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どこが凄い? 何がいい?? 空前の大人気 新型ランクル300 圧倒的実力と世界のライバル

掲載 更新 24
どこが凄い? 何がいい?? 空前の大人気 新型ランクル300 圧倒的実力と世界のライバル

 2021年8月2日に発売開始となったトヨタの「ランドクルーザー(以下、ランクル)」。先代の200系ランクルと同様、販売は絶好調となっており、相当数のバックオーダーがあるそうだ。

 新型である300系ランクルは、先代に対して様々な部分に手を入れられており、訴求ポイントがたくさんある。ここで改めて、新型ランクルの紹介と実力分析をしつつ、ライバルとなるモデルとの比較もしていこう。

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文:吉川賢一
写真:TOYOTA、LAND ROVER、FCA

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200kgもの軽量化に成功した、新型ランクル

 「どこへでも行き、生きて帰って来られる」をコンセプトとするランクルは、ヘビーデューティな使い方に耐えることができる本格オフローダーだ。今回の新型では、高い剛性を誇る伝統のフレーム構造は踏襲しつつ、TNGAに基づくGA-Fプラットフォームを採用し、新開発のパワートレインを搭載。また、新世代に相応しい最新の運転支援技術も備え、全方位でブラッシュアップされた。

新型ランクルのボディサイズは、4950×1980×1925(全長×全幅×全高)mm、ホイールベースは2850mm

アプローチアングルやデパーチャーアングルは先代200系の数値を踏襲し、これまで通りのオフロード性能とした

 新開発のGA-Fプラットフォームでは、高張力鋼板の採用を拡大し、ボンネット、ルーフ、前ドアパネルはアルミ化。さらに、最新の溶接技術を活用したことで、剛性向上(従来比+20%)しながらも、200kgの軽量化を達成した。またパワートレインのレイアウトを見直し、車両後方に70mm、下方に20mm移動し、低重心化とフロント荷重の適正化に成功したという。

 クルマの基本設計が古く、また先代は重量級ボディ(2500kg超)であったので、軽量化のし甲斐はあっただろうが、それにしても200kgの軽量化はハンパない仕事っぷりであり、燃費性能や運動性能は大きく改善できているであろう。

 この軽量で強靭なボディがあるからこそ、悪路走破性向上のために開発した、新しいフロント・ハイマウントダブルウィッシュボーンサスや、リア・トレーリング車軸式、それぞれに施したホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)などの改良が活きてくる。

伝統のラダーフレーム構造は踏襲、高張力鋼板の採用拡大、ボンネット、ルーフ、前ドアパネルをアルミ化し、最新の溶接技術を活用したことで、剛性向上(従来比+20%)かつ200kgにも及ぶ軽量化を達成

電子制御でスタビライザー効果を変化させるE-KDSS。市街地での走行安定性とオフロードの走破性を高次元で両立させる。また、ばね定数やAVSも最適化されている

一気に2世代ほど進化したインテリア

 先代のランクルは、手を付けやすいエクステリアは何度かマイナーチェンジで手直しされてきたが、電装系が多く関わるインテリアを大きく変えることは難しく、ライバル車が続々と最新鋭のデジタル意匠となっていくなか、ランクルは取り残されていた。新型では、その「借り」を返すかのように、インテリアが一気に2世代ほど進化した。

 センターコンソール最上段にレイアウトされた12.3インチのワイドタッチディスプレイ(GXを除く全車にオプション)には、ナビやオーディオはもちろん、前輪が進んでいく先の足元の映像を、高精細に映し出すことできる。傾斜計、デフロックのオンオフ状況、アクセルとブレーキワークなども表示でき、車両状態を把握するのに役立つ。

 これらは既に他社車での採用事例がある既知のテクノロジーのため、驚きは少なかったが、オフロード走行が得意なランクルには実に適したアイテムだ。

 ただ、「最先端のデジタルインテリア」という方向では、メルセデスやBMW、ポルシェなど、ライバルメーカーの大型SUVの方が優れている。しかしながら、派手さはないながらも、清潔感と実用性の高さを感じるのは、新型ランクルの方だといえる。

新型300系ランクルのインテリア。新型では、スイッチなどのレイアウトが整理整頓された印象

先代200系ランクルのインテリア

高精細な12.3インチのワイドタッチディスプレイ。オフロード機能として、直前に撮影したカメラ画像を合成し、接地場所とタイヤの向きを表示するモードも

盗難対策として新たに導入した、トヨタ初となる指紋認証スタートスイッチ。登録済みの指紋情報と一致しなければ、エンジンが始動しない

パワートレインは想定内の進化、ハイブリッドに期待!!

 パワートレインは3.5LのV6ツインターボ ガソリンエンジン(最高出力415ps/最大トルク650Nm)と、3.3LのV6ツインターボ ディーゼルエンジン(309ps/700Nm)だ。どちらにも、Direct Shift 10ATを組み合わせる。先代の4.6L V8エンジンのスペックは318ps/460Nmなので、新型では大幅なパワーアップを果たしていることになる。

 WLTCモード燃費は、ガソリン(ZX)が7.9km/L(市街地5.3、郊外8.2、高速9.6)、ディーゼルは9.7km/L(市街地7.2、郊外9.7、高速11.3)。先代(ZX)は6.7km/L(4.5、6.9、8.2)であったので、約17%改善してはいるが、やはり燃費がいいとはいえない。CO2排出量(WLTCモード)は、336~347g/kmから267~294g/kmへ、14~30%ほど改善しているが、95g/kmという目標値には程遠く、高CO2排出車であることは知っておかねばならない。

 このあたりをトヨタ担当者に伺ったところ、ランクルとはいえ(カーボンニュートラルは)避けては通れないが、現時点、新型ランクルに適した電動化技術がなく、このようなかたちとなったそうだ。

 しかし、ランクルに見合う電動化技術を用意できれば、電動化は当然、検討範囲に入るとのこと。それが、通常のハイブリッドになるのか、プラグインハイブリッドのようになるのかは定かではないが、300系ランクルのライフ途中での追加があるか、楽しみなところだ。

絶妙な立ち位置を守っているランクル

 この新型ランクルと、サイズや価格、コンセプトが近い本格オフローダーといえば、ランドローバーディフェンダー110(ワンテン)や、ジープラングラーUnlimitedだろう。

 ランドローバーディフェンダー110(619万円~)は、全幅1995 mm、全高1970mmという巨体から溢れる逞しさと、堅牢感が半端ない。箱型ボディにマッシブなフェンダー、立ち上がったフロントウィンドウ、水平なショルダーライン、切り立ったテールなどは、初代ディフェンダーのデザインをオマージュしたそうだ。2.0リッター直4ターボをベースとして、上級グレードに直6ディーゼルターボをラインナップ(754万円~)。

 最大渡河水深は900mm(エアサスの場合)を誇る。5ドアの110のほか、3ドアの「90(ナインティ)」もある。ランクルよりもクラシカル寄りのデザインと、最新装備の数々、そうしたコントラストが好きな方にはおススメだ。

2021年モデルでは、待望の3.0リットル直6ディーゼルターボをラインアップに追加。300ps/650Nmを発揮するパフォーマンスを誇る

 ジープ・ブランドの中でも最強のオフローダーであるラングラーUnlimited(558万円~)は、走破性や耐久性の高さは世界一を目標としており、高度なオフロード性能試験に合格した「トレイルレーテッド」のバッジを全グレードが付けている。

 ラングラーは、ランクルよりもひと足先に、欧州でプラグインハイブリッドモデル「ラングラー4xe」を誕生させている。日本市場への導入は未定のようだが、やはりこの手のオフローダーにもハイブリッドは必須の時代だ。ランクルよりもド派手でハードなデザインが好きな方には、ラングラーの方をお勧めしたい。

プラグインハイブリッドのラングラー4xe(フォー・バイ・イー)が欧州で誕生。電気モーター2基と11.4kWhのリチウムイオンバッテリー、ガソリンエンジンの組み合わせとなる

 さらに上を見れば、プレミアムブランドのBMW X5(945万円~)、メルセデスGLE(964万円~)、Gクラス(1250万円~)、ポルシェカイエン(1096万円~)などもあるが、どれも高い悪路走破性を謡っているものの、どちらかというと、オンロードメインでオフもいけるというノリに近い。これらのクルマで、草木の茂った森の中や、砂地や岩山を走ってボディに傷がついても気にしない方は世の中にどれほどいるだろうか。

 そう考えると、税込510万円から購入でき、ギリギリ実用車と呼べる新型ランクルは、実に「絶妙な」立ち位置を守っており、これこそが、正式発売後に受注が殺到して、納車が2年待ちにもなる、ランクルの魅力なのであろう。

先代200系ランクルでは最上級グレードであったZXだが、新型である300系ではZXの上にGR SPORTが追加。そして3.0LツインターボディーゼルのGX、AXも登場した

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みんなのコメント

24件
  • そりゃジムニー同様に唯一無二の車が、長い間フルモデルチェンジしていなかったんだから一気に3万台位は受注が来ても当たり前でしょ。
  • 整備工場経営です。担当ディーラー営業と話ししたら、会社からは実質2年待ちだが、『3年待ちと言え』となってるそうです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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