近年圧倒的な強さを誇るメルセデスF1チームにシーズン初黒星を付けたのは、今年もマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だった。彼は第5戦F1 70周年記念GPで4番グリッドからスタートすると、タイヤの摩耗に苦しむメルセデス勢を尻目に、完璧なタイヤマネジメントを見せて首位を奪うと、そのままトップチェッカー。今年こそメルセデスのシーズン全勝か……という空気感さえ漂う中で見事に勝利を挙げた。
そんなフェルスタッペンを、F1のモータースポーツ部門のマネージングディレクターであるロス・ブラウンは絶賛。ブラウン曰く、フェルスタッペンのパフォーマンスは、かつて7度のF1王者に輝いたミハエル・シューマッハーを思い出させるものだという。
■「今がチャンス!」フェルスタッペン、チームの指示に反対した理由を説明
ブラウンはかつてテクニカルディレクターとしてベネトン、そしてフェラーリに在籍した経験があるが、そこではいずれもシューマッハーとタッグを組み、彼の7度のタイトル獲得に大きく貢献してきた。
シューマッハーはキャリアの中で、必ずしもベストマシンを手にした訳ではない。ベネトンでの初戴冠も当時最強と言われていたウイリアムズ・ルノーを下してのものであり、その後もウイリアムズ、マクラーレンなど、その年のベストマシンを相手に脅威的なパフォーマンスを見せてきた。ブラウンはそんなシューマッハーと、今のフェルスタッペンが重なって見えるようだ。
ブラウンはレース後のコラムの中で次のように綴っている。
「マックスはシルバーストンでセンセーショナルな走りをした」
「彼はいろんな点でミハエル・シューマッハーを思い出させる。無線を聞いていると、彼には明らかに余裕がある」
「マシンの限界は、マックス・フェルスタッペンの限界ではない。彼はマシンの繊細さを感じ取り、完璧に対応することができる。私はマックスのF1キャリア初期を覚えているが、その速さは明らかだった。そして今、彼は並外れたレーシングドライバーに成長した」
「彼の無線はとても気に入っている。特に、タイヤをマネジメントするよう指示された時に『おばあちゃんのようには走りたくない』と言ったのは印象的だった」
「それは大きな自信と、チームとの強力な関係を示している」
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