ある「スキル」という一種のプログラムをスマホ側にインストールすることで前述した機能を使うことができる。
実際筆者はニュースや前述した音楽再生がメインだが、クルマに搭載されているカーナビのチューナーが「ワイドFM」に対応していないので「radiko」を使い、高音質でラジオ番組を楽しんでいる。
さらに文字通り英語のスキルを身につけたいならば英会話勉強用のスキルも存在する。通勤にクルマを使っているのであれば、その時間を学習に充てることもできる。
つまり同じEcho Autoでも人によって使い方が異なる。要はカスタマイズできる事が最大の魅力なのだ。
そして今回特にオススメしたいのが、クルマと家、つまり家電との連携である。元々、家で使えるEchoの機能を車内でも使えるというのがEcho Autoの魅力だが、Echoは複数台でもアプリ上で一元管理される。つまり車内から家のEchoを操作することも可能になる。
家電等をコントロールできる「SwitchBot」の「ハブミニ(上)」(実勢価格:3980円)。非赤外線の照明などのスイッチは「ポット(下)」(実勢価格:3580円)を使いスイッチを機械的に押す
そこで別途導入したのが、Alexa対応の「スマートホーム用」の学習リモコンなどだ。まず学習リモコンはこれまでも発売されているが、自分が使用しているのは「SwitchBot」という商品。
最初に本体にエアコンやテレビのリモコンデータを登録する。そしてこれをスマホ側に専用アプリをインストールすることでスマホで複数リモコンの基本操作が可能になる。
そしてこれをAlexaと連携させることで(設定はそれなりに苦労したが)、一例だが車内から音声で家のエアコンのオン/オフができるようになる。特に寒いこの時期などは家に着いた時に暖房が入っていた方がありがたい。また逆にエアコンを消し忘れた時も同様に車内からオフにすることもできる。
またこれらは基本赤外線リモコンを登録する形になるが、家の照明機器など手で押すタイプのスイッチの場合でも写真のような「指ロボット」と言われるデバイスを装着することでAlexaによる音声操作を可能にする。
■中古車でもスマートカー環境が手に入る
話題の車載用Wi-Fiルーター、カロッツェリアの「DCT-WR100D」を使えば通信料を気にせずEcho Autoを使うことができる
現在、Alexa自体は新型車への搭載が徐々にではあるが始まってきている。これはこれでCASE時代の流れに沿ったものだが、評価したいのはEcho Autoとスマホを組み合わせることで通信ユニットを持たない中古車でも最新のスマートカー環境が手に入れる。
また別途コストはかかるが、昨今話題の車載用Wi-Fiルーターであるカロッツェリアの「DCT-WR100D」を使えば前述したサブスクリプションの音楽配信サービスも含め、通信料を気にせずに思い切りEcho Autoを使うことができる。
家電との連携も含め、実用性が高く、一方で価格も含めた導入自体の敷居も低い。Echo Autoのようなデバイスが今後は進化し続けながら市場も伸びていくと感じた。
期待も含めて言えば、今後は道路交通情報サービス(渋滞情報など)や簡易型でもナビ機能を持たせたスキルが登場すればクルマでの利用価値は向上するはずだ。
Echo Autoの詳細はこちらをごらんください「わずか4980円でクルマと会話できる!? Amazonの「Echo Auto」はこんなに便利!!」
【画像ギャラリー】車内から家電の操作もできる! 未来のクルマが現実になったAmazon「Echo Auto」を見る!
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