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テスラ・モデルY 詳細データテスト 強力な動力性能 走りの洗練性は問題外 充電設備の内容は圧倒的

掲載 更新 47
テスラ・モデルY 詳細データテスト 強力な動力性能 走りの洗練性は問題外 充電設備の内容は圧倒的

はじめに

テスラは、ほかの自動車メーカーとは違っている。モデルSの登場から10年で、モデルラインナップが十分に揃い、数百万台を販売した。EVの導入が遅々として進まなかった既存メーカーを顔色なからしめる躍進ぶりだ。もはや、スタートアップ企業とはいえない存在となっている。

【画像】写真で見るテスラ・モデルYとライバル 全17枚

なおかつ、メルセデス・ベンツあたりでは考えらえないようなこともしている。たとえば、まだ生産型が完成していないトレーラーやピックアップトラック、ロードスターでさえデポジットを取ることがそれだ。

またテスラは、アメリカでフル自動運転システムのパブリックベータ版をリリースしている。実際には、自動運転にまだまだ程遠いにもかかわらずだ。

今回のモデルYも、そうしたテスラ特有のケースのひとつだといえる。コンパクトSUVは、世界的に見ても非常に重要なセグメントとなっている。にもかかわらず、欧州市場への導入は、アメリカでの発売から2年も遅れたのである。

それはテスラ自身の判断によるところもあるが、ドイツの新工場設立に伴う困難も一因だ。そこにはもちろん世界的なパンデミックの影響もあったが、ドイツでは前例のない自動車工場を造る上で必要な法的な手続きなどを少なく見積もっていたのも原因だろう。

今でも、ドイツ工場は本格稼働していない。ベルリンにあるそれは、今年終盤からモデルYの生産を開始する予定だが、おそらくは最重要モデルとなるそれの欧州仕様を、中国工場で生産して輸入する決断をした。

そうして今回、テスラの稼ぎ頭になりそうなモデルYと間近に接する機会を得たのだ。果たして、それだけ待った甲斐のあるクルマなのだろうか。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

なんとなくセダンモデルのモデル3について知っていれば、モデルYのデザインやメカニズムについて驚きは覚えないだろう。好き嫌いはともかく、テスラのデザイン言語は一貫していて、どのモデルを見てもひと目でテスラだとわかる。

モデルYもクリーンなデザインに徹し、フェイクのグリルやスポイラーは備えない。0.23というCd値の公称データは楽観的にも思えるが、魚を想起させるシェイプと、フラッシュサーフェスのドアハンドルは、優れた空力性能に寄与する。ただし、エレガントかと聞かれれば疑問が残る。

見た目は、大きくなったモデル3という印象のモデルYだが、実際にこの2台は、75%のコンポーネンツを共有しているというのがテスラの発表だ。4751mmの全長は、モデル3比で50mm長いのみだが、全高は181mmも高い1624mmだ。

この上下方向の拡大のうち、最低地上高は+27mmの167mmで、ボディそのものの高さが150mm以上増している。これにより、ヘッドルームだけでなく、後席の着座位置も恩恵を受けた。

だが、モデル3に対するもっとも大きな改善点は、ハッチバックボディとなったことかもしれない。これは、フォルクスワーゲンのMEB系モデルやキアEV6、ヒョンデ・アイオニック5といった競合モデルに対し、実用面の不利がなくなったことを意味する。

メカニカルな部分は、モデル3と共通だ。スケートボード状シャシーに敷き詰められたバッテリーは大きいが、かつては車名にも示された容量を、テスラは断固として明かさない。そこで、ここに示す実用容量75kWhというスペックは、あくまでも推測値であることをお断りしたい。

モーター出力に関しても、やはり推測値だ。ロングレンジモデルは推定出力440psで、WLTPサイクル航続距離は533kmとなかなかの数字。同じく490psのパフォーマンスモデルは多少目減りするが、それでも513kmは立派なものだ。

モデルYの発表時には、安価なスタンダードレンジモデルと、シングルモーターのロングレンジモデルが設定されるとされた。しかし、そのプランはのちにキャンセルとなっている。

ボディは大半がスティールだが、一体鋳造されたリア周りの下部構造など、アルミ部材も多用されている。その効果は明らかだ。1979kgという重量は決して軽くないが、このサイズのEVとしては悪くない。

内装 ★★★★★★★★☆☆

英国やドイツ、そして日本のプレミアムモデルなら、細部や装備のあらゆるところまで豪華にしたインテリアでユーザーに訴求するものだ。それを期待しているとしたら、モデルYはニーズに合わないかもしれない。

内装は、ほかのテスラ車と同じように、その論理的帰結ともいうべきミニマリズムに徹している。必要がないものはほぼ設置されていないが、その排除されたものの中には実体のあるボタンも含まれる。唯一とも言える例外は、ダッシュボードに走るナチュラルなルックスのウッドパネルだ。

テスラの製造クオリティは塗装の剥がれやすさなどが指摘され、あまり高く評価されてこなかったが、今回のテスト車にそれは当てはまらない。室内のすべては頑丈で、表面の感触はどこも気持ちいい。タッチパネルを別にすれば、指紋もつきにくい。

動物性素材は一切使われていない。流行のヴィーガンというやつだが、それを聞いて出来の悪いビニールシートの悪夢が蘇るという声も上がりそうだ。しかし、実際に触れてみると、本革との違いに気づかないのではないかと思える。標準仕様は黒い合成皮革だが、1100ポンド(約17万円)で白いシートへ変更もできる。

合成皮革と同じく、モデルYに乗るならタッチ式ディスプレイにも親しまなくてはならない。それ以外に、手で触れて操作する手段がほとんどないからだ。

実体コントロールの排除は、方向指示器レバーやドライブセレクターまで排した最新のモデルSほど際立ったものではない。それでも、あと残っているのはシート調整スイッチとハザードボタン、ウインドウスイッチ、そして驚くほど丸いステアリングホイールに設置された、ふたつの多機能コントロールデバイスだけだ。

操作系がこれほど少ないわりには、操作性は上々だ。その要因は、タッチ操作の反応が非常に早く、サブメニューの階層があまり深くないことだ。また、デバイスによっては多機能が割り振られ、それがうまく機能している。

たとえば、ワイパーのレバーが独立していない代わりに、ウインカーレバーにボタンとして統合されている。軽く押せば拭き取りのみ、強く押せばワイパーの作動とともにウォッシャー液が噴射される。どちらの場合も、速度調整はディスプレイにメニューが表示される。

それでも、やはり不満はある。ステアリングコラムやミラーの調整は、まずメニューを呼び出し、次にステアリングホイール上のスイッチで操作しなければならない。これは合理的ではない。

また、ディスプレイのエアコン用ボタンは小さすぎる。さらに、後席にシートヒーターは装備されるが、その操作は前席のタッチ式ディスプレイを介するほかないので、後席で直接コントロールできない。流行りのミニマリズムというより、これは純粋にコストカットのせいだろう。

いっぽうでインテリアの秀逸な点は、とにかく広いということだろう。それに関しては、どの競合モデルもかなわない。後席は、レッグルームもヘッドルームも広々としている。ところが、リアシートの座面はフロアに対して高めだ。ここは、より低いキアEV6のほうが快適に座れる。

荷室容量は、ルーフを高くしたことで稼いでいる数字だが、パーセルシェルフは用意されていない。それでも、われわれの計測した寸法はスコダ・エンヤックやキアEV6を全方位で上回り、フロア下の収納スペースも大きい。加えて、フロントにも電動オープンが可能な117Lの収納スペースが用意されている。

走り ★★★★★★★★★☆

テスラが、さまざまなスーパーカーをブッちぎるドラッグレースの映像を見たことがあるかもしれない。テスラは昔ながらの感覚でいうところのドライバーズカーではないかもしれないが、それでもパフォーマンスは強力だ。

今回のモデルYロングレンジも、ベースモデルでありながら合計で440psを発生する2基のモーターを積み、0−97km/h加速は4.7秒をマークする。さらに1万ポンド(約155万円)を足してパフォーマンス仕様を手に入れれば、490psで3.5秒を実現するが、ロングレンジでも物足りないと感じることはないだろう。

なにより、この動力性能が容易に発揮できるというのが魅力的だ。特別なモードを選んだり、テスラの初期の速いモデルにあったようなバッテリー暖機の必要性はない。ただペダルを踏み込めば、このファミリー向けSUVは地平線目掛けてカッ飛んでいく。その突進の猛烈さ以外にドラマティックなところはまったくない。

ドライ路面であれば、ひたすらグリップして直進していく。ほかの電動車には見られないくらい、速度の電子制御リミッターが作動する217km/hまで嬉々として速度を上げるのだ。

テスラがこのモデルをパフォーマンスと銘打って、もっとスローな後輪駆動モデルを設定したとしても、文句は出なかっただろう。手に余るようなら、チルモードを選んで、加速レスポンスを和らげて出力を絞り、バッテリー消費をセーブすることもできる。ただし、同じことは右足の踏み込みを調整すれば簡単にできる。

そんなモードを組み込むくらいなら、回生ブレーキの設定幅を数多く用意してくれたほうがよかった。モードはクリープ/ロール/ホールドの3つだが、走行中にスロットルペダルを戻した際の回生ブレーキはどれも同じくらい強い。

差が出るのは、低速走行時だ。クリープではATギアボックスのような挙動で、ロールではブレーキを踏んでいないと走り続け、ホールドは低速時の回生ブレーキを強めて1ペダル運転を可能にする。ショーファードリブンにも負けないくらいスムースにクルマを停止させる、ブレーキの効かせ方はじつにすばらしい。

そういう運転が気に入れば満足できるだろうが、スロットルオフでの介入が最小限で済み、より強いブレーキングのためにペダル操作をしたいと望むドライバーもいるだろう。しかし、そういう声に応えるモードはない。このことは、テスラが自社の車両をどのように運転・操作してほしいと想定しているかを物語っている。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

大型のタッチ式ディスプレイを装備し、スイッチ類を排した自動車メーカーはテスラだけではない。しかし、そこにそれなりの説得力を持たせたのは、テスラが最初かもしれない。

それはいまでも、ある程度までは言えることだ。というのも、15インチのスクリーンはじつに大きく、画面内に大きなボタンが設置できるからだ。即座に反応し、ほとんどのメニューがひとつかふたつの階層に収まっている。また、USBポートは数多く、ワイヤレス充電器はふたつ備えている。

しかしながら、エアコン用のボタンは小さすぎ、Apple CarPlayやAndroid Autoは内蔵されていない。Apple PodcastsやApple Musicを使いたい場合には、Bluetooth接続を使う必要がある。ただし、Spotifyは標準装備されている。

ナビゲーションはGoogle Mapを使用する。ほぼよくできているが、モバイルの電波がキャッチできない場所では正常に機能しない場合もあり、音声案内はややしゃべりすぎな感がある。

燈火類

パワフルなLEDヘッドライトは標準装備。マトリックスタイプは設定されていないが、これはアメリカの法規に合わせて開発されたからだ。いずれ追加されることに期待したい。

ステアリングとペダル

ペダルはふたつで、センタートンネルはないので、きわめて普通のポジショニングとなっているのは予想通りだ。回生ブレーキが強力なので、左ペダルを使う機会はそれほど多くないだろう。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

モデルYのハンドリングは、規範的と表現するのが相応しい。それは自分の運転がマッチすればすばらしいものとなるし、逆もまた真なり。ただし、客観的な基準に照らす限りは、上々のハンドリングだといえる。

硬いサスペンションと、ロックトウロック2回転という超クイックなステアリングは、この大柄で重いクルマをきわめて俊敏に感じさせる。それには、そのレスポンスを裏打ちするグリップを生む、テスラ専用設計で255というワイドな幅を持つハンコック・ヴェンタスS1タイヤの貢献がある。

コーナー脱出時にパワーを大きくかけると、ドライブラインのリア優勢なトルク配分を感じることができるだろう。しかし、トラクションコントロールはしっかり効いて、テールが回ることを許そうとしない。全体的にスタビリティ関連のシステムは控えめだが、うまくチューニングされていて、コーナリング中にスロットルを抜いてもパニックを起こすことはない。重くて背の高いSUVとしては、そうそうないことだ。

パフォーマンスカーに不慣れなドライバーがモデルYを走らせたら、桁外れのパフォーマンスやハイレベルなグリップ、鋭いレスポンスに面食らうであろうことは、容易に理解できる。しかしながら、ちょっとばかり平面的で、それに比べればキアEV6やボルボC40の走りでさえナチュラルに思えてくる。楽しいと形容するより、有能といったほうがしっくりくるところだ。

不足を感じる要素のひとつがステアリングである。手応えはコンフォート/スタンダード/スポーツの各セッティングによって変化するが、コンフォートでさえ粘っこく不自然に重く、まるで10年前の電動パワーステアリングを思わせる感触だ。

とくに不満を覚えるのが、旋回直径12.1mという小回りの利かなさだ。フロントにモーターを持たないEV専用設計モデルであれば、ほとんどが大きな舵角を取れるので、結果として小回りに優れるクルマになる。スコダ・エンヤックなどは直径9.3mの円に収まる。しかも、4WDのPHEVであるジャガーFペイスP400eでも、モデルYより小さい11.9mで済むのだ。

快適性/静粛性 ★★★★☆☆☆☆☆☆

テスラが、デザインを重視しているのは明らかだ。パフォーマンスやエネルギー密度、その他ユーザーの評判を落としたりコストをかける価値がなかったりすることはないと考えられたものは、いずれも等しく重んじられている。そのプライオリティのリストで、乗り心地と洗練性は明らかに低い位置にあるのは間違いない。

サスペンションの減衰は比較的うまくいっているが、高速道路にいてさえ落ち着くことは決してない。テスト車は19インチホイールを装着していたが、20インチを選択することもできる。それによって損なわれるしなやかな乗り心地はもともとないので、どちらがいいか尋ねられたら、どちらでもお好きなように、と答えるだろう。

その大径ホイールは、路面不整をすべて拾い、車内を突き上げてくるような印象だ。それは身体に感じるだけではなく、音としても伝わってくる。遮音性が標準以下なのだ。

たしかに、エンジン音は存在しないぶんだけ、ほかのノイズが余計に気になってしまうという側面はある。それでも、騒音計の数字は嘘をつかない。113km/h走行時の数値は70dBAで、ずっと小さくて安価なハッチバックのスコダ・ファビアと同じ。スコダ・エンヤックより3dBA、アウディQ4 E−トロンより4dBA、ジャガーFペイスよりはじつに7dBAも大きいのだ。

大面積のパノラミックルーフと、パーシャルシェルフの不在が、音環境の洗練性欠如の一因ではある。しかしながら、それが納得のいく弁明だとは言えない。

シートの出来は、抜きん出ているわけではないがいい。周囲を見下ろすようなドライビングポジションはこのクルマに見合ったもので、たいていの体型に合わせられるだけのアジャスト性も備えている。座面がやや短かったものの、テスター陣は誰もが長距離を快適に過ごせた。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

これまで他社の電動車に乗って充電した経験があるとしたら、テスラのスーパーチャージャーネットワークは新しい経験となるだろう。駐車してプラグを差せば、最大250kWの充電ができる。カードをかざしたりしなくても充電でき、充電器の数も多い。

しかも、それ以外の充電器も使用可能だ。そうは言っても、販売済みのテスラの台数はスーパーチャージャーだけでまかなえそうだ。

使い勝手の点で、テスラが他社と比べていまだに一歩抜きん出ているのは疑いのないところだ。それはスーパーチャージャーの存在ばかりでなく、モデルYの航続距離がライバルに見劣りしないことも理由だ。

動力計測から高速クルージングまでを含め、テスト時を通しての平均電費は5km/kWh。実用バッテリー容量が75kWhなので、377km走行できる計算となる。これが夏だったり、より穏やかな使い方をしたりすれば、もっと長い距離を走れるはずだ。

これは、シングルモーターのキアEV6やスコダ・エンヤックと同等だ。フォード・マスタング・マッハEエクステンデッドレンジはもう少し距離を稼げるだろうが、パフォーマンスはやや劣る。

2モーターのロングレンジモデルは5万4990ポンド(約852万円)からという価格設定で、標準装備の内容は充実しているが、これより安価なモデルは用意されない。

強烈なパフォーマンスと豊富な装備が必要ないならば、キアEV6やヒョンデ・アイオニック5がもっと少ない出費で手に入る。また、アウディQ4 E−トロンやボルボXC40の下位グレードのほうがコストパフォーマンスではるかに優れる。

しかし、同じような条件となると、このテスラはマーケットにおけるどのモデルより格安だ。ただし、ライバルたちが低金利ローンを用意しているので、分割払いでは車両価格の額面ほど割安にはならない。

スペック

レイアウト

テスラは自社専用のバッテリーEV用プラットフォームを使用する。モデルYの構造部は、ほとんどがモデル3と共通で、アルミを多用して軽量化を図っている。

実測した前後重量配分は50:50だった。

パワーユニット

駆動方式:フロント・リア横置き四輪駆動
形式・前/後:誘導電動機/永久磁石同期電動機
駆動用バッテリー:水冷式リチウムイオンバッテリー、79kWh(推測グロス値)/75kWh(推測ネット値)
最高出力:440ps/-rpm(推測値)
最大トルク:58.6kg-m/-rpm(推測値)
許容回転数:-rpm
馬力荷重比:222ps/t
トルク荷重比:29.6kg-m/t

ボディ/シャシー

全長:4751mm
ホイールベース:2890mm
オーバーハング(前):875mm
オーバーハング(後):986mm

全幅(ミラー含む):2130mm
全幅(両ドア開き):3840mm

全高:1624mm
全高:(テールゲート開き):2220mm

足元長さ(前):最大1100mm
足元長さ(後):最大820mm
座面~天井(前):最大1060mm
座面~天井(後):最大920mm

積載容量:854~2041L

構造:スティール/アルミモノコック
車両重量:1979kg(公称値)/1978kg(実測値)
抗力係数:0.23
ホイール前・後:9.5Jx19
タイヤ前・後:255/45 R19 104W
ハンコック・ヴェンタスS1エヴォ3 EV T0
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット・オプション)

変速機

形式:1速リダクションギア(前/後)
ギア比
最終減速比:-
リダクション比:9.1:1(後)
1000rpm時車速:-km/h

電力消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:5.0km/kWh
ツーリング:5.3km/kWh
動力性能計測時:1.8km/kWh

メーカー公表値:消費率
混合:6.0km/kWh

公称航続距離:533km
テスト時平均航続距離:377km
CO2排出量:0g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.0回転
最小回転直径:12.1m

ブレーキ

前:355mm通気冷却式ディスク
後:335mmディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:自動(スイッチなし)

静粛性

アイドリング:-dBA
全開走行時(145km/h):75dBA
48km/h走行時:60dBA
80km/h走行時:66dBA
113km/h走行時:70dBA

安全装備

ABS/ESC/LKA/AEB/死角警告/前席サイドエアバッグ/カーテンエアバッグ/速度制限認識
Euro N CAP:未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温11℃
0-30マイル/時(48km/h)2.2秒
0-40(64):3.0秒
0-50(80):3.8秒
0-60(97):4.7秒
0-70(113):5.9秒
0-80(129):7.1秒
0-90(145):8.6秒
0-100(161):10.5秒
0-110(177):12.8秒
0-402m発進加速:13.1秒(到達速度:179.3km/h)
0-1000m発進加速:23.7秒(到達速度:202.3km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
フォルクスワーゲンID.4 GTXマックス(2021年)
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
0-30マイル/時(48km/h):2.5秒
0-40(64):3.5秒
0-50(80):4.7秒
0-60(97):6.2秒
0-70(113):8.1秒
0-80(129):10.3秒
0-90(145):13.0秒
0-100(161):16.1秒
0-110(177):20.7秒
0-402m発進加速:14.9秒(到達速度:155.1km/h)
0-1000m発進加速:27.2秒(到達速度:180.2km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):1.6秒

30-50(48-80):1.6秒

40-60(64-97):1.7秒

50-70(80-113):2.0秒

60-80(97-129):2.3秒

70-90(113-145):2.8秒

80-100(129-161):3.4秒

90-110(145-177):4.1秒

100-120(161-193):5.2秒

110-130(177-209):6.6秒

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温11℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):23.2m
70-0マイル/時(80km/h):46.5m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.61秒

ライバルの制動距離フォルクスワーゲンID.4 GTXマックス(2021年)
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):23.9m
70-0マイル/時(80km/h):46.2m

結論 ★★★★★★★★☆☆

冒頭でも述べたとおり、テスラはとおりいっぺんの自動車メーカーではない。これまでロードテストで扱ってきたメインストリームのクルマはほとんどが、全体的に比較的矛盾がなく、優・良・可の格付けが容易にできたし、今後もそうだろう。

対してテスラ・モデルYは、サーキット重視のスポーツカーでもないのに、乗り心地は最悪の部類に入る。遮音性については、5万4990ポンド(約852万円)のクルマとしてはありえないレベルの低さだ。それでいて星8つという評価は、普通ならばありえない。

しかしながら、室内は同等サイズのEVより広く、実用性で上回る。航続距離も、並外れてはいないが、十分な強みだ。だが、決定的な要因はテスラ独自の充電ネットワーク、スーパーチャージャーの存在だ。いまだに、これほど充電の不便さを払拭してくれる充電施設はない。

パフォーマンスと航続距離、ロードホールディング、そして広いスペースはすばらしい。いっぽうでボタンがほとんどないインテリアは無個性で、フラストレーションを感じることもある。また、どう走らせてほしいかクルマが規定するところもある。

そうしたもろもろをふまえると、モデルYに対して抱く感情はラブよりリスペクト。電気製品、というイメージだが、印象は非常に強い。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラートインテリアがヴィーガンだと主張していながら、なんでレザーに似せようとするのだろうか。ランドローバーやボルボみたいに、ファブリックだって高級に感じられて、おもしろみがあり、心地いいものがあるだろうに。代替肉よりキノコのリゾットのほうが、よほどおいしいと思うんだが。

リチャード・レーンスーパーチャージャーでの充電は、クルマを停めたらプラグを差すだけで済む。このテスラの充電ネットワークを知ってしまうと、ほかの充電施設の展開がいかに遅く無計画なものかと腹が立ってくる。たしかに、給油に比べれば時間はかかるが、少なくともスマートではある。

オプション追加のアドバイス

車種の選択肢は少なく、オプションは高価だ。速さはロングレンジで十分で、エンハンスド・オートパイロットはまだ想定通りには機能しない。そこで節約した資金は、よりおもしろみのあるボディカラーや、気に入ればホワイトインテリアに使いたい。

改善してほしいポイント

・乗り心地と遮音性は、もっと磨きをかけなくてはならない。
・言っても無駄だとはわかっているが、もう少しボタンがあってもいいのではないだろうか。
・オートパイロットは、早くその名前通りのものになってほしい。

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みんなのコメント

47件
  • テスラの品質管理に問題があるのは有名。
    特に中国製、各パネルのチリ合わせもいい加減。
    操作系の肝心のタブレットは保証も短く万一トラブったら機能操作のほとんどを失う。
    外で充電するのは不安、バッテリーは低温、高温時には保護のためご自慢の高速充電は20%も速度を出せない。
    夏に高速道路を走り充電をとスタンドで接続しても充電速度が出ず時間だけが過ぎてゆく。
    冬に外出しようとスタンドで接続しても充電速度が・・・・
    こうゆう車に高い金払って私は乗りたくない。
  • 都内ですら見かけないけど本当に走ってるの?
    ヒョンデや中華と同じくテスラかうのは変態だよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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