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新型フォレスターは2.5ℓとe-BOXERでパワートレーンの上下関係はなし。だから、どちらを選ぶかとっても悩ましい!

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新型フォレスターは2.5ℓとe-BOXERでパワートレーンの上下関係はなし。だから、どちらを選ぶかとっても悩ましい!

新型フォレスターの初期受注は、月間目標2500台に対して13000台。出足はなかなか好調だ。今回初めて投入されたe-BOXERは、想定30%に対して40%と大きく期待値を超えた。試乗車導入のタイミングからすると、とくにe-BOXERは、事前試乗なしに注文が入っていることにも注目である。 REPORT●森本太郎(MORIMOTO Taro) PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)/神村 聖(KAMIMURA Tadashi)

 百花繚乱状態のミドルサイズSUVマーケットでは、次から次へと新型モデルが登場している。そんななか、まずはフォレスターの立ち位置を確認するため、フォレスターのライバルにあたる各社を代表するミドルサイズSUVの特徴を見てみよう。元祖シティ派SUVが成長して上質感を高め、オンロード寄りイメージの強いCR-V、内外装のデザインと舗装路での走りにこだわったCX-5、PHEVが最大のウリで独自の路線を行くアウトランダー。乗用車ベースの高級SUVの元祖といえるハリアー、そして、もともとオフ志向を強くアピールしていたエクストレイルは、これらのラインナップの中ではもっともフォレスターに近いキャラクターといえるかもしれない。

スバル・インプレッサのメカニズムを徹底解説!

 大小さまざまなクラスでSUV人気が広がるなかで、どちらかと言うと土臭くない、=シティ派、アーバン、クーペ系、ラグジュアリー系‥‥などと呼ばれるSUVが増えてきた。そんな状況であらためて新型フォレスターと向き合うと、表向きの色気や装飾、流麗なスタイリングよりも、SUVに求められる機能性や実用性に正面から取り組んでいることが分かる。SUVらしいとか、正統派と思わせる所以はまさにそこにある。あらためて見てみると、フォレスターはきわめて真っ当で、芯からSUVらしいSUVだと言うことができる。

 街中試乗でさっそく2.5ℓ NAのX-BREAKから乗り込んでみる。あらためてフォレスターに触れ、最初に感じられるのは、圧倒的な視界の良さだ。窓が大きく、細い印象のAピラーは手前側に引かれ、サイドミラーも視界の邪魔をしない位置に置かれる。視界性能の良さはもともとスバルの得意分野だけれど、そのことを知っていても、あらためて気付かされずにはいられない。それほど他車に較べて突出しているということだ。

 次に感じるフォレスターならではの特徴は、高めの着座位置にアップライト気味に座らせること。サイドウインドウの立ったボクシーで視界の良い室内に、アップライトに座ることからも、紛れもないSUV感が味わえる。今回、プラットフォームの新設にも伴なって、積載性にも徹底的に配慮したことも合わせて、極めて高い実用性を感じさせるのもフォレスターの美点だ。おしゃれよりも道具感、という印象を抱かせる。飾っておくより、ガシガシ使い倒してこそ本当の良さが出るクルマという意味でも、SUV中のSUVらしいし、極めてスバルらしく真面目に作り込まれたクルマだと言うことができる。オフ志向を高めたX-BREAKではこの道具感はますます強く、専用の加飾もフォレスターのキャラクターに良く似合っている。

 主力のパワーユニットは、先代の2.0ℓから2.5ℓ へとグレードアップ。184ps/5800rpm、24.4kgm/4400rpmのパワーとトルクをもつ。先代に存在した280psのターボエンジンを今回止めたこともあるためか、この2.5ℓ NAはなかなかにパワフルだ。発進後のひと踏みでの加速が快活で、SI-DRIVEセレクターをSにする必要を感じさせないほどだ、ひとり乗りならIでも十分速さを実感できるし、Sにすればさらに加速が鋭くなるのは言うまでもない。この活発なパワートレーンは、快活なフォレスターのキャラクターにもバッチリ合っており、スポーティな走りも強力にサポートしてくれる。

 一方、今回からe BOXERと名付けられたマイルドハイブリッド仕様(アドバンス)にも試乗してみた。軽く踏んでもかなり力強い2.5ℓ NAに比べると、アクセルがやや重い印象。SではIと比べて明確に違うものの、快活というほどではなかった。もともとe BOXERのモーターは大きくなく、13.6ps、6.6kgmというスペック。できるだけモーターを使い、速く、燃費良く走るアウトランダーPHEVやCR-V ハイブリッドなどとはコンセプトが違う。あくまでエンジンをサポートするという役割だ。モード燃費も、2.5ℓと比べてもそれほど大きくは変わらない。ただ、e-BOXERの目的は、モーターゆえのレスポンスやコントロール性の良さに着目し、走る楽しさやドライバビリティを向上させるためのものと開発陣も語っている。別の試乗環境の時には、モーターの程よいアシストが運転しやすさや、走りの上質感演出に繋がっていたことも確認できているから、あらためて、別のシチュエーションでも再度確認してみたい。

 新型のラインナップの特徴のひとつは、ガソリン(2.5ℓ NA)とHV(e-BOXER)、それぞれに明確な上下関係がなく、価格もメリットも拮抗していることだ。ダイナミクス(速さ)では、ガソリン車に軍配。燃費は、HVがやや上回るものの、WLTCの市街地モードではHV、郊外モードと高速道路モードでは逆にガソリンが上回るなど、総合的にはあまり差がない。価格も、装備の近い上級グレード同士で比べると、税別わずか7万円の価格差(HVが上)だ。最新トピックのひとつであるドライバーモニタリングシステムがHVのみに装備されることを考えると、価格差ほぼなしと言っていい。

 ライバル他車の場合は、コンベンショナルなガソリン車をやや安めに設定。ハイブリッド車は燃費が大きく優れていたり、パフォーマンスが大幅に向上しているなどし、価格も明確に高く、明らかな上級グレードとするケースが多い。対する新型フォレスターは、カタログ上はハイブリッドをトップに据えてはいるものの、その内容は拮抗しているから、あくまで上下関係ではなく、大きく異なるそのキャラクターに対する好みによって選択するのが正解だろう。コンベンショナルな走りの気持ち良さやシンプルさを旨とするなら、X-BREAKを始めとするガソリン車。対して、出力は小さいながらも必要な場面でモーターがアシスト、ドライバーモニタリングや上質な室内のしつらえで新しさに触れたいならe-BOXERということになるだろう。

 出来れば、後からでもベースグレードとして2.0ℓ車がラインナップされると有り難い。2.0ℓ以下の自動車税で収まるのは誰にとっても助かるし、フォレスター以外のライバル車はすべて、コンベンショナルな2.0ℓエンジン(CR−Vは1.5ℓターボ)を用意してラインアップの底辺を支えているからだ。そうなれば、フォレスターを選べる人が今よりさらに増えるだろう。

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