この記事をまとめると
■往年のレースカーがサーキットに集まる「ロレックス・モントレー・モータースポーツ・リユニオン」
生涯1度は巡礼! クルマ好きを魅了する「世界の有名コーナー」たち
■2022年のテーマは「ル・マン24時間レース100周年」で歴代の優勝車が集結
■レースイベントのためプラクティス、クオリファイ、ファイナルと走る姿を拝める
往年の名車の走る姿を見られる数少ないレースイベント
1957年にオープンしたモントレー近郊のサリナス市にあるウェザーテック・レースウェイ・ラグナセカ。ここでモントレー・カー・ウィークの期間に毎年開催されているのが、かつてはモントレー・ヒストリックカー・レース、2010年からは「ロレックス・モントレー・モータースポーツ・リユニオン」と呼ばれるようになったヒストリックカーレースだ。
開催期間は水曜日から日曜日までと長く、それは参加車が、時代やかつてエントリーしたレースによって14のクラスに分けられているため。さらに、このイベントは走行会ではなく完全なレースイベントであるから、プラクティス、クオリファイ、そしてファイナルとプログラムが進むほか、その間にはエキシビション走行なども行われる。そのバラエティに富んだプログラムの進行が、多くのモータースポーツファンをラグナセカに呼び寄せる理由となっている。
今年の注目は、やはりこのイベントでもル・マン24時間レースの100周年にあった。パドックのセンターには、クラス9としてエントリーされたル・マン24時間レースの出場車が47台も展示され、もっとも古いものでは1929年と1930年のレースを連覇したベントレーのスピード・シックスや1931年と1934年を制したアルファロメオ8C2300スパイダーなどの姿も見られた。
もちろん、ル・マン24時間レースの歴史は 、モータースポーツの歴史そのものともいえるから、誰にでももっとも思い出に残る時代、そしてモデルというものがあるだろう。それらを一堂に鑑賞することができ、またこのクラスはエキシビション走行ではあったものの、ラグナセカのコースを実際に走る姿を見ることができたのは、大きな収穫だったに違いない。
歴代レースカーによるラグナセカ名物コークスクリュー下り
同じル・マン24時間レースに出場したモデルのなかでも、実際にレースを行う、ル・マン・プロトタイプ・クラスにエントリーしたモデル達の繰り広げたバトルは相当な迫力を感じさせるものだった。ここでもっとも目立った存在だったのは、当時もその速さは無敵とも例えられたポルシェ962/962C。1980年代のグループCカーがいかに魅力的な存在だったのかが、改めて思い知らされた次第だ。
このクラスのエントリーにはほかに、1986年のスパイスGTPや1996年のマクラーレンF1 GTR、1999年のマツダ787、同年のBMW V12 LMR、2005年のアウディR8 LMP、2007年のサリーンS7Rなどがあり、ル・マン24時間の100周年を記念する場は、やはりサーキットがもっとも絵になることを証明してみせたのだった。
別に用意された、1923年から1955年までのル・マン24時間出場車によるクラスも、じつに盛況だった。さらに主催者は、1956年から1971年までの出場車のためのクラスも用意。ル・マンのサルト・サーキットとは異なり、18mの高低差を一気に下りながらS字コーナーを切り返すコークスクリューなど、テクニカルなコースレイアウトを持つラグナセカだが、レースはどれも白熱したものばかりだ。
これまで多くのモータースポーツ・イベントと同様に、日曜日(正確には土曜日と日曜日に分けて)に決勝レースが行われていたこのイベントだが、今年からは新しい試みとして、例のコークスクリューを含むサーキットの一部分を逆回りで使用した、ヒルクライム・イベントが日曜日に開催されることになった。
ちなみにその最初の勝者となったのは、EVの新興勢力であるルチードのエア・グランド・ツーリング。その記録が誕生した瞬間をみたゲストが、驚きを隠せなかったのはいうまでもない。
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