■フェイスチェンジで話題の「デリカD:5」。街中ではいかに?
すでに限られたテストコースや雪道でのレポートが出回っている新型「デリカD:5」ながら(すでに納車は始まっているらしく街中で見かけました)、考えてみたら一般道じゃ乗っていないのです。
12年守ったデザインにメス! 三菱 新型「デリカD:5」の狙いとは 日産「エルグランド」との共通化は?
乗り心地やドライバビリティなど、道路を走ってみたいとハッキリ解らない。やっとナンバーの取れた広報車が揃ったということで試乗してみます。
シフトレバーをDレンジにセレクトして走り出すと、改めて感心したのがディーゼルエンジンの静かさ。従来型は、一昔前のディーゼルの雰囲気を濃厚に残していました。
すなわちエンジンを掛けるやキンキンカリカリとしたディーゼル特有ノック音を響かせ、それなりの振動も出します。しかし、新型「デリカD:5」は、他社のクリーンディーゼルと同じく静か&滑らかです。
加えてトルクも明らかに太くなり、絶対的な数値をみると先代より少しだけ増えたのみ。実際は、トルクの立ち上がりなど改善されたらしく、ボディが軽くなった如くグイグイ加速します。
ミニバンのECOパワーユニットといえば先代「デリカD:5」を除きハイブリッドしか選べなかったけれど、ディーゼルとの相性は抜群に良いのです。
また、新しい8速ATの変速フィールも素晴らしい。8速あるとやたらシフトチェンジして煩雑な感じになるかと思いきや、そんなことありません。
変速フィールが滑らか&加速の切れ目が無いため、走り出すやスイスイとギアチェンジしていく。それでいて、巡航時の回転数低く、燃費に良い影響を与えていると考えられます。
■デリカといえば悪路の走破性も魅力
キャンプや釣りなどアウトドアスポーツで走るような狭い未舗装路を走ってみると、こういった悪路に入るとクルマが「任せとけ~っ!」といっているような感じ。高い最低地上高のため下回りを擦ることなく、多少滑りやすい路面など全く苦にしない。普通のミニバンじゃ全くその気にならないような道を楽しく走れるのです。
好感を持てたのがハンドリング。三菱ファンなら御存知の通り「デリカD:5」のプラットフォームは、名車「ランサーエボリューション X」と共通。
高速道路でも抜群の直進安定性を見せながら、ワインディングロードだってビシッと曲がってくれます。ミニバンで最も硬派の走りといって良かろう。オフロードタイヤ履いたって楽しめます。
それでいて乗り心地が良い。筆者(国沢光宏)は、乗り心地フェチのため、少しでもゴツゴツしたら足回りを交換します。三菱「アウトランダーPHEV」も即座にダンパー変更。新型「デリカD:5」ならどうかといえば、ガマンの限度内に収まっている。筆者(国沢光宏)の容認限界は非常に高いため、普通の人なら不満を感じないと思う。日本車じゃ『松クラス』といって良いです。 もし、「デリカD:5」の購入を考えていて、しかも価格に納得出来るなら強く背中を押しておきます。普通のミニバンが都会用のスニーカーだとすれば、「デリカD:5」ってタフなトレッキングシューズとなり、休日が楽しみになることだろう。ただ、テントやタープ、ルーフキャリアなど、欲張るとけっこうな出費になるので御注意を。 【了】
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