KTM・ハスクバーナが2ストロークのエンデューロレンジにTPI(フューエルインジェクション)を採用し、3年目となる2020モデル。今年からは150ccの150EXC TPIが追加ラインナップされ、TPI化はさらに加速していく。
Photo by 吉田悠太
Off1.jpでは2009年JECチャンピオンであり、かつてJECプロモーションの一員として日本のエンデューロ界の礎を作った池田智泰に、実走インプレッションを依頼。果たして池田の目にこのニューモデルはどう写ったのだろうか。
セル+キックを併用、TPIらしからぬスペック
KTM
150EXC TPI
¥1,022,073(8%税込)
2019年10月発売予定
150EXC TPIは2020のエンデューロモデルで唯一、セルスターターとキックスターターの両方を採用している。現世代では、2ストローク車にはキック軸を残し、4ストロークからはキック軸を廃してコンパクト化を進めているのがKTMの方針だ。
クラッチ軸を上方に移してエンジン全長を抑えたユニットは、昨今のエンジン設計の特徴。軽く、コンパクトでさらなるドライバビリティの向上を推し進める形。
[ アルバム : 150EXC TPI はオリジナルサイトでご覧ください ]
なぜ125ではなく150なのか
ところで…ヨーロッパやアメリカの選手権では、モトクロスもエンデューロも2スト125ccがジュニアの主力マシンになっており、ライダー育成の観点からも重要な役割を担っているのだが、20年モデルでは125EXCがカタログ落ちしてしまった。
125ではなく150をTPI化したのは、ボア×ストロークの理想的な比率を作りやすい排気量144cc(150EXC TPIは143.7cc)にしやすかったことも理由の一つだろう。また、KTMが10年をかけて作り上げたTPIを、最小排気量の125に適応させることが技術的に困難な背景もあるかもしれない。だが、あるいはKTMの考えるマーケットが、いま変化しつつあることを示唆するラインナップだとも考えられる。
「半クラッチも少なく、気持ちよく走れる」
125よりもトルクの厚い150EXC(XC-W)は、元来実用トルクが厚く、より上級のライダーというよりも「優しいマシン」として定評がある。
「やっぱり125よりも排気量が上がっているから、すごく気持ちよく走れますね。2ストロークは半クラッチを多用して回転を落とさないように走らないといけないというイメージがありますが、これは低速トルクがすごく厚いので、その必要もあまり感じませんでした。
モトクロスコースのように思いっきり開けられる環境では、高回転で少しだけ頭打ち感がありました。具体的にはGAIAのホームストレートの最後とか。チャンバーやサイレンサーの変更で対処できる範囲だと思いますが、その分が低速トルクに振られていると思うと好みの問題だと思います。
当然、250に比べてしまうとシフトチェンジの回数は増えます。ですが、低速トルクがあるのでシフトダウンをミスしてコーナーに入ってしまってもエンストするようなことはありませんし、軽く半クラッチを使ってあげればほとんど問題はありませんでした。乗り方にもよりますが、高回転の頭打ちが少しありますので、上級者はこまめに変えてあげた方が速く走れるとは思います。」
「2020モデルに限った話ではありませんが、KTMはとにかくサスペンションが良いのでどんなところでも安心して突っ込んでいくことができます。車重が軽いので何かあった時の抑えや踏ん張りも効くため、気持ち的にも楽でした。
250EXC TPIに比べて6kg以上軽く、125よりも低速トルクがありますので、フロントアップもやりやすかったですね。クラッチを使わなくても体重移動とアクセル操作だけでフロントを浮かすことができました。極端なロングヒルクライムでもない限り、ハードなことをやるには150の方が向いているかもしれません」
JEC年間チャンピオンだけでなくJNCCでも優勝経験があり、ハードエンデューロMt.モンキースクランブルも優勝している池田。試乗会が行われたワイルドクロスパークGAIAではモトクロスコース、エンデューロコースの一部を使用して様々なシチュエーションで乗ることができた。
モトクロスモデル150SXとも比較してみた
この日はモトクロスレンジのニューモデルも試乗することができたため、150SXとの乗り比べも行った。「150EXC TPIで感じた高回転の頭打ち感は、明らかにないですね。その分、低回転のトルクは減っているので、半クラッチでうまく繋いであげないと速く走るのは難しいです。軽いしサスペンションもしっかりしているので、モトクロスコースで振り回して乗るにはものすごく楽しいマシンです」と池田。
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