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バブル時代に生まれた「SZ」が1120万円で落札!「怪物」と呼ばれたアルファ ロメオは、いま手に入れておきたい1台です

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バブル時代に生まれた「SZ」が1120万円で落札!「怪物」と呼ばれたアルファ ロメオは、いま手に入れておきたい1台です

ヤングタイマーの伝説的アルファ ロメオ

フランスの首都パリにて毎年2月に行われるクラシックカー・トレードショーの世界最高峰「レトロモビル」では、付随するかたちで複数の国際格式オークションが開催されます。そんな状況のもと、クラシック/コレクターズカー・オークション業界最大手のRMサザビーズ欧州本社がこの1月31日に開催した「PARIS」オークションでは、レトロモビルに訪れる目の肥えたエンスージアストを対象とした、レアなクルマたちが数多く出品されました。今回はその中から「イル・モストロ(=怪物)」の二つ名で知られるヤングタイマークラシック、アルファ ロメオ「SZ」をご紹介しましょう。

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怪物と呼ばれたアルファ ロメオ製スーパースポーツとは?

1980年代、長年のライバルであったフィアット・グループに買収されたアルファ ロメオは、その純血性をアピールするためのイメージリーダーを必要としていた。そして誕生したのが、1989年パリ・サロンのワールドプレミアにて世界に衝撃を与え、30年以上が経過した今もなお色あせないアルファ ロメオSZだった。

車名SZの「Z」は、1958年にデビューした伝説の「ジュリエッタSZ(スプリント・ザガート)」と同じく、カロッツェリア「ザガート」の頭文字である。

しかしボディのデザインワークは、この時期フィアット・グループの「チェントロスティーレ(デザインセンター)」に所属していたロベール・オプロンとアントニオ・カステッラーナが手がけ、ザガートはボディ/インテリアのコーチワークのみを担当。その奇怪かつ魅力的なスタイルから「Il Mostro(イル・モストロ=怪物)」と呼ばれることになる。

だがSZの真価は、外見よりも中身にある。トランスアクスル式FRレイアウトや後輪にド・ディオン・アクスルを採用するなど、もともとは1972年発表の「アルフェッタ」に端を発する高度なメカニズムがもたらしたスーパーハンドリングこそが、このクルマのキャラクターを決定づけていたのだ。

さらにサスペンションのチューニングは、アルファ ロメオ社内のレーシング部門スタッフが、アルファ75のレーシングバージョン「75 IMSA」の経験を活かして行ったといわれている。

また「アルファ75アメリカ」用をベースとしつつも、専用チューンをくわえたことで210psを発生する3LのV型6気筒エンジンを搭載し、その快音から当時最高の「サウンドトラック」と称賛された。

そして公道用ストラダーレとしてのみならず、1990年代前半に人気を集めた「イタリア・スーパーカーGT選手権」小排気量クラスでも大活躍し、アルファ ロメオの伝説に連なる名作となったのだ。

走行距離はわずか6000kmたらず

アルファ ロメオにとって、そしてカロッツェリア・ザガートにとってもターニングポイントとなったES30系SZは、ミラノ近郊ロー(Rho)にあるザガート社ファクトリーにて、1991年末までに1036台のみが限定生産されたといわれている。

しかし、少数生産車への関心が高まる時期に発売されたせいなのか、SZの多くはコレクションに収蔵され、走行距離も少ない事例が多かったという。

今回RMサザビーズ「PARIS 2024」オークションに出品されたSZも、そんな一台。1991年9月15日に初登録され、以来32年以上の時が経過したにもかかわらず、公式オークションWEBカタログ作成時点の走行距離は、わずか5836kmに過ぎない。

それでもオークションのわずか一週間前、2024年1月24日にはドイツ・グレーベンツェルのアルファ ロメオ正規ディーラーである「Sportautohaus Schusterschitz」社によってメンテナンスサービスが施行され、合計796.87ユーロの経費が請求されたとのことである。

走行距離の少なさに見合ったコンディションで「コレクタークオリティ」を謳うこの個体には、3点セットの純正ラゲッジセットと、オーナーズマニュアルを収めた純正レザーフォリオが付属する。

RMサザビーズ欧州本社は、出品者である現オーナーとの協議のうえ、5万5000ユーロ~7万5000ユーロのエスティメートを設定。競売において最低落札価格を設定しない「Offered Without Reserve」とした。 この「リザーヴなし」という出品スタイルは、金額を問わず確実に落札されることからオークション会場の雰囲気が盛り上がり、ビッド(入札)が進むことも期待できる。ただしそのいっぽうで、たとえビッドが出品者の希望に達するまで伸びなくても、落札を止められないというリスクも持ち合わせる。

そして迎えた1月31日の競売では、エスティメートに届く6万9000ユーロ、日本円に換算すると約1120万円という出品者側にとっては想定内のハンマープライスで、落札されることになった。

ただ、ここ数年の欧州マーケットの趨勢を見ていると、ES30系SZの販売価格は最高で10万ユーロにも達していたこともあるようだが、今回の出品車両はコンディションが最高レベルとはいえないものだったのか……? あるいはアルファロメオSZの相場自体が落ち着いたのか……?  そのあたりが気になるところではある。

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みんなのコメント

1件
  • nja********
    カッコいいねSZ、若い頃欲しいと思ったな。
    結局、91年式のスパイダーを買って、それはそれで楽しかったが、今でもSZへの憧れはあります。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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