止まるか通過するか迷った挙げ句の急ブレーキは危険!
「黄色 当然、赤 勝負!」というブラックな標語(?)があったが、黄色信号をどう判断するかはなかなか難しい問題だ。地域性もあるし、交差点の大きさ、ブレーキを踏む前の速度、交通量の多寡、後続車や、対向車線の右折待ち車両の有無など、トータルで判断が問われるところ。
【イラッ!】高速で左車線がガラガラなのに右車線を走り続けるクルマの対処法
ひとつだけはっきり言えるのは、黄色信号を見て、そのまま通過しようか、止まろうか迷った挙句、最後に急ブレーキで止まるのが一番最悪だということ。
目安としては、同乗者が不快になるような、強いブレーキを踏まないと停止線までに止まれないようなタイミングなら、そのままというより、むしろ気もち加速してでも、通過してしまうほうが安全。
交差点にもよるが、黄色信号が点いている時間はおよそ3秒前後。仮に50km/hで走っていたとすると、秒速約14mなので、3秒あればクルマは42m進むことになる。交差点の幅が10mぐらいだとしても、余裕を見て、停止線まで20mを切っているような距離だったら、やや加速気味で通過してしまってもいいタイミングなのではなかろうか。
逆に交差点まであと15mを切っているような位置で、50km/hから完全停止しようとすると、けっこう強いブレーキを踏む必要があるはずだ。
そこで、信号のある交差点に差し掛かるときは、できれば早めに進行方向側の歩行者用信号もチェックしておくことをおすすめする。そうすれば、まだまだ青信号が続くのか、もうすぐ黄色信号になりそうなのかがわかるので、余裕を持って進むか、止まるか判断できるからだ。
「黄色は止まれ。教習所でそう習わなかった?」と正論をかざすことは簡単だが、状況に応じて最適解は変わってくる。
あるアンケートでは、「黄色信号になったら加速する」と答えたドライバーが4割もいた。もっと言えば、歩行者の場合、歩行者用信号の青が点滅すると、立ち止まる人より、駆け足で渡り出す人のほうが圧倒的に多い。
そうした事実から考えると、黄色になったら必ず止まるというのは、非現実的で、追突されるリスクもあるのではないだろうか。
というわけで、対向車線に右折待ちのクルマがなく、赤信号に代わる前に、十分交差点を通過できそうなタイミングであれば、黄色信号になったとしても、そのまま進んでしまった方が、よりベターな判断というのが現状だと考えられる。
(文:藤田竜太)
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