はじめに
マクラーレンの独創性が遺憾なく発揮されたスーパーカー、F1の登場から30年、ウォーキングでメルセデスSLRマクラーレンが生産を開始してからでも20年以上が経過した。MP4-12Cで自社ブランドの市販車メーカーとして本格稼働しはじめてからでさえ、10年は経っている。
【画像】写真で見るマクラーレン・アルトゥーラとライバル 全15枚
それでもマクラーレン・オートモーティブは、否応なく消耗を余儀なくされる最新スーパーカー製造の業界で、確実な地盤固めに苦戦を続けている。マラネロやサンターガタ、はたまたシュトゥットガルトのライバルたちは、電動化モデルやSUVへの投資に値する見返りを手にし続けている。対してマクラーレンがこの5年ほどで収めた最大の成功は、いまだこの舞台に立ち続けているということ、それだけだ。
しかし、激動の時期を経て、ここからは本当に前進しようとしている。新たなボスによる指揮の下、新たなビジネスプランが提示され、根本的に変革する新型車についても言及されている。そのビジネスの推進力となるブランニューモデルは、ついに試乗投入への準備が整った。
英国製のカーボンファイバーモノコックとイーサネット電子システム、スーパーフォーム工法のアルミボディ、そしてV6プラグインハイブリッドのパワートレインを用いたアルトゥーラは、ハイパーカーのP1以来のマクラーレンで、技術的にはもっとも大胆なプロジェクトだ。これまでで最高かもしれない。
その開発は、試行錯誤の連続だった。小さなトラブルもあった。しかし、マクラーレンに言わせれば、それは対処済みとのことだ。そうしてついに、アルトゥーラは完成した。夏のプレス向けローンチでわれわれが指摘した技術的な問題を修正するための中断を経て、いよいよデポジットを支払ったユーザーへのデリバリーも開始された。そして今回、いよいよロードテストの実施とあいなったわけだ。
意匠と技術 ★★★★★★★★★★
このクルマのキモは、MCLAこと新開発のマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャーにある。マクラーレンが新型車のために、はじめて自社開発したカーボンコンポジットのモノコックだ。従来のモノセルやモノケージより大型で、剛性も高い。しかしアルトゥーラにおいては、まったく新しいテクノロジーという点で、目に見える部分以上に重要な意味を持っている。
これは最新スーパーカーのパッケージングや軽量化設計において、とても野心的で、たくみに仕立てられた例だと言える。一般的なプラグインハイブリッドパワートレインで問題になるサイズや重量を抑えるべく、レイアウトや仕様の多くが熟慮されているのだ。
またアルトゥーラは、新世代のイーサネットを用いた電子系アーキテクチャーを初採用したマクラーレンでもある。4つのメインプロセッサーでコントロールされ、各部は同じセントラルデータゲートウェイで接続される。これにより、ケーブル重量は25%削減され、データ転送はスピードアップ。ほぼすべての電子制御システムにおいて、OTAことオーバー・ジ・エアでのソフトウェアのアップデートも可能になる。
アルトゥーラの主たるパワーソースは、M630こと新開発のV6ツインターボ。バンク角が広く、既存のV8より50kg軽い。クランクシャフトの強度も高められ、8500rpmの最高回転数にも寄与する。最高出力は585ps、最大トルクは59.6kg-mだ。
エンジンは短くフラットさを増しているので、エンジンルーム内がじつに効率的にパッケージングできる。ハイブリッドシステムと燃料タンクのためのスペースも稼げて、全長は従来モデルより2cm程度しか伸びず、全幅はややナローで、ホイールベースは短くできた。
ハイブリッドシステムの総重量は130kg。その中には、5つのモジュールで7.4kWhの実用容量を持つリチウムイオンバッテリーも含まれる。モーターは、コンパクトでエネルギー密度の高いアキシャルフラックスタイプで、エンジンの直後に搭載。95psと23.0kg-mでアシストを行い、システム総合では680ps/73.4kg-mを発生する。
570Sや600LTからは大幅なパワーアップで、ランボルギーニ・ウラカンやアウディR8、ホンダNSXをも上回る。
走行可能な状態でのアルトゥーラのもっとも軽い公称重量は1498kg。電動パワートレインを積んでいながら、570Sより46kg重いのみだ。これはすばらしい。
オプションが多数装備されたテスト車の実測重量は、満タンで1552kgだった。軽量なカーボンセラミックブレーキは標準装備で、ボディは軽量なスーパーフォーミング工法のアルミパネルだ。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアが新設計のマルチリンク。スティールのコイルスプリングとアダプティブダンパーを装着し、スタビライザーはパッシブ。ステアリングはコンベンショナルなフロントアクスルのみのシステムで、アシストはマクラーレンが好んで使う電動油圧式だ。
内装 ★★★★★★★★★☆
2シーターのキャビンは思ったとおりこじんまりした空間だが、タイトで窮屈なところはまったくない。
テストカーに装着されていたオプションのクラブスポーツシートは、良好でストレートなドライビングポジションをもたらしてくれるデザイン。うまくできた楕円形のヒンジは、背面の角度調整幅が広く、背の高いテスターがヘルメットをかぶって乗れるヘッドルームも稼ぎ出せる。
快適なポジションが決まってしまえば、マクラーレンがどれほど入念にキャビンレイアウトのフィロソフィーを磨き、強化させたかを知ることになる。また、いかにうまく、実用的な収納スペースを創り出したかも。
グローブボックスはないが、ドアコンソール前方に大きなドアポケットがある。ドアを跳ね上げても中に入れたものがこぼれない設計なので、とても実用的だ。
超スリムなセンターコンソールのデザインも、スペース効率に優れたもの。カップホルダーふたつと財布などが入るアームレスト下の小物入れに加え、トランスミッション操作部の両脇にはスマートフォンがぴったり収まる。ほかの収納部が埋まっていたら、ここが好都合な置き場だ。
メーターパネルは全面新設計のデジタル式。720Sなどではダッシュボードに組み込まれていたが、アルトゥーラのそれはステアリングコラム上へダイレクトに設置されている。そのため、ステアリングホイール位置の調整に合わせて動く。
計算上は、リムに遮られて計器類が見えなくなることはないはずだ。しかし実際には、座高の高いテスターにはチルト幅がちょっと足りず、上10mmほどにリムが被ってしまう。
マクラーレンのよくできた1ピース成型シフトパドルは、このクルマにも備わっている。その上には、パワートレインとシャシーのモードを切り替えるトグルスイッチが、メーターバイザーの角に組み込まれている。視線を向けなくても探り当てやすく、ステアリングを握った指を伸ばせば押すことができる。
走り ★★★★★★★★★☆
マクラーレンの従来のスポーツシリーズのスーパーカーは、スーパーシリーズより普通の、日常使いを意図したドライビングが想定されていた。アルトゥーラがその後継であることを考えると、このクルマのパフォーマンスを論じる前に、それが課された役割を理解しておくことが重要だ。
マクラーレンは明らかに、絶対的な速さやエキサイティングさと同時に、ある種の洗練性や運転しやすさも狙って、このクルマを生み出している。しかし、エキサイティングさの部分は、主に刃のごとく鋭いハイブリッドパワートレインのレスポンスに起因するものだ。
570Sでは中回転域でのピックアップがソフトになっていたが、それに慣れていると、アルトゥーラではつま先に力を入れた途端に歯切れよく突進するさまに衝撃を受けるだろう。カントリーロードを飛ばすのに、低いギアで高い回転数を保ち、エンジンを常にスタンバイさせておく必要はない。
高いギアに入れていてさえも、求めれば瞬間的にトルクがあふれ出す。電気モーターとエンジンとの連携はシームレスで、5000rpmを超えると貪欲に激しく回るエンジンへ完全にバトンタッチし、楽々と力強く8000rpmを超えるまで回り続ける。
加速の実測タイムは0-97km/hが3.2秒で、0−161km/hが6.3秒。ゼロヨンは10.9秒だった。2018年にテストしたポルシェ911GT2RSはこれより速かったが、その差は0.1~0.2秒に過ぎない。しかし現実的な状況では、どのギアでも、実用域での追い越し加速でアルトゥーラが大きく上回る。
たとえば4速での48−113km/h加速は4.1秒だが、ポルシェは5.1秒だった。これがエネルギッシュで、どんな時でも加速に備えているようなフィールをもたらしている。
V6ユニットは、従来のマクラーレンのV8よりはやや耳あたりがいいものの、サウンド的に最高とはいえないと感じるかもしれない。いっぽうで、おそらくは怒涛のトルクがシームレスで瞬間的なので、全開走行時にもドラマティックさが足りないと思う向きもあるだろう。
走りは激しいが、ドラマティックなクライマックスがないのもまた事実だ。とはいえ、この走りのテイストをどう特徴づけるにしても、客観的にみれば間違いなく速い。しかも、速く走らせるのがかなりイージーだ。
例外は、パワートレインのモードコントローラーをエレクトリックに切り替えた場合だ。パフォーマンスのレベルは、スポーツやトラックを選んだ場合とのギャップが大きい。混み合ったジャンクションで待機状態にあるときでも、ゼロエミッション走行に切り替えるのは賢明ではない。
とはいえ、電力オンリーでのパフォーマンスのポテンシャルに慣れてしまえば、イージードライブなクルマだということがわかるはずだ。やはりレスポンスはよく、だいたい65km/hより上ではまったく速さがないものの、高速道路を穏やかなペースで流せるという点では期待どおり。しかも、現実的なシーンでも27kmのEV走行が可能ならば上出来だ。
使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
インフォテインメント
アルトゥーラの先進的な電装系は、MIS IIと呼ばれる新世代インフォテインメントシステムの搭載にも至る。8.0インチの縦型ディスプレイはスペース効率と軽量化を考慮したもので、大きさや派手さでほかに勝るものではない。
しかし、データ処理のパワーは明らかに高く、レスポンスに優れる。左側のホームボタン兼ダイヤルの貢献度は高く、操作性は合理的。これでエアコン操作が実体パネルだったら、なおよかったのだが。
純正ナビの入力が、やや直感的でないのは相変わらずで、レイアウトの小さな違和感や使い方の些細な問題も残っている。とはいえ、セットさえできてしまえばフォローしやすく、マップ表示をデジタルのメーターパネルへ移すこともできる。
スマートフォンのミラーリングは、AppleとAndroidの双方に対応。標準装備だが、接続は有線。ワイヤレス接続は、近いうちにOTAアップデートで可能になる見込みだ。
テスト車には、12スピーカーのバウワース&ウィルキンス製プレミアムオーディオが装着されていた。パワーもクラリティも満足のいくものだ。
燈火類
テスト車にはオプションのアダプティブLEDヘッドライトが装備されている。照射範囲は広く、ロービームのレベルも上々。ただし、自動減光は常に素早いわけではなく、自分で切り替えたほうが早いこともある。
ステアリングとペダル
ブレーキペダルは左へオフセットしていて、操作しづらく感じるかもしれないが、ミドシップカーとしてはありえないほどではない。ステアリングコラムはチルト幅がもう少しほしいが、テレスコピックは十分すぎるほどだ。
操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆
夢に見るスーパーカーというのは、おそらくマクラーレンのようなステアリングを持つスーパーカーだ。
アルトゥーラのステアリングは、多くの先達たちと同じように、英国の典型的な道路で、手応えとペース、フィール、そして活気の完璧な融合を見せつけ、このうえなく直感的で、感触がすばらしく、トータルで夢中にさせられてしまう。
スーパーカーとしてはナローで、前方の視認性もすばらしいので、路上での位置決めもコース取りも楽にできる。しかし、一番の見どころはステアリングだ。キャンバーやグリップレベルの変化も、フロント各輪の小さな突き上げも、すべて感じ取れる。
それでいて、すべてをダイレクトに伝えて、操作を脅かすようなことはない。美しいトリムが施されたシンプルな3スポークのステアリングホイールを、きつく握りしめる必要もないのだ。
また、視線を遠くに向け、肩の力を抜けて、自信を持ってスピードを上げられる。しかも、グリップレベルが確実で、レスポンスが一定していて、完全に思い通りの操舵ができる。
サーキットでは、ハイブリッドシステムの重量や、高負荷時のパワートレインのなめらかさが破綻しはじめる兆候、ドライバビリティに悪影響を与える問題などが感じられないかと探ったが、なにも起こらなかった。
トラックモードに入れると、テスト車のアダプティブダンパーは、限りなく100%に近い周回ペースで走っても、車体の重量をコントロールし続ける。ピレリPゼロ・コルサはロングテールモデルほどにはアペックスで路面に食いつかず、ブレーキングしてコーナリングする際に車体を安定させる一定したアンダーステアがかすかにある。
もし、このクルマの運動性に改善の余地があるとすれば、この点だろう。そうすれば、小さいながらも決定的なくらいに、エキサイティングさが高まるはずだ。
しかし、一旦走り出してしまえば、アルトゥーラは横グリップ荷重を制御して、世界トップレベルの安定感でコーナリングし、マクラーレンの最新モデル群においても初採用となるアクティブLSDがトラクションや挙動とラインの整然さやアジャスト性を生み、それが連続するコーナーでも途切れないのだ。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
アルトゥーラは、マクラーレンのロードカーの歴史の中ではじめて、並外れた乗り心地に欠けるクルマだった。たとえ、その差がわずかなものであるとしてもだ。おそらくその原因は、重量が余分に乗ったことと、その重量を支えるためサスペンションの剛性を上下方向も横方向も少しだけ高めたことだろう。
理由がどうあれ、アルトゥーラのシャシーは期待したよりややありふれた、路面の影響を受けやすい。ペースの速いクロスカントリールートで掛け値なしになめらかな乗り心地を求めるなら、サスペンションをコンフォートモードに入れる必要があり、スポーツモードはもっともスムースな部類の路面にとどめておいたほうがいい。
たとえコンフォートモードを選んでも、低速でマンホールや排水溝のフタ、路面の隆起などを踏み越えると、急な揺れや落ち着きのない動きに苛まれる。
サイドシルが低くえぐられ、一般的なスーパーカーより乗り降りはしやすい。また、オプションのクラブスポーツシートは、部分的には硬いが、長距離を走っても文句なしに快適だ。
言うまでもなく、エレクトリックモードでゆっくり走っていればかなり静かだ。しかし、エンジンが回り出したり、速度が上がったりするとそうは言えなくなる。騒音計は80km/h巡航時、エンジンが回っている状態で72dBA、モーター走行時で69dBAを記録した。
一般的なハッチバックのファミリーカーは、この速度域なら65~68dBAといったところだ。もちろん、超高剛性のカーボンシャシーを持つスーパーカーの比較対象とするのは筋違いなのだが。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
アルトゥーラの価格設定は、おなじみの立ち位置だ。ポルシェ911ターボSやアストンマーティン・ヴァンテージ、メルセデスAMG GTといったトップエンドのスーパースポーツとアウディR8の間で、マセラティMC20や、ランボルギーニ・ウラカンの大半の仕様よりは下。フェラーリのPHVである296GTBよりはだいぶ安価だ。
つまり、従来のV8を積んだ570Sと大差ない金額なのだ。それを踏まえると、ゼロエミッション走行能力やハイブリッドスーパーカーとしてのステータスは、タダでついてきたもののようにすら思える。
オーナーであれば、信頼性やストレスなく所有できることを望むだろう。また、変化が進む最近の自動車マーケットにおいて、ガソリンエンジン単体のライバルより高いバリューを持ち続けることも期待するはずだ。これまでのマクラーレンの実績を考えると、どの問題も当たり前だとは思えない。
オーナーにはかなりの誠実さが求められる。とくに、重大な変更があった場合には。しかし、マクラーレンがそうした顧客に十分な敬意を払い、早い時期にOTAアップデートを実施すれば、アルトゥーラは市場の嗜好が変化し、新旧問わずスーパーカーのオーナーが電動化の必要性を感じることになるにつれて変容できる力が、マクラーレンにあることを示す好例となってもおかしくない。
スペック
レイアウト
新たなMCLAカーボンファイバータブをベースに、120度V6エンジンと電気モーター、7.4kWhの駆動用バッテリーをリアバルクヘッドの背後に積む。8速DCTは、大半がリアアクスルより後方に突き出している。
これも新しいイーサネットの電子アーキテクチャーは、重量軽減に寄与した。テスト車の車両重量は1552kg、前後重量配分は42:58だ。
エンジン
駆動方式:リアミドシップエンジン/モーター縦置き後輪駆動
形式:V型6気筒2993ccツインターボチャージャー、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ84.0×90.0mm
圧縮比:9.4:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:585ps/-rpm
最大トルク:59.6kg-m/-rpm
エンジン許容回転数:-rpm
ハイブリッドアシスト:アキシャルフラックスモーター
モーター最高出力:95ps
モーター最大トルク:23.0kg-m
システム総合出力:680ps/7500rpm
システム総合トルク:73.4kg-m/2250~7000rpm
馬力荷重比:454ps/t
トルク荷重比:489kg-m/t
エンジン比出力:195ps/L
ボディ/シャシー
全長:4539mm
ホイールベース:2640mm
オーバーハング(前):1095mm
オーバーハング(後):804mm
全幅(ミラー含む):2100mm
全幅(両ドア開き):2860mm
全高:1193mm
全高:(ドア跳ね上げ):1930mm
足元長さ(前席):最大1100mm
足元長さ(後席):-mm
座面~天井(前席):960mm
座面~天井(後席):-mm
積載容量:160L
構造:カーボンモノコック/アルミボディ
車両重量:1498kg(公称値)/1552kg(実測値)
抗力係数:-
ホイール前/後:9.0Jx19/11.0Jx20
タイヤ前/後:235/35 ZR19 91Y/295/35 ZR20 105Y
ピレリPゼロ・コルサMC-C
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:8速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.61/10.5
2速:2.47/15.3
3速:1.80/20.9
4速:1.41/26.7
5速:1.15/32.7
6速:0.96/39.1
7速:0.80/47.0
8速:0.65/57.9
最終減速比:3.58:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:9.2km/L
ツーリング:11.6km/L
動力性能計測時:3.0km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/L
中速(郊外):-km/L
高速(高速道路):-km/L
超高速:-km/L
混合:21.8km/L
EV航続距離:30.6km
燃料タンク容量:66L
駆動用バッテリー:-/7.4kWh(総量/実用量)
現実的な航続距離(モーターのみ):27.4km
現実的な航続距離(エンジンのみ):約-km
現実的な航続距離(エンジン+モーター):797km
CO2排出量:104g/km
サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、アダプティブダンパー、スタビライザー
後: マルチリンク/コイルスプリング、アダプティブダンパー、スタビライザー
ステアリング
形式:電動油圧、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.5回転
最小回転直径:12.5m
ブレーキ
前:390mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
後:380mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
制御装置:ABS、EBA、EBD
ハンドブレーキ:電動、ステアリングコラム右側にスイッチ配置
静粛性
アイドリング:60dBA
全開時(4速):92dBA
48km/h走行時:69dBA
80km/h走行時:72dBA
113km/h走行時:74dBA
安全装備
ABS/EBA/EBD/ESC/VDC
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温17℃
0-30マイル/時(48km/h):1.7秒
0-40(64):2.2秒
0-50(80):2.7秒
0-60(97):3.2秒
0-70(113):3.8秒
0-80(129):4.5秒
0-90(145):5.3秒
0-100(161):6.3秒
0-110(177):7.4秒
0-120(193):8.6秒
0-130(209):9.8秒
0-140(225):11.5秒
0-150(241):13.2秒
0-160(257):15.3秒
0-170(273):18.1秒
0-402m発進加速:10.9秒(到達速度:220.5km/h)
0-1000m発進加速:19.4秒(到達速度:280.5km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ランボルギーニ・ウラカン・パフォーマンス(2017年)
テスト条件:湿潤路面・湿潤路面/気温16℃
0-30マイル/時(48km/h):1.5秒
0-40(64):1.9秒
0-50(80):2.4秒
0-60(97):2.9秒
0-70(113):3.5秒
0-80(129):4.2秒
0-90(145):5.0秒
0-100(161):5.9秒
0-110(177):7.0秒
0-120(193):8.3秒
0-130(209):9.7秒
0-140(225):11.4秒
0-150(241):13.6秒
0-160(257):16.2秒
0-170(273):19.4秒
0-402m発進加速:10.6秒(到達速度:220.0km/h)
0-1000m発進加速:19.3秒(到達速度:273.3km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.4秒(2速)/1.8秒(3速)
30-50(48-80):1.3秒(2速)/1.7秒(3速)/2.1秒(4速)/2.6秒(5速)
40-60(64-97):1.3秒(2速)/1.6秒(3速)/2.0秒(4速)/2.5秒(5速)/3.1秒(6速)/3.9秒(7速)
50-70(80-113):1.3秒(2速)/1.6秒(3速)/2.0秒(4速)/2.5秒(5速)/3.0秒(6速)/3.7秒(7速)/5.0秒(8速)
60-80(97-129):1.7秒(3速)/2.1秒(4速)/2.6秒(5速)/3.0秒(6速)/3.7秒(7速)/4.8秒(8速)
70-90(113-145):1.7秒(3速)/2.2秒(4速)/2.7秒(5速)/3.2秒(6速)/3.8秒(7速)/4.8秒(8速)
80-100(129-161):1.8秒(3速)/2.2秒(4速)/2.8秒(5速)/3.4秒(6速)/4.1秒(7速)/5.2秒(8速)
90-110(145-177):2.3秒(4速)/2.9秒(5速)/3.6秒(6速)/4.5秒(7速)/5.4秒(8速)
100-120(161-193):2.5秒(4速)/3.0秒(5速)/3.9秒(6速)/4.7秒(7速)/5.8秒(8速)
110-130(177-209):2.8秒(4速)/3.1秒(5速)/4.1秒(6速)/5.2秒(7速)/6.6秒(8速)
120-140(193-225):3.3秒(5速)/4.2秒(6速)/5.8秒(7速)/7.5秒(8速)
130-150(209-241):3.7秒(5速)/4.6秒(6速)/6.4秒(7速)
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温17℃
30-0マイル/時(48km/h):12.7m
50-0マイル/時(64km/h):37.0m
70-0マイル/時(80km/h):80.2m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:-秒
ライバルの制動距離ランボルギーニ・ウラカン・パフォーマンス(2017年)
テスト条件:湿潤路面・湿潤路面/気温16℃
30-0マイル/時(48km/h):9.3m
50-0マイル/時(64km/h):27.4m
70-0マイル/時(80km/h):52.6m
各ギアの最高速
1速:86.9km/h(8400rpm)
2速:127.1km/h(8400rpm)
3速:175.4km/h(8400rpm)
4速:223.7km/h(8400rpm)
5速:275.2km/h(8400rpm)
6速:328.3km/h(8400rpm)
7速:329.9km/h(7018rpm)
8速:(公称値):330.0km/h(5702rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1947rpm/2225rpm
結論 ★★★★★★★★★☆
マクラーレン・アルトゥーラがオートカーに初登場した際には、理想的なスタートを切ったとは言えない結果だったかもしれない。しかし、今回のきわめてタフなテストを、悠々とパスしてみせた。
このクルマをおすすめできるユーザーは、さまざまな公道やサーキットで日常的に使って、運動性の完全さにこだわるひと、さらには妥協なきパフォーマンスとトップレベルのハンドリング、すばらしく洗練されたドライバビリティをいつも感じていたいひとということになる。
逆に、2022年現在における20万ポンド級の、最高にソウルフルかつワイルドでエキサイティングなスーパーカーがほしいひとには、おそらく向いていない。スリルとしつけの行き届いた扱いやすさの適正なバランスを求める、分別あるユーザーにはマッチするはずだ。
アルトゥーラは、電動化プロセスによって能力を高めたが、全面的に新たな分野を開拓したようには思えないクルマだ。多くの点で、マクラーレンのよりよくなった下位スーパーカーにすぎない。ハイブリッドテクノロジーは目標達成のための必要最低限で、控えめな内容だが、それをうまく使っている。
そして、おそらくもっとも大事なことは、このクルマには未来が見えるということである。しかもその未来は、われわれ誰もが見てみたいと思う類のそれだ。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダースアルトゥーラのパフォーマンスを示す主な数字は、1994年にオートカーが計測したマクラーレンF1のそれに薄気味悪いほど近い。それが意味するのは、30年の時を経て、マクラーレンのジュニアスーパーカーが、もっとも偉大な象徴的モデルと同じくらい速くなったということだ。
イリヤ・バプラートアルトゥーラのV6エンジンは、サウンド面のアピールではやや熱さが足りないのではないだろうか。しかし、電気モーターはなかなか魅力的な音を立てる。低速からフルパワーを引き出すと、映画の宇宙戦闘機を思わせるところがちょっとある。
オプション追加のアドバイス
テクノロジーパックとプラクティカリティパックはマスト。750ポンド(約13万円)のトラックテレメタリーアプリは、サーキット走行の機会が多いなら選びたい。カラーやトリムはお好み次第で。
改善してほしいポイント
・サーキットでかすかに見せるアンダーステアを修正するなら、四輪操舵をつけてはどうだろうか。ただし、フィールのいい電動油圧ステアリングを犠牲にしてほしくはないが。
・ステアリングコラムのチルト角度を、もう少しだけ引き上げられるようにしてもらいたい。
・7ピン充電ケーブルを無償で用意してほしい。20万ポンド(約3400万円)にグラニーケーブルでは似つかわしくない。
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みんなのコメント
どちらかというと耐久性とかメンテナンス性とかを検討材料にすると思うけど。