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久々のオープン・マセラティ! 「MC20チェロ」が日本へ オートモビルカウンシル2023で公開

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久々のオープン・マセラティ! 「MC20チェロ」が日本へ オートモビルカウンシル2023で公開

日本価格が判明 0-100km/h加速2.9秒

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】オープン・マセラティ 2台の共演を楽しもう!【オートモビルカウンシル2023】 全32枚

マセラティが新型スパイダーの「MC20チェロ」を日本初公開した。チェロ(Ciero)とは、イタリア語で「空」を意味する。

MC20チェロは、2020年に発表されたマセラティ久々のスーパースポーツカー、MC20をベースにスパイダー化したモデル。ただし、単にルーフを切り取ったという作りではなく、リトラクタブル・ハードトップを採用している。

オープン化に伴う車両重量の増加は60kgにおさえられた。

ハードトップのルーフはガラス製で、ジェット旅客機のエアバスA350などに採用されている高分子分散型液晶(PDLC)技術により、センタースクリーンのボタンに触れるだけで一瞬で透明からスモークガラスの状態へと変化する。

クローズドのクーペ状態ながら、ルーフを透明ガラスにすれば光があふれる「空の美しさを楽しむ感覚」を、そしてわずか12秒で開閉するルーフトップを収納すれば風と外の世界をオープンエアで感じられる、まさに「チェロ=空」という名にふさわしいドライビングが楽しめる。

パワートレインは、MC20と同様の「ネットゥーノ」3LのV6ツインターボをミドシップし、8速DCTを介して後輪を駆動。最高出力は630ps、最大トルクは730NmというパワースペックもMC20のものと変わらない。公称の最高速度は320km/h以上、0-100km/h加速は2.9秒以下とアナウンスされた。

なお、展示されていたMC20チェロ・プリマセリエ・ローンチエディション(限定車)の価格は、4438万円とされている。

MC20 次はEVの「フォルゴーレ」

MC20は、16日まで千葉県で開催されている「オートモビルカウンシル2023」で日本初公開された。

会場のマセラティ・ブースにはもう1台、1964年式のマセラティ・ミストラル・スパイダー(3.5L)も並ぶ。マセラティ・オープンモデルのクラシックとモダンを対比させたというわけだ。また、会場内にはマセラティ・オープンモデルの系譜を紹介するパネルも展示されていた。

プレスカンファレンスでは、まずマセラティ・ジャパンの代表取締役 兼 アジアパシフィック チーフ統括責任者の木村隆之氏が、ブースやオープンモデルについて紹介。美しいマセラティで楽しむオープンエアの走りについて語った。そして、マセラティのオープンモデルには続き(未来)があるという。

また、MC20のスタイリングはそのままに、フル電動化された「MC20フォルゴーレ」が近い将来にはラインナップされる予定と明かした。

続いて、マセラティ・ジャパンの業務執行取締役 ジャパン ジェネラルマネージャーの玉木一史氏がMC20の概要を紹介。

レースカー・メーカーとして生まれたマセラティにとって、軽量、低重心、かつ“風を感じて走る”オープントップのスポーツカーは常に重要な存在であり、と話す。

ブランドの新時代の幕開けを象徴して日本でも高い注目と多くの注文があるMC20のオープンモデルが登場したことで、日本においてマセラティ・ブランドがさらに強固なものになっていくと確信しているという。

前述のように今回展示されたMC20チェロは限定車の「プリマセリエ・ローンチエディション」だ。

ボディカラーは専用色のアクアマリーナで、新デザインの20インチ・マットブラック・ホイールに、ホワイトゴールドで「PrimaSerie」の文字がレーザー彫刻される。内装はアイスカラーのアルカンターラとレザーで覆われ、アクアマリーナのコントラストステッチがダッシュボードやヘッドレストの「PrimaSerie」の文字にも施されている。

エンジニア陣が語るクラフトマンシップ

また、プイタリア本国のエンジニア陣によるメディアセッションもオンラインで行われた。

クーペ版であるMC20の“エレガントかつスポーティ”というスピリットを引き継いだMC20チェロは、イタリアン・クラフトマンシップに基づいたスポーティなデザインをまとい、それはまた機能性と合理性を併せ持ったスタイリングであるという。

MC20をベースに「スパイダーを作りたい」というアイデアが生まれたとき、まず「トップをどうするか?」という話になったそうだ。

そこで、マセラティらしい、革新的でユニークなもの、今までに経験したことのない素晴らしいものを、という発想から、この特殊なガラス製トップが生まれた。

そして、マセラティのクルマ作りにとって大事なポイント、パフォーマンス、ドライビングテクノロジー、コンフォートといった3点に関しても妥協はしない。

シャシーのカーボンファイバーをMC20と異なる使い方をし、エアロダイナミクスはMC20より進化させたという。4種類を切り替えることが可能なドライブモードのパフォーマンスも、MC20のものよりバージョンアップされている。

インテリアには新しいアルカンターラが特別採用され、サイドビューカメラや衝突被害軽減ブレーキといった安全装備も充実した。こうして、オープントップでもロングツーリングが快適なグランツーリスモになったわけだ。

もちろん、MC20チェロが生まれるまでには、デザインとエンジニアリングのすり合わせのために何度もミーティングが行われ、限られた時間の中でも、ペンディングや、やり直しになったことは数多くあったという。

だが、それこそが優れたクルマを作り上げるためには「よくあること」であり、その結果、まさに「100%マセラティ、100%スパイダー」と呼べるクルマに仕上げられたと語っていたのが印象的だった。

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