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私失敗しないので! どんなに考えても「やっちまったポルシェ」が見つからなかった

掲載 更新 23
私失敗しないので! どんなに考えても「やっちまったポルシェ」が見つからなかった

 この記事をまとめると

■ポルシェのやっちまったモデルを探したがポルシェに失敗作はない

人生「勝ち組」でも水面下の「苦労」はハンパない! 思ったよりラクじゃない「スーパーカー乗り」の悲哀5つ

■ポルシェのFR/MRモデルは911派から嫌われただけでクルマとしては失敗とは言えない

■失敗作がないことが、ポルシェファンがこのブランドに魅了される理由だ

 ポルシェの失敗作を見つけることができない

 不肖ヤマザキ、ずっと考えている。時間にしてもう半日くらい。いろいろなポルシェの画像をPCに映し出しながら、とにかく考えている。でもいくら考えても答えというものが出てこないのですよ、今回は。だって今回のお題は「やっちまったな、ポルシェ」。つまりポルシェの失敗作を改めて紹介してみろというものなのだから。ポルシェにだって失敗作はあるはずだ。それを探せと編集部は言う。

 あえてその候補を探すとしたら、伝統の911ファン、つまりリヤエンジン信奉者からは、ほとんどの場合まったく支持されることのなかったフロントエンジンの924、944、968、928や、さらにさかのぼってミッドシップの914ということになるのだろうか。しかし、それはあくまでも「ポルシェといえば絶対に911」派から嫌われただけの話で、クルマとしては決して失敗作といえるものではない。

 たとえば1969年から生産が開始されたミッドシップの914。そのスタイルは時に酷評されることもあったけれど、水平対向4気筒エンジンがVWビートルのリヤからミッドに移動したことで、その運動性能は圧倒的に向上した。

 この914には、のちにポルシェ911Tの2リッター水平対向6気筒エンジンを搭載する914/6なども誕生し、リヤにトレーリングアーム方式を採用したサスペンションなどとともに、ミッドシップスポーツとしての走りを大いに満喫させてくれたのだ。これを「やっちまった」と誰が言えようか。

 1975年に誕生した924から944を経て968へと続く、4気筒FR車も、911信奉者には「やっちまった」の一言で片づけられることが多いモデルだ。ときに4気筒などポルシェではないと揶揄され、またエンジンはリヤにあるのがもっとも正しい基本設計なのだと持論を展開される中で、肩身の狭い思いを続けてきた4気筒FR。

 たしかにその価格は911に対してはリーズナブルだったが、それはいまあらためて見ても「安かろう、悪かろう」の作りではない。それはむしろポルシェのクルマ作りの哲学を確実に継承した、新たなクラスのプロダクトにほかならなかったのだ。もちろんカスタマーはそれに、ネガティブな印象を持つことはなかっただろう(故障時などは別の話として)。

 実際には、VWやアウディなどの部品を流用してコストダウンを図り、エンジンもアウディ100用の直列4気筒を2リッターにボアアップ、同時にSOHC化したものだった。最高出力はヨーロッパ仕様で125馬力。さらに、1978年には高性能版の924ターボが170馬力で、また1986年には155馬力仕様の2.5リッター自然吸気の924Sが発売され、いずれも順調な販売を記録した。

 ポルシェは失敗しないからこそファンが魅了される

 市場のニーズを見事に捉え、924を成功に導いたポルシェは、その後継車として1983年に944を、そして1991年には968をデビューさせる。

 944のスタイリングは、さらにボリューム感に溢れた、よりスポーツカーのテイストを感じさせるものとなり、フロントに搭載されるエンジンも、のちに紹介する928用のV型8気筒の片側のバンクを使用した2.5リッターの直列4気筒とされた。1985年に誕生した944ターボでは190馬力、1989年デビューの944 S2では何と3リッターの排気量から211馬力を得るなど、パワーはこの944世代で大いに高められ、それはスポーツカーとしての正常進化そのものにほかならなかった。

 そしてポルシェは、その後継車となる968を1991年にリリース。搭載されたエンジンは944S2のそれがベースだったが、可変バルブタイミング機構のバリオカムを導入して240馬力を実現したほか、1993年には50kgの軽量化を果たした968CS(クラブスポーツ)、それをベースに305馬力仕様のターボエンジンを搭載したターボSなどもリリース。1995年まで生産は続いた。

 とここまで、かつての4気筒FR(それから20年くらいして復活したボクスターやケイマンも、「やっちまった」といえるのは、718になってからのGTSを除く壊れたバイクみたいなエグゾーストノートだけだし)ミッドシップやFRモデルを振り返ってきたけれど、本当にポルシェが「やっちまった」モデルを作った例は皆無に近い。

 ならば8気筒FRの928はどうか。928は、実際にポルシェ自身も911の後継車となることを意識して開発を進めたモデルであると言われる。ファーストモデルは、フロントに4.4リッターのV型8気筒エンジンを搭載。最高出力は230馬力を誇り、これに5速MTもしくは3速ATの組み合わせを実現していた。

 そしてこの928もモデルイヤーを重ねるたびに、その正常進化を続けていく。1981年に登場した928Sはヨーロッパ仕様で300馬力と250km/hの最高速を達成したモデル。続く1985年の928 S2では排気量を5リッターに拡大するとともに4バルブを採用し、排出ガス規制の強まる中292馬力の最高出力を維持し続けた。

 1987年に発売された928 S4は、日本でも人気の一台。エアロダイナミクスの向上とともにエンジンを320馬力仕様にパワーアップし、さらなる運動性能の向上を実現している。最終モデルとなった928GTSは5.4リッターに排気量を拡大した、まさに928の完成形でもあり、911にとっても強力なライバル。1992年の時点で294km/hに達した最高速は、他社に対しても大きな影響を与えたことは間違いない。

 リヤエンジンの911でなければポルシェにあらず。その言葉を胸に、ミッドシップとフロントエンジンのポルシェを簡単に紹介してきたが、結論はやはり変わらなかった。ポルシェは商品企画、開発、生産、そして販売のためのプロモーションやカスタマーからの評価においても、完全に「やっちまった」ことがないのである。

 あるいはボクスターとの部品の共用化を積極的に進めたがゆえに、真の911信奉者からもネガティブな意見が寄せられた996型911はどうか。これとてポルシェはこの世代でエンジンの水冷化や新開発のマルチリンクリアサスペンションを導入し、911の進化に大きな節目を生み出している。

 ポルシェのファンがこのブランドに魅了される理由はここにある。

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みんなのコメント

23件
  • とんでもないバカ記事
  • 【ポルシェのファンがこのブランドに魅了される理由はここにある。】

    恐らく、ポルシェのファンがこのブランドに魅了される理由はココではないと思う!

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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