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「エンジン屋が本気で手掛けたGDBインプレッサ」純正を全域で上回る出力特性と耐久性を実現するEJ20改2.2Lユニット!

掲載 更新 96
「エンジン屋が本気で手掛けたGDBインプレッサ」純正を全域で上回る出力特性と耐久性を実現するEJ20改2.2Lユニット!

タービン交換&ハイカムで生まれ変わったEJ20改2.2Lユニット!

全回転域での太いトルク特性を実現するJUNの技ありメイクに注目!

「エンジン屋が本気で手掛けたGDBインプレッサ」純正を全域で上回る出力特性と耐久性を実現するEJ20改2.2Lユニット!

元々はジムカーナ仕様だったというこのGDBスペックCは、オーナーの「サーキットを気軽に楽しみたい!」という要望に合わせてチューニングされた1台だ。

その心臓部は、JUNのカスタムキットを組み込んだ2.2L仕様。そこにHKSのGT2835タービンを投入してブースト圧1.5キロ時に362ps、49.2kgmを発揮。ピークパワーよりも、レスポンスや全エンジン回転域でのトルクの太さを重視してセッティングされているのだ。細部を見ていく。

ポイントになるのは、GT2835タービンとハイカムの組み合わせ。純正タービンは低回転から一気にブーストを立ち上げることで加速感を演出しているが、これではすぐにタレてしまい、中高速回転での伸びが得られない。そこで高回転域での伸びが期待でき、パワー特性のバランスも良いGT2835タービンと、フルブーストがかかる回転数を引き下げるためのIN/EX側ともに作用角264度、リフト量9.8mmのハイカムを投入。これでブーストアップ仕様と同じようなトルクの立ち上がりに、ふた回りほど厚みを増したものなるという。ちなみに、リフト量が9.5mmを越えるカムにはバルブスプリングの装着が必須になる。


JUNの排気量アップキットは92.5φコスワース鍛造ピストン、I断面コンロッド、79.0mmストロークのクランクシャフトから構築される。

EJ20の耐久性を考えると、腰下のチューニングが必要になるのは400psオーバーから。このマシンのように350ps前後ならばエンジンノーマルでもOKだが、JUNでは走行距離の伸びた個体なら各部のリフレッシュも見越した排気量アップを薦めている。これにより低速トルク増強が実現するだけでなく、エンジンブローの心配なくサーキットを全開できる安心感も手に入る。


こうなると冷却系なども見直したいところ。このクルマは、インタークーラーは前置きタイプではなく純正置き換えの上置きタイプを選択。というのも、前置きタイプを装着しようとするとパイピングなどの容積が増えてレスポンスが鈍る。さらに、ラジエターへの走行風を遮ることとなるため、水温が上がりやすくなってしまうからだ。

水平対向エンジンは構造上ウォータージャケットが狭いため、他のエンジンに比べて水温上昇による影響が大きい。そうした理由から、JUNでは400psを超えない限りは上置きタイプを推奨している。


セッティングにはF-CON Vプロに加えて、吸気側のみに採用される連続可変バルタイ機構『AVCS』をコントロールするバルコンも使用。バルコンの効果は大きく、プリセット状態で装着しても低速の加速感が段違いに良くなるという。

サスペンションは富士や筑波、エビスサーキットなど色々なステージを走るために30段階の減衰調整機構を持ち、状況に応じて細かいセッティング可能なジールファンクションXプラスをチョイス。スプリングレートはフロント12kg/mm、リヤ10kg/mmとなっている。JUNがストリートでの安定性と共に、本格的なスポーツ走行を楽しみたいユーザーに推奨する足だ。

ブレーキには、純正のブレンボキャリパーにエンドレスのローターとパッドを投入。サーキット走行時のハードなブレーキングにも対応する制動力を確保する。


タイヤはアドバンネオバAD08Rの255/40-17を前後とも通しサイズで装着し、ホイールはエンケイ・コンペティションの8.0J+45をチョイス。ホイールのリム幅に対してタイヤ幅が広いセットのため、今後はホイールのサイズアップを図りたいそうだ。

発熱量の多いEJ20エンジンは、トラブルを防止するためにも追加メーターによる水温・油温や油圧の管理が重要。視認性のよいオクヤマのGDB専用4連メーターフードに、60φデフィリンクメーター(油温、水温、油圧、ブースト圧)をインストールしている。

リヤセクションはサーキットマシンらしく、後部座席とフロアカーペットを外して軽量化。ボディ補強は特に行っていないが、グレードがスペックCのため純正で後部座席の下や裏側に補強バーが入れられている。

純正並みの低速トルクを確保しつつ、タービン交換によって高回転での伸びも手にしたこのGDBは、サーキットを全開で走る楽しさと街乗りでもストレスなく乗れる使い勝手を両立した、懐の深い1台。EJ20搭載車としては古い部類となったモデルだが、後継のVABにも引けを取らないポテンシャルを秘めていることが分かる。

●取材協力:JUNオートメカニック 埼玉県入間市狭山ヶ原松原102-1 TEL:04-2934-5335

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