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ロールス・ロイスに迫る洗練性 BMW i7 xドライブ60へ試乗 新7シリーズにBEV登場 後編

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ロールス・ロイスに迫る洗練性 BMW i7 xドライブ60へ試乗 新7シリーズにBEV登場 後編

「極めて特別」を積極的に用いたい仕上がり

BMW i7のリアシート側で利用できる、インフォテインメント・システムは充実している。シアタースクリーンと呼ばれる装備を選ぶと、天井に31.3インチの8Kモニターが実装される。英国仕様では、アマゾン・プライムやネットフリックスなどを視聴できる。

【画像】新7シリーズにBEV登場 BMW i7 xドライブ60 競合の上級サルーン キャディラックも 全105枚

8Kだから画質は抜群。高音質オーディオで名高い、バウワース&ウィルキンス(B&W)社によるサウンドシステムも、惚れ惚れする音質だった。

もう1つのオプションとなるエグゼクティブ・ラウンジを選択すれば、助手席を前方に折りたたむことが可能になり、背もたれを深く倒した状態で映画鑑賞できる。リアガラス側のブラインドを閉め、ポップコーンとブランケットを準備してもらえば完璧だ。

ちなみにドアは、グリップ部分のボタンを押すだけで自動的に開く。これもオーナーの心をくすぐる小ワザといえる。

「極めて特別」といった表現は、先代の7シリーズではあまり登場することがなかった。しかし、最新の7代目では積極的に用いたくなる。大きなサルーンを走らせるパワートレインに対しても。これは、BEVのi7でも同様だ。

歴代の7シリーズで特徴といえたのが、ドライバーの好奇心をそそる性格付け。快適性へ強く振ったSクラスとは異なり、3シリーズへ近い操縦性が狙われてきた。その結果、乗り心地に妥協が生じつつ、大柄なボディによって操縦性も輝くほどではなかった。

しかし、新世代はまったく異なる。極めて快適で洗練されたサルーンに躍進している。

ロールス・ロイスに迫る洗練性

先進的な2軸エアサスペンションは、自動的に車高を調整。前後左右個別に空気圧を調整することで負荷を均し、ボディは水平に保たれる。電子制御のアダプティブダンパーは、刻一刻と最適な減衰力に変化する。

これらの技術によって、路面のあらゆる凹凸や不整を見事に吸収。維持管理の悪いアスファルトでも、まったく動じない乗り心地が実現している。6代目7シリーズから、大幅な進化を遂げたといえる。

新次元の快適性に加えて、電動パワートレインによる滑らかな印象が相乗し、極めて特別な洗練性を叶えている。ロールス・ロイスに迫る、とさえ表現したくなる。

それでいて、大型サルーンのカテゴリーでは、秀でた操縦性を味わえることにも変わりない。全長が5.4m近くあり、車重が2.7tを超えるだけあって、ドライバーとの一体感を伴う刺激的なものではないものの、iX以上の運転する喜びが存在する。

SUVより軽いだけでなく、車高が低く路面との距離が近いことも影響している。スポーツ・モード時に140km/hを超えると、車高はさらに10mmダウンする。後輪操舵システムが搭載され、低速域での機敏さと、高速域での安定性や身軽さを両立させてもいる。

ダイナミック・パッケージで装備される、可変レシオ・ステアリングの重み付けも良好。クルマの反応を予想しやすくしているようだ。

自らステアリングホイールを握りたい

i7が秘めた543psの最高出力を解き放てば、0-100km/h加速を4.7秒でこなす。現代のBEVでは際立つダッシュ力ではないかもしれないが、パワーが高まっていく過程は感動的なほど印象がいい。

静かで安楽に速度を高めるだけでなく、i7全体の動的特性とも見事に調和していた。運転が極めて心地良く感じられ、自らステアリングホイールを握りたいとオーナーに強く思わせるはず。

センターコンソールのシフトセレクターでBモードを選択すると、アクセルペダルの加減だけで発進から停止までまかなえる、ワンペダルドライブも可能。扱いやすいだけでなく、エネルギー効率の面でも有効だ。

今回のデンマークでの試乗では、445kmの航続距離が表示されていた。雨で気温が低い状態で。

静寂に包まれたキャビンの雰囲気をわずかに濁していたのが、ドアミラーやピラーまわりで生じる風切り音。今後の小改良でカメラを用いたデジタルミラーが採用され、ピラーの形状が詰められれば、さらに上質さを高めることもできるだろう。

もう1つ惜しいのが、驚くほどの英国価格。今回の試乗車にはふんだんにオプションが盛り込まれ、約13万8000ポンド(約2290万円)へ跳ね上がっていた。

超洗練のBEVラグジュアリー・サルーン

7代目へ進化した7シリーズに加わった、超洗練のBEVラグジュアリー・サルーンとなるi7。価格やサイズは、選択できる人を限定することは確かだ。挑戦的なスタイリングも、英国では好き嫌いがわかれそうではある。

とはいえ、i7はBMWのフラッグシップ・サルーンとしてふわさしい、特別な完成度に到達している。7シリーズ全体へ及ぼす影響も、決して小さくないはずだ。

○:感動的なほどの洗練性と高品質なインテリア。乗り心地もクラス最高水準にある。
△:好みが分かれそうなスタイリングと高めの価格。

BMW i7 xドライブ60(北米仕様)のスペック

英国価格:10万8305ポンド(約1797万円)
全長:5391mm
全幅:1950mm
全高:1544mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:4.7秒
航続距離:590-624km
電費:5.1-5.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2715kg
パワートレイン:ツイン励磁同期モーター
バッテリー:101.7kWh(実容量)
急速充電能力:195kW
最高出力:543ps
最大トルク:75.9kg-m
ギアボックス:−

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みんなのコメント

4件
  • ロールスロイスもBMWだから。
  • どんなに後席が快適でも、外観が絶望的にダサすぎてこんなの買うひといないでしょ。しかもショーファーカーって経営者を乗せるわけだけど、移動中こんな大画面で映画なんて見るほど経営者は暇じゃない。移動中も仕事するためにわざわざ運転手つけるんだから。デザインも仕様も誰向けなのが謎すぎる迷走車。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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