元F1ドライバーであり、世界の耐久シーンで活躍を演じた“ケビンの父”ことヤン・マグヌッセンが、2022年シーズンで3年目を迎えるTCRデンマーク・シリーズの参戦体制を確定させた。元コルベット使いのベテランは、所属するLMレーシングとの契約を更新し、引き続きクプラ・レオン・コンペティションTCRのステアリングを握ることが決定。同時に、チームはケン・バッハ、ラース・ホイリースの新加入も発表し、2022年は3台体制に拡充することも決めている。
2021年に初開催へと漕ぎ着けた同国伝統のイベント“コペンハーゲン・ヒストリック・グランプリ”でのクラッシュ以降、もうひとつの市街地戦となった『クラシック・レース・オーフス』に向けては、WEC世界耐久選手権最大のイベント、ル・マン24時間との日程バッティングにより欠場を強いられるなど、2年目のTCRを戦った“耐久レースの鉄人”は厳しいシーズンを過ごした。
TCRヨーロッパが全7戦14ヒートの2022年暫定カレンダー発表。予選ポイント刷新にクムホも採用
それでも最終戦まで5名のタイトルコンテンダーのうちのひとりとして喰い下がり、最終的に年間8勝を挙げてランキング3位に入るなど、2021年を通して力強いペースを示し続けた。
「そう、初年度のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRで始めた挑戦を昨年のクプラで引き継ぎ、これからのシーズンにも大きな期待を寄せている。2022年の戦いが始まるのを本当に楽しみにしているんだ」と語った48歳のマグヌッセン。
「2021年はクプラやチームとともに、非常にハイレベルで強力なレースペースを持つマシンであることを明確に示すことができた。シーズンの早い段階でリードを奪った(開幕4連勝を含む、2戦6ヒートで5勝)ものの、コンクリートウォールと仲良くなり(笑)、いくつかのレースを棒に振る悲惨なクラッシュも経験した」
「それが僕の“ポイント・アカウント”の面で大きな代償を払う結果となり、ル・マン24時間レース参戦のためにもう1戦の出場機会も失うなど、状況の改善が難しかったのも事実だ」
「昨季はアクシデントに割り当てられた分を取り返し、より良い週末を迎えるべく、2022年のシーズンを楽しみにしているよ」
■2台のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRを走らせたメテオ・レーシングも新体制を発表
一方、2020年初代王者から連覇を達成したキャスパー・H・ジェンセン(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/Massive Motorsport)とともに、この2シーズンでホンダをドライブしてきたバッハは、ランキング8位に終わったシーズンから心機一転、LMレーシングで新たなマシンをドライブする機会を得た。
「実際、ドライバーとして辞めるときが来たのではないかと少し覚悟していたが、それは僕にとって、やや未解決だと感じたんだ」と続けたバッハ。
「それからこの機会が生まれ、今はこの先の展開を本当に楽しみにしている。ヤン(・マグヌッセン)がチームメイトになるのはとてもクールなことで、来季のTCRデンマークに新しい風を吹き込むことができればうれしいね」
また、2021年にはオペル・アストラTCRをドライブしてシリーズデビューを飾ったホイリースも、新たにLMレーシングのサポートを得てクプラへのスイッチを果たす。
「僕自身も、この新たなコラボレーションを本当に楽しみにしているんだ。LMレーシングにはクプラでの豊富な経験があり、僕らが一緒に何ができるかを楽しみにしているよ」
そのほか、昨季は2台のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRを走らせたメテオ・レーシングは、2022年に向け第2世代アウディRS3 LMSの納入を受け、引き続きオーナードライバーのアラン・クリステンセンとレネ・ポヴルセンが参戦。先代となるFK2型のホンダ・シビック・タイプR TCRで戦った43歳のステッフェン・ラーセンは、プジョー308 TCRヘのスイッチをアナウンスしている。
また、TCRデンマーク・シリーズとしても大きな決断を下し、従来のヨコハマタイヤに代わる新たなサプライヤーとして、2022年はクムホと契約したことを発表している。
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