2月18日(日)、2024年WRC世界ラリー選手権の第2戦『ラリー・スウェーデン』の競技最終日となるデイ4が行われ、デイ2で総合首位に立ったヒョンデ・シェル・モービスWRTのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヒョンデi20 Nラリー1)がリードを守り切り、2017年のラリー・フィンランド以来となる自身6年ぶり2度目の総合優勝を飾った。
また、2024年シーズンから新たにポイント付与の対象となった日曜日のみの総合順位“スーパーサンデー”では、デイ2を総合2番手で終えたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が首位となり、総合順位でも2位に入った。続く総合3位には、Mスポーツ・フォードWRTのアドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア組(フォード・プーマ・ラリー1)が入り、自身初の総合表彰台獲得となった。
ラッピが6年ぶりの総合優勝。豪雪にライバル脱落で大荒れのスノーラリーを制す/WRC第2戦スウェーデン
TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)から参戦する日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、デイ3に行われたSS10でのデイリタイアから復帰し、総合45位、クラス8位で今大会を終えている。そんな大会最終日デイ4を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/総合3位
「僕にとって4回目のスノーラリーで、スウェーデンでもトップレベルの大会、2024年シーズン2回目のラリーで初の表彰台を獲得できて本当に最高だ」
「僕たちは現在チャンピオンシップで3位につけている。これはとてもポジティブなことだし、熱心に取り組んできたチーム全体に大きな自信とモチベーションを与えてくれる。全員で協力し、完璧に機能していることを僕たちは本当に誇りに思える。今はただ表彰台を楽しみたい。素晴らしかったよ。できればこれからもっと表彰台を獲得できることを願っているよ!」
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/総合23位
「僕たちはここスウェーデンで多くのことを学び、週末を通して成長した。1kmあたりのギャップはどんどん小さくなっていったし、今回はそれが目標だった。残念ながら土曜日の夕方に小さなミスをしてしまったが、スノーバンクにはまってしまうのもラリー・スウェーデンでの経験のひとつだろう」
「ラリーを経験したドライバーなら誰しも一度はそんな経験があると思う。メカニックに余分な仕事をさせることになったので残念だったが、彼らはすべてを修理してくれたので、日曜日にまた走行してさらに多くの経験を積むことができた。そのことをとてもうれしく思うよ」
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合4位
「チームがまた勝利を手にすることができて良かった。3週間で2勝できたことは僕たちにとって大きなモチベーションになる。2023年シーズンはわずか2勝だったからね」
「今回は、ミスをせずに乗り切る必要があったけれど、ミスがなかったクルーはおそらく僕たちだけだったと思う。僕たちは金曜日の状況を受け入れる必要があったが、土曜日をより良いものにすることを期待して、なんとか順位を上げることができた。最後にポイントを獲得できてうれしいよ」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合41位
「今週末は、最速になるために必要なペースを出すのが難しかった。金曜日のミスにはもちろん苛立ったが、その後はなおさらそうだったんだ」
「金曜日は路面が少し滑りやすくなったのでクルマの感触は良くなったが、グリップが改善すると快適ではなくなった。僕の方は、シーズンをスタートするのにミスが多すぎたことは間違いない。でももっと改善できることは分かっている。次のケニアでクリーンなラリーができることを楽しみにしている」
●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合優勝
「今は素晴らしい気分だよ。僕はこの2回目の勝利をかなり長い間追い求めてきた。困難だった2023年シーズン後半の後も、僕をチームに残してくれたシリル(アビテブール/ヒョンデ・モータースポーツ社長兼チーム代表)に心から感謝せずにはいられないよ」
「この瞬間はあのときとはとても対照的だ。チームと、家にいる僕の家族にも大きな感謝を伝えたい。僕たちは、勝つためにここにいる。そしてそれを達成したときは、世界で最高の気分だ。本当に素晴らしいラリーだった。リタイアがもっと少なければ、さらに面白くなったかもしれないが、スノーバンクは味方にも敵にもなり得るんだ。今週の雪は僕の味方だった。とてもありがたかったよ」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合39位
「今日の唯一の目標はチームのポイント獲得に貢献することだったので、それを実現できたことを嬉しく思う。エルフィン(エバンス)をできる限り助けたいとも思っていたよ」
「もちろん、優勝するためにスウェーデンを訪れたので、この週末の結果には満足できていない。チームの皆は素晴らしい準備をしてくれたし、クルマには優勝を狙える速さがあった。それだけに申し訳なく思うし、感謝もしている。ただ、少なくとも最終的に数ポイントを獲得することはできたので、次のWRCで走るときが楽しみだよ」
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合2位
「浮き沈みの激しい週末だった。金曜日は出走順が悪く、あまりいい一日ではなかったね。しかし、それを何とか乗り切ったことが大事で、上位争いに復帰するチャンスを得ることができたんだ」
「コンディションが自分たちに合っていたときのペースはとても良かったし、今日は最終的に十分なポイントを獲得することができた。パワーステージではおそらくベストタイムを出せたはずだったが、最後にいくつかミスをしてしまったよ。それでも、序盤の状況からすれば期待以上に多くのポイントを獲得できたのだから、それなりに満足といったところかな」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合45位
「今日はできるだけ多くのポイントを獲得したかったのですが、出走順があまり良くなく、パワーステージではまったく違うクルマの走行ラインをフォローしなければならなかったので、簡単ではありませんでした」
「今大会は、自分にとって困難な週末になってしまいました。クルマのポテンシャルはとても高く、自分たちのパフォーマンスも良かったのですが、それを結果に結びつけることはできませんでした。今回のことからどのように学ぶのか考える必要がありますし、次にチャンスが巡ってきた時に、それをものにできるようにしなければなりません」
「次のケニアは、以前自分にとって相性がいいラリーだったので、一度リセットして正しいアプローチで臨みたいと思います」
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