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岩佐歩夢のSF2年目は「速さだけでなく、強さも身につける」テストのタイムは気にせず、シーズンオフの改善に集中

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岩佐歩夢のSF2年目は「速さだけでなく、強さも身につける」テストのタイムは気にせず、シーズンオフの改善に集中

 12月11~13日に鈴鹿サーキットで開催された2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の公式テスト/ルーキーテストの2日目となる12日(木)、“F1テスト帰り”の岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が参加。走行後のミックスゾーンでSFテストの感想と2年目のシーズンに向けて抱負を語った。

 ホンダ&レッドブル育成ドライバーとして、2024年シーズンからSFへの参戦を開始した岩佐。F1テストドライブとFIA F2参戦経験があるということで注目を集めて迎えたSF初年度は、第2戦で予選ポールポジションを獲得し、決勝では一年間を通して2位を3度獲得する活躍を見せたものの、未勝利のランキング5位でシーズンを終えている。

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 今回の公式テストは2日目のみの走行となった岩佐は、まず一日を「今日は本当に『ザ・テスト』というような内容で、ラップタイムは気にせず、コンディションに対してもまったく合わせにいかず、今後に向けたテストをいろいろと行いました」と振り返った。

「結論としては、すごく良かったのではないかなと思っています。いろいろとクリアなデータを見ることができましたし、良いものと悪いものを結構はっきりさせることができそうです。今回のテストで得ることができたものは、シーズンオフにすごく活きると感じています」

 そんな岩佐は、12月10日(火)にF1最終戦アブダビGPが行われたヤス・マリーナ・サーキットでのF1ポストシーズンテスト参加後に鈴鹿サーキット入り。日本でのSFテスト初日夕方にはアフターシーズンパーティーが行われていたが、岩佐は式の途中から参加してルーキー・オブ・ザ・イヤーの表彰を受けると、翌日の午前セッションからSFマシンを走らせるという弾丸スケジュールをこなした。

 岩佐が所属するTEAM MUGENはテスト初日、野尻智紀が自身の16号車と岩佐の15号車をドライブした。岩佐は鈴鹿サーキット到着後に、野尻が感じた15号車の感触について「単純にクルマがどう違うか、何か根本的に異なる部分があるのか、あるならどういった部分が異なるのかなど、本当に車体の比較フィードバック」を受けたという。ただ、野尻インプレッションを踏まえてテストメニューを変更したことはないと続ける。

「そのことを踏まえて何かをしたか、というとそうではなく、今日はもともと計画されていた走行プランをこなしただけです。なので、初日と今日のテストを含め、すべてをまとめて、これからシーズンオフは分析と改善、そしてステップアップを進めていきたいと思います」

 SFテスト2日目の2セッションを終えた岩佐のベストタイムは、午後のセッション4で記録した1分36秒692。セッション単独の順位では12番手となるが、先述のとおり「タイムは気にせず」の走行だったので心配はしていない。

「もちろんニュータイヤは持っていたので(アタックのときに)投入してある程度は攻めましたけど、コンディションにまったく合っていませんでした。今回はテストとしてさまざまなことを行っていますし、少しでも攻めると即クラッシュに繋がりそうなマシンの挙動もあり、逆に攻めることができない状況でもありました。なので、タイムは本当に気にせず進めていきましたね」

 また、TEAM MUGENは16号車を長年担当した一瀬俊浩チーフエンジニアが離脱し、後任として岩佐の15号車でパフォーマンスエンジニアを務めていた田口顕人氏が16号車で野尻担当トラックエンジニアとなることが明らかになっている。これによりチーム体制が変化することになるが、その部分についても大きな影響はないと予測する。

「15号車として変わっている部分はありますけど、チーフエンジニアは小池(智彦)さんで変わっていないですし、ドライバーも僕で変更ありません。なので、チームをリードしていくドライバーとチーフエンジニアが変わらなければそこまで大きな影響はないかなと思っています」

「もちろん新しいエンジニアにとっては、今後いろいろと学ぶことがあるかと思います。でも、そのあたりは小池さんや他のエンジニアも経験者です。そういった経験者たちが、経験の少ないエンジニアやメンバーを助け、しっかりとチームとして構築していける環境があるので、心配はしていません」

 SFテスト初日の11日(水)には、ホンダおよびホンダ・レーシング(HRC)が2025年のスーパーフォーミュラ参戦ラインアップを発表し、岩佐はTEAM MUGENでのSF継続参戦が明らかになった。2年目のシーズンに向け、岩佐はこのシーズンオフが重要になると語る。

「(今季は)速さはところどころで見せることができましたけど、もちろん十分だとは思っていないので、来季はまず速さを確実に上げていくことが先決だと思っています。そのためのテストを今回行いましたし、ここからはシーズンオフの過ごし方、進め方が大事になってくると思っています」

「また(今季は)チャンピオンシップを争うことができませんでした。マシントラブルもそうですし、いろいろな面で『チームとして改善しなければいけない部分』がすごく多かった一年だったと思っているので、そのあたりも含め、来季は速さだけではなく、強さも一緒に身につけられるような一年にしたいです」

 F1候補生である岩佐にとって、スーパーフォーミュラでの優勝とタイトル獲得は、ほぼ必須と言っていいだろう。国内の手強いライバルたちを相手に、来季も負けられないレースが続きそうだ。

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