クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第94回は「アウディ R8(2代目)」だ。
アウディ R8(2代目:2015年-)
2006年に発表されたアウディ初のスーパースポーツカー、R8は、ハイパフォーマンスに加えてアウディならではの快適性ももたらしたスーパースポーツカーとして好評を博し、クーペとスパイダーを合わせて全世界でおよそ2万7000台を販売するというヒット作となった。
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2015年のジュネーブ モーターショーで、アウディは2世代目にフルモデルチェンジしたR8をワールドプレミアした。そのスタイリングは初代を踏襲しており、パッと見には初代のビッグマイナーチェンジモデルのようにも思えるエクステリアだが、初代よりもシャープでアウディの最新デザインコンセプトを主張していた。初代でも特徴的だったボディサイドのサイドブレードは上下2分割タイプとなり、ここが最大の識別点だろう。サイズ的には、初代より全長が少し短く全幅が少し広がったが、大きくは変わらない。
シャシにはアルミニウムとCFRP(炭素繊維複合素材)を組み合わせた新開発のアウディ スペースフレーム(ASF)を採用し、フレームの重量は初代R8より10kg軽い200kgとなった。
初代R8がランボルギーニ ガヤルドと姉妹車だったように、新型R8はランボルギーニ ウラカンと姉妹車の関係にある。したがってミッドシップ搭載されるエンジンはウラカンと共通の5.2L(正確には5204cc)のV型10気筒 自然吸気のDOHCだが、標準モデルの最高出力は540ps、最大トルクは540Nmというパワースペックだった。高性能仕様のプラスでは、ウラカンと同じ610ps/560Nmに強化されている。低負荷時には片バンクを休止させるシステムも採用している。初代に搭載されていたV8は設定されていない。
トランスミッションは7速DCTを組み合わせ、駆動方式は電子制御油圧多板クラッチを用いた新開発のクワトロドライブ4WDを採用し、優れたトラクションとダイナミックなハンドリングを高次元で両立している。
インテリアはアーチ型のラインでコクピットを囲い込む「モノポスト」と呼ばれるコンセプトを採用し、メーターパネル全体がTFTディスプレイとなったアウディ バーチャルコックピットを標準装備している。最新世代のマルチメディアインターフェース(MMI)やアウディコネクトも装備し、快適性は初代R8以上に向上している。
2016年にはオープンモデルのスパイダーも2世代目にフルモデルチェンジされた(日本導入は2017年)。20秒で開閉する油圧式電動ソフトトップは、50km/h以下であれば走行中でも操作が可能だ。2019年には一部改良されて、パワースペックは620psと580Nmに向上している。フルEV版の「e-tron(トロン)」も受注生産されたが、期待されたほどは売れなかった。それでもEV化を進めているアウディゆえ、次期R8はe-tronのみになるのではとも噂されている。
アウディ R8クーペ V10 5.2FSIクワトロ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4425×1940×1240mm
●ホイールベース:2650mm
●車両重量:1690kg
●エンジン種類:90度V10 DOHC
●排気量:5204cc
●最高出力:540ps/7800rpm
●最大トルク:540Nm/6500rpm
●燃料タンク容量:83L
●駆動方式:縦置きミッドシップ4WD
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤサイズ:前245/35ZR19、後295/35ZR19
●デビュー時の価格:2456万円
[ アルバム : アウディ R8(2代目) はオリジナルサイトでご覧ください ]
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