現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則94】フォルクスワーゲン トゥアレグ W12スポーツは12気筒エンジンを搭載したスーパーSUV

ここから本文です

【ヒットの法則94】フォルクスワーゲン トゥアレグ W12スポーツは12気筒エンジンを搭載したスーパーSUV

掲載 更新 8
【ヒットの法則94】フォルクスワーゲン トゥアレグ W12スポーツは12気筒エンジンを搭載したスーパーSUV

2005年、著しい性能競争激化が進むプレミアムsuvの中にあっても極めて異色だったのは、フォルクスワーゲントゥアレグ W12スポーツ。それまでガソリンエンジンはV6とV8のみで、パワーウォーズから一歩引く姿勢を見せていたフォルクスワーゲンが、突然12気筒エンジンを搭載して戦線に参入。ライバルとなるハイパワーSUVとともに行ったMotor Magazine誌のテストドライブの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年11月号より)

アクセルを踏み込まなくても静々と速い。その走り味は別格だ
フォルクスワーゲンにとってW型12気筒エンジンは特別の存在らしい。自社ブランドでこれを搭載するのはフェートンのみ。あとはアウディA8、ベントレーといった高級車ばかりでトゥアレグにも設定はなかった。

トヨタがヤリスGR-4の3ドアボディを公開。さらに搭載エンジンと4WDシステムをスクープ

しかしその禁が破られた。世界限定500台(うち日本への割当ては100台)でトゥアレグW12スポーツが登場したのである。W12エンジンは6Lの排気量から450ps、600Nmを得ている。

トゥアレグは車重2570kgというヘビー級だが、その質量をほとんど感じさせない動力性能は独特の迫力だ。中でも3000rpmあたりで湯水のように湧いてくる底なしのトルク感がスゴイ。したがってアクセルをあまり踏み込まずとも静々と速い。さらに回転フィールも極めて滑らか。アイドリング中でもシリンダーヘッド上にユーロ硬貨が立つというフェートンのマナーの良さは、トゥアレグにも正しく受け継がれていた。

しかしW12スポーツはそんなジェントルな面ばかりを持っているわけではない。レブリミットは6800rpmとかなり高めで、回すほどにパワーも盛り上がって来る。

ステアリングの左右に生えたパドルで積極的に回して行くと、SUVにはあるまじきペースでワインディングを駆け回るようなこともできるのだ。

足まわりはV8にエアサスペンションをベースにスタビ強化などの特別チューンが加わる。そして足下には275/40R20という大径タイヤ。その乗り味はやはり特別だ。ロールを極端に抑えているため旋回性能は鋭い。

ただし、そのせいで足はかなり締め上げられており、重いエンジンを鼻先に載せることもあって乗り心地も相応にハード。路面からの入力が大きく、たとえエアサスをコンフォートにセットしてもコツコツと来る。

そうした乗り味は、内外装にアルミ材をふんだんに使い、4本出しのエキゾーストパイプで個性を主張する「スポーツ」のイメージによくマッチしている。標準のトゥアレグは比較的シックで大人しいが、このモデルは限定車ということもあってかなり突き抜けた。そしてそれは現在のプレミアムSUV界においては正しい方向性なのだろう。日本ではすでに完売だそうだ。(石川芳雄/Motor Magazine 2005年11月号より)



フォルクスワーゲン トゥアレグ W12スポーツ(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4770×1975×1710mm
●ホイールベース:2855mm
●車両重量:2570kg
●エンジン:W12DOHC
●排気量:5998cc
●最高出力:450ps/6000rpm
●最大トルク:600Nm/3300rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:1047万9000円(2005年当時)

[ アルバム : フォルクスワーゲン トゥアレグ W12スポーツ(2005年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
motorsport.com 日本版
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
AUTOSPORT web
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
乗りものニュース
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
WEB CARTOP
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
レスポンス
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
motorsport.com 日本版
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
motorsport.com 日本版
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
レスポンス
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
くるまのニュース
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
VAGUE
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
バイクのニュース
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
AUTOSPORT web
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
Auto Messe Web
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
モーサイ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
motorsport.com 日本版
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
バイクブロス
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
THE EV TIMES
ホンダ『N-BOX JOY』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が登場
ホンダ『N-BOX JOY』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が登場
レスポンス

みんなのコメント

8件
  • 日本車もドーンとこう言うのを作ればいいのに。燃費、燃費で肝が小さいわ!
  • V12TDIていうのもあったろう~
    むしろ、そっちのほうが凄いと思うよ~
    400ps 100kg/m くらいあったかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

643.0693.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.0459.0万円

中古車を検索
トゥアレグの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

643.0693.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.0459.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村