2023年シーズンのF1で圧倒的な強さを見せているレッドブルRB19。シーズン前半戦を終えた段階で全勝。開幕からの連勝でも新記録を樹立するなど、歴史的な強さを見せている。シーズン後半も何事もなければ、シーズン全勝を達成する史上初めてのマシンになっても決して不思議ではない。
そんな強さとは裏腹に、レッドブルのこのマシンに対する認識は、著しく異なっているという。
■レッドブルの持つDRSアドバンテージ、ライバル達の解明が遅れたのは「驚きだ」と技術幹部
レッドブルはRB19について、何か傑出したモノを持ったマシンだとは考えておらず、単に全ての領域でまともなマシンであることを目指したという。
レッドブルのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェはmotorsport.comに対し、次のように語った。
「全てにおいて平均的に良いというのが、良いクルマを作るということなのだ」
そうワシェは言う。
「どこかが優れているわけではないんだ。なぜそれが良いのか……それは、他のマシンよりも速いからだ。根本的に言えば、我々は素晴らしい仕事をすることはできなかったかもしれない。しかし良い仕事はできたんだ」
「他のチームがもっと良い仕事をできなかったことに、私は驚いた。だから、我々の予想は、シーズン初めから大きく異なっていたんだ」
「謙虚なことを言うとか、そういったことはしたくない。でも、一部のチームは3レースのうちに1周あたり1秒速くなるとか、そういうことができている。つまり、あるモノを組み合わせれば、きちんとしたモノになるということだ。2年の開発期間など必要ない」
■2023年に予測していたモノ
2022年のシーズン後半にも、11戦中10勝を挙げるなど強さを発揮したレッドブル。しかしメルセデスの調子が上向きつつあったりするなど、新シーズンになると激戦が繰り広げられることになるはずだと、多くの人が考えた。
しかし実際に2023年シーズンが始まると、レッドブルは前年以上に他を引き離していた。
「そんな状況は予想していなかった」
そうワシェは言う。
「我々はメルセデスとフェラーリの2チームと、優勝争いを繰り広げることになるかもしれないと予想していた」
「昨年末の段階での我々のアドバンテージは、十分に強力なモノではないと考えた。フロアのレギュレーションが変わり、フロアエッジとキックラインが持ち上げられることで、それらのチームが復活してくると思っていたんだ」
「冬の間に、手にしていたはずのパフォーマンスが削がれると思っていた。特に10月以降は風洞実験の時間も減ったので、成功するのは難しいと考えていた。だから、今シーズンが始まった時には、非常に驚いたんだ」
■RB19は”優れた妥協”の産物
ワシェ曰く、RB19が優れたパフォーマンスを発揮するのは、マシンが平均的に優れており、優れた妥協点を見出したからだと語る。
「我々が他のチームよりも理解しているとは思わない。おそらく、他のチームよりも優れた妥協点を見つけることができたということだと思う」
そうワシェは言う。
「メカニカルグリップの影響が以前よりも大きくなり始めており、それには剛性が大きな役割を果たしてるということは、誰もが多かれ少なかれ理解していると思う」
「空力特性とマシンをどう走らせるかということの関係性は、以前よりもさらに強くなっている。そしてレギュレーションにより、かつては非常に役に立っていたダンパー(イナーター)の使用が禁止された。現行マシンなら、さらに役に立っただろうが、もう使うことはできないんだ」
「良い妥協点を与えてくれたのは、マシンを開発する方法だったと思う。でもそれは、我々の理解が深まったからではない」
■空力ペナルティ
昨年のチャンピオンコンストラクターであるレッドブルは、空力開発量が他チームよりも制限されている。しかも、2021年に予算制限に違反したとして、その空力開発がさらに10%削減されている。これにより、昨年のコンストラクターズランキング7位のチーム(アストンマーチン)に比べて、63%しか風洞実験などの空力開発を行なうことができないのだ。
これは大いに不利だが、ワシェはこの不利を認識することで、チームは戦術的により鋭くなったという。
「我々の状況は、正直に言って確かに不利だ」
そうワシェは説明する。
「しかし、無駄なことを探究しないようにチームに働きかけることができたというのは利点だ」
「効率性は見直される必要がある。以前はそれほど気にしていなかった」
「ハングリー精神を持つことも助けになる。特にテクニカルチームは、良い仕事をしたのに、こういうペナルティを受けることを理解するのは難しいからね」
「彼らはそういうのを、個人攻撃と受け止める。そうすればさらに良い仕事をするし、モチベーションも高まるんだ。そういう点では、ある程度のメリットがあると思う」
■全勝マシンの弱点
今季ここまで全勝しているレッドブルRB19だが、簡単な状況ではない。レッドブルとしても、対処すべき弱点があることを認めており、現在の状況が続くことを期待しているわけではないという。
「いろんなことで、夜中に目が覚めてしまうんだ! チームは現実的だから、いいと思うけどね。当たり前のことは何もない」
「ハイダウンフォースのサーキット、特にブダペストやモナコのようなサーキットでは、我々の弱点が現れると思う。予選や低速区間でもそうだ」
「一部のチームは、我々よりも良い妥協点を持っていると思う。それは、我々がもっと改善しなければならない部分だ」
ワシェは改めて、RB19は史上最高のF1マシンではないと語った。
「私はそうは思わないね」
「もしかしたら、来年気付くかもしれない。なぜなら来年のマシンが、絶対的な意味で今年のマシンよりも優れていることを願っているからね」
「このクルマが成功しているのは素晴らしいことだ。しかしそれは、クルマとドライバーの組み合わせによる部分だと思う。また2014年以来、チームを立て直すために大変な努力を続けてきた。その努力の賜物だと思う。新しい人材を獲得し、組織が作り上げられた。そして、今あるモノを築き上げたんだ。それは瞬間的に起きたわけでも、偶然起きたわけでもないんだ」
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その程度