御三家の対決企画では定番中の定番といえるミドルクラスセダン。人気の面ではコンパクトカーやSUVに押され、やや影が薄くなっているが各ブランドのキャラがもっとも色濃く出ているのは、相変わらずこのクラスといえる。そこで、今回はパッケージングや走りの部分をガチンコ比較してみた。
3台の中もっとも新しいのはA4
アウディがミドルセダンの「A4」とワゴンの「A4アバント」にクリーンディーゼル仕様を初設定!
今回比較する3台は、ドイツ御三家の主力モデルとして常に注目を浴びる存在だ。モデルチェンジのタイミングにズレがあるため、ドイツ車ファンには「いまどのクルマを選ぶべきか?」という悩みが常につきまとう。
3台の中で、登場が一番早いのがCクラスである。日本では2014年7月に発売した。アジリティ(機敏さ)の向上をテーマに開発され、アルミの使用率を高めてボディの軽量化を図るとともに、サスペンションを一新するなどしてスポーティなハンドリングを実現している。2018年7月にはマイナーチェンジを行い、エクステリアの見直しに加えて、フル液晶メーターのコクピットディスプレイや新デザインのステアリングホイールの採用などでリニューアルを図った。
現行の3シリーズは「G20」と呼ばれる第7世代で、フロントマスクを特徴づけるキドニーグリルを従来の二分割型から一つのフレームで縁取られるデザインに変更したり、デジタルメーターを標準装備するなどして、イメージの一新を図ったのが特徴だ。
3台中もっとも新しいのがA4だ。「B9」と呼ばれる現行型は、2016年2月に日本上陸。新アーキテクチャー「MLB evo」の採用により走行性能や安全性を高める一方、従来よりもシャープなデザインのシングルフレームグリルや、フルデジタルメーターのアウディバーチャルコクピットの採用などにより、進化を遂げた。そのA4のマイナーチェンジ版が2020年10月に登場。ヘッドライトやラジエターグリルに加えて、多くのボディパネルを変更することでエクステリアデザインを刷新。インテリアもタッチスクリーンのセンターディスプレイを採用するなど、“マイナーチェンジばなれ”した変貌を遂げている。
室内空間がもっとも広いのは3シリーズ
クルマを走らせる前に、コクピットとパッケージングをチェックしておこう。まずは、3台の中で全長が一番短いCクラスを覗いてみる。マイナーチェンジでデジタルメーターが装着されているが、タブレットを2個横に並べたワイドスクリーンではなく、独立したメーターパネルというのは個人的には落ち着く感じがする。ドライバーズシートのまわりには余裕があるが、せり出すようなデザインのダッシュボードにやや圧迫感を覚えるのが気になるところだ。
後席はややヘッドルームが不足気味だが、足元や膝まわりは十分余裕がある。ラゲッジスペースは、カタログ値で435Lと最小で、奥に行くほど狭く浅くなるが、それでも必要十分なスペースが確保されている。
3シリーズのコクピットは、端正でシンプルなのが特徴だ。センタークラスターがドライバーに向けられた“ドライバーオリエンテッド”なデザインはBMWの伝統で、ドライバーズシートに座った瞬間からスポーツセダンであることを意識できるのがいい。
Cクラスに対して全長、ホイールベースともに10mm長い3シリーズは、そのぶん後席に余裕があり、3台中もっとも広いスペースが確保されている。ラゲッジスペースも最大の480L。フルモデルチェンジの時期が一番新しいだけに、ライバルを上回ってきたのは当然の流れといえるだろう。
3シリーズ同様、ドライバーオリエンテッドなコクピットを採用するA4だが、マイナーチェンジでナビ画面やセンターコンソールのデザインが変更され、開放感が増した印象だ。後席のスペースは3シリーズには及ばないが、それでもヘッドルーム、ニールームともに、ゆったり過ごせるだけの余裕が確保されている。ラゲッジスペースは460Lと3シリーズより少し小さいが、奥行きは他の2台より10cm近く長く、大きな荷物を詰め込むには有利だろう。
一方、走りの印象は三者三様で、正直なところ甲乙つけがたい。試乗した3台のなかでは排気量が一番小さい1.5L直列4気筒ターボを積むC200だが、エンジン単体で184psを発揮するうえに、48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載するこのクルマは、モーターアシストにより、低回転でも素早く力強い加速を得ることができる。ただ、ライバルたちに比べるとエンジンの回転数が高めになり、そのぶんノイズが大きめなのが玉に瑕だ。オプションのエアボディコントロールサスペンションが装着された試乗車は、ランフラットタイヤを廃止したことも手伝って、乗り心地が穏やかで動きも落ち着いている。
エンジンパワーが156psと、3台のなかでは控えめなスペックの318iは、マイルドハイブリッドシステムも搭載しないが、それでも必要十分な低速トルクを発揮し、アクセルペダルに対する反応も悪くない。エンジン回転を上げれば4000手前あたりで盛り上がりを見せるが、直接ライバルたちと比べると分が悪いのはやむを得ない。乗り心地には多少荒さが残るが、十分に快適なレベルで、ランフラットタイヤを履きこなすのもさすがである。さらに、コーナーでの身のこなしが軽く、この機敏さこそが3シリーズの魅力であることに変わりはない。
対するA4は、パワフルなエンジンと4WDを採用する45TFSIクワトロSラインで、249psを発揮する2Lターボは、12Vマイルドハイブリッドシステムを搭載することもあって、全域で素早いレスポンスと強力なトルクを発揮する。オプションのダンピングコントロールサスペンションが装着された試乗車は、オプションの19インチホイールが装着されるにもかかわらず、乗り心地は実にマイルドで、走行時の挙動も落ち着いている。しなやかに動くサスペンションとクワトロのおかげでコーナリング時の接地感が高く、見た目どおりのスポーティな走りを楽しむことができた。
ということで、デビュー時期が早いぶん、さまざまな点で高い熟成度が感じられるCクラス、いつの時代も軽快な走りが魅力の3シリーズ、マイナーチェンジでデザインも走りも大きく進歩したA4。3台のハイレベルな戦いに終わりはない。
【Specification】MERCEDES-BENZ C200 Laureus Edition
■全長×全幅×全高=4705×1810×1430mm
■ホイールベース=2840mm
■車両重量=1580kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1496cc
■最高出力=184ps(135kW)/5800-6100rpm
■最大トルク=280Nm(28.6kg-m)/3000-4000rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション=(前)ストラット、(後)5リンク
■ブレーキ=(前)Vディスク、(後)ディスク
■タイヤサイズ=(前)225/45R18、(後)245/40R18
■車両本体価格(税込)=6,130,000円
【Specification】BMW 318i
■全長×全幅×全高=4715×1825×1440mm
■ホイールベース=2850mm
■車両重量=1540kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1998cc
■最高出力=156ps(115kW)/4500rpm
■最大トルク=250Nm(25.5kg-m)/1350-4000rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション=(前)ストラット、(後)5リンク
■ブレーキ=(前後)Vディスク
■タイヤサイズ=(前後)205/60R16
■車両本体価格(税込)=4,890,000円
【Specification】AUDI A4 45 TFSI QUATTRO S LINE
■全長×全幅×全高=4770×1845×1410mm
■ホイールベース=2825mm
■車両重量=1610kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1984cc
■最高出力=249ps(183kW)/5000-6000rpm
■最大トルク=370Nm(37.7kg-m)/1600-4500rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション=(前後)ウイッシュボーン
■ブレーキ=(前)Vディスク、(後)ディスク
■タイヤサイズ=(前後)245/40R18
■車両本体価格(税込)=6,270,000円
【PERSONAL CHOICE】バランスに優れるアウディA4
3台の中では、ハイスペックなグレードということもあるが、スポーティな走りと快適な乗り心地、優れたパッケージングが高いレベルでバランスされていたのがA4だった。日本市場での巻き返しに期待したい。
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みんなのコメント
ずっとアウディ乗ってますが、次の買い替えのタイミングで卒業予定です。