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強烈な見た目がクセになる!? テスラ初のピックアップトラックってどんなクルマ?

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強烈な見た目がクセになる!? テスラ初のピックアップトラックってどんなクルマ?

 衝撃的なデザインで多くの人々の関心を引いたサイバートラック

 2019年11月に初公開されたテスラの電動ピックアップトラック「サイバートラック」。その奇抜なデザインが話題を呼び、注目の的となったモデルだが、今後の展開も気になるところだ。最新情報を盛り込みながら解説していこう。

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■そもそもテスラはどんなメーカー?

 テスラはアメリカ合衆国カリフォルニア州(シリコンバレー)に本社を置く電気自動車メーカーだ。創業は2003年で、当時は「テスラ・モーターズ」という社名だった。「持続可能なエネルギーへの転換」を掲げ、内燃機関で成長してきた既存メーカーとは一線を画し、電気自動車のみをラインアップする。歴史のある企業が多い自動車メーカーの中で、かなり異色の存在であることは言うまでもない。

 2008年にテスラ初の開発車両「ロードスター」を発表。2010年にロードスターを持ち込み、日本市場へ参入した。その後も高級セダンの「モデルS」やクロスオーバーSUV「モデルX」、量産モデル「モデル3」、コンパクトSUV「モデルY」と新型車を追加している。電気自動車の懸念材料である航続距離と動力性能を両立させながらレベル2の自動運転をいち早く実用化するなど、新技術の開発にも注力しているのが特筆すべき点だろう。

 また、トヨタ自動車と電気自動車分野での共同開発をおこなう業務提携を締結したが進展せず、2016年にトヨタがテスラ株式を売却している。時を同じくしてテスラ・モーターズから現在のテスラに社名変更された。

 また、リチウムイオンバッテリーパックなどはトヨタやダイムラーなどに供給する、電気自動車向けの部品サプライヤーとしての側面もある。

 テスラを語る上で避けては通れないのがイーロン・マスクCEOの存在だ。イーロン・マスク氏はオンライン決済サービス「PayPal」などスタートアップ企業を成功に導いた起業家だ。2004年にテスラへ出資し、現在の地位を築いている。

 テスラを一躍有名にした立役者であり、今回紹介するサイバートラックをはじめ、彼がさまざまなモデルの発表の場に登壇し、観客を引き込む話術や求心力をいかんなく発揮しているからこそ、テスラは名だたる自動車メーカーの仲間入りを果たしたと言えよう。

■テスラからEVのトラック(ピックアップトラック)が発売予定

 さて、ここからは本題のサイバートラックを紹介していこう。サイバートラックは2019年11月に発表された3+3の6人乗りピックアップトラックだ。

 映画大国アメリカらしく、1978年に公開されたSF映画「ブレードランナー」を彷彿とさせる、従来のピックアップトラックとはまったく異なる箱のような斬新なデザインが特徴的だ。ヘッドライトとテールランプはそれぞれ横一列につながっており、個性を際立たせている。

 ボディサイズは全長5000mm×全幅2000mm×全高1900mmと、ピックアップトラックとしては一般的だ。最低地上高は約400mm、アプローチアングル35度、デパーチャーアングルが28度と見た目の意外性とは裏腹に、悪路走破性の高さも感じられる。グレード構成はシングルモーター+RWD(後輪駆動)、デュアルモーター+AWD、トリプルモーター+AWDの3つが用意される。

 最上級グレードのトリプルモーターAWDでは加速性能0-96km/h到達時間2.9秒、一充電あたりの航続可能距離はEPA基準で800km。生産は今年終盤に開始される見込みだ。キャッチフレーズの「MORE PERFORMANCE THAN A SPORTS CAR」が決してハッタリではないことを感じさせる性能を持つ。価格は約435万円~760万円。

 ボディには高硬度の冷間圧ステンレス鋼が使用され、無塗装のいわば鉄板剥き出し状態だ。加工する過程での問題をクリアするため、独特の多角形フォルムになっている。窓ガラスには「テスラアーマーガラス」と名付けられた防弾ガラスが採用されており、発表会ではその耐久性を示すデモンストレーションもおこなわれた。

 また、荷台への積み下ろし時や乗降時に便利な「アダプティブエアサスペンション」を採用しており、サスペンションを上下に100mm動かすことで車高調整が可能だ。けん引能力は最大で6350kgとピックアップトラックとしての性能の高さもうかがわせる。ほかにも、AC110V/220V対応のコンセントも搭載され、用途に応じた多彩なオプションも用意する。

 ダッシュボードにはステアリングホイールと17インチの大型タッチスクリーンのみというシンプルな構成だ。既存モデルと同様の車両設定やナビ、オーディオは中央の大型ディスプレイによって管理、操作できる。荷台にはロック付きのカバーが装備されており、ツールボックスやスペアタイヤなどが積載できるという。最大積載量は1587kg。

 すでに事前注文を受け付けており、発表会後2日間で予約が14万6000台あったことをイーロン・マスクCEOがSNSで公表している。グレード別の割合としては42%がデュアルモーター、41%がトリプルモーター、17%がシングルモーターだった。その後、発表会から5日間で25万台に達したという。

 華々しいお披露目の舞台でトラブルが発生したが……

■サイバートラックといえば発表会でのハプニング

 前述の通り、鉄板剥き出しでケタ外れの耐久性をもつサイバートラック。このモデルに使用されている鋼材はイーロン・マスクCEOが手がける宇宙開発企業「スペースX」のロケットにも使用される予定のものだ。発表会では実際にサイバートラックの耐久性を示すために9ミリの銃弾にも耐えられることを証明するビデオが公開された。

 しかし、発表会場でおこなわれた鉄のボールを窓に投げつける実演では、弾き返したもののガラスに大きなヒビが入るハプニングが起こった。これにイーロン・マスクCEOは「ちょっと強すぎたかもしれない」と苦笑い。再び試すも、もう一枚のガラスも損傷した。「でも貫通はしなかった」と主張したが、弱り目に祟り目だ。しかし、スレッジハンマーによるボディ強度デモンストレーションでは、2度ほどハンマーをフルスイングしてもドアに凹みがつくことはなく、イーロン・マスクCEOの面目も保たれた。

 下記URLから実演の様子がお分かりいただけるだろう。

 https://www.bloomberg.co.jp/news/videos/2019-11-29/Q1PPDC6JTSE801

 このハプニングについては、SNSでは「話題性のために故意におこなったのではないか」という憶測も立っているほど。あまりにも想定外の独特なデザインと窓ガラスが割れてしまったからなのか、サイバートラックの発表後、ニューヨーク市場でテスラの株価が7%近く下がったという報道もあった。

「やらせ」なのかどうか真偽のほどは定かではないが、イーロン・マスクCEOは後日談で「良い宣伝になった」と話している。このハプニングによってサイバートラックがより注目を集めたのは確かだろう。ちなみに窓のひび割れをそのままプリントしたTシャツは3800円でテスラの公式グッズとして販売されている。

■発売予定と日本での展開

「本当にこんなクルマを市販化するのか?」という疑問を持たれた方も多いだろうが、テスラの公式ウェブサイトにはサイバートラックのページが用意されており、オーダーも可能。予約金は1万5000円ほどと良心的な価格設定だ。

 生産開始はシングルモーターモデルとデュアルモーターモデルが2021年後半、トリプルモーターモデルが2022年後半と発表されている。

 搭載する電池容量は公表されていないが、廉価モデルでも一充電あたりの航続可能距離はEPA基準で400km以上と他のEVモデルに劣らない性能を持っているとみられる。

 日本で走らせるにはボディサイズの大きさが懸念材料となりそうだが、2017年に国内復活を果たしたトヨタ・ハイラックスが13年ぶりに復活したことからも分かるように、一部のユーザーからの支持はある。しかし、日本でピックアップトラックを登録すると貨物車(商用車)扱いとなるため、車検が毎年必要になるほか、高速料金は中型車扱いで高額だ。こうしたランニングコスト面なども考慮して購入検討してほしい。

■まとめ

 2年前に発表され、いよいよ今年末から生産が始まる予定のサイバートラック。その個性的過ぎるデザインには度肝を抜かれたが、同時に興味を引かれた人も多かったのではないだろうか。今年に入り、近い内に続報が発表されるとの報道もある。今後も注視していきたいモデルの一つとなりそうだ。

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