ポルシェ・タイカンで丸1日走る
今、筆者はオランダ(ネザーランド)の南部、アイスデンという小さな町にいる。目の前には国境となるマース川を挟んで、ベルギーが広がっている。
【画像】現在は3スタイル展開 ポルシェ・タイカン 兄弟モデル アウディeトロン GTも 全101枚
これから24時間で、可能な限り多くの国境をまたぐ予定。少なくとも、最初の1本目を通過するのは造作もない。計画通り順調に進めば12の国境を越え、13か国の道、約1800kmを走ることになる。
これが内燃エンジンのクルマなら、新しい挑戦とはいえないかもしれない。だが、目の前にあるのはバッテリーEV(BEV)のポルシェ・タイカンだ。2人のドライバーで、昼夜を問わず走り続ける。もちろん、適切な休憩を挟みつつ。
今回のグランドツアーの発端はシンプルなものだった。ポルシェ・タイカンで丸1日走り、最新のBEVの能力と、急速充電ネットワークの普及ぶりを確かめるというもの。残りの航続距離や充電器を探す不安と一緒に。
数年前までは、独自に展開される急速充電器網、スーパーチャージャー・ネットワークを利用できるテスラ・オーナーだけに許された旅といえた。しかし現在は、欧州全土でBEVが一般化しつつある。
最大270kWまで可能な急速充電能力
BMWとフォード、ヒョンデ、フォルクスワーゲンの各グループは、協力してアイオニティ社というジョイントベンチャーを立ち上げた。最大350kWでの急速充電を可能とする充電ステーションが、欧州各地で増え続けている。
アイオニティ社の充電ステーションは、幹線道路沿いに位置することが多い。一般的なルートを走っていれば、困ることはないようだ。地図の上では。
旅の計画では、途中に6回の充電を挟むことにした。スムーズな移動の妨げになるように聞こえるが、タイカンの急速充電能力は最大270kWまで。残量10%から80%まで、最短20分で満たせる。ドライバーの休憩にも丁度いい。
今回お借りした、83.7kWhの駆動用バッテリーを搭載する後輪駆動のポルシェ・タイカン・パフォーマンスバッテリー・プラスの航続距離は、カタログ値で505km。実際それに近い距離を走れるのか疑問だったが、英国からオランダまでの道のりで自信が持てた。
高速道路を運転していると、トリップコンピューターの距離が1km増える毎に、メーター上の航続距離が1km減っていく。かなりタイカンの計算は正確だといえる。このグランドツアーの成功は、2人のドライバー次第かもしれない。
オランダ→ベルギー→ルクセンブルク→フランス
うれしいことに、オランダ・アイスデンからベルギーの国境通過までは5分もかからない。16時丁度に出発して、ベルギーには16時3分に入国していた。
クルーズコントロールの速度を、この国に合わせた120km/hへ設定。そのまま3番目の国、南のルクセンブルクまで何事もなく到達できた。
ルクセンブルクはベルギーの10分の1程度の面積という小ささで、隣国で働いている国民も多い。朝晩のラッシュアワー時には、職場や自宅へ向かうクルマで国境を超える道は渋滞する。筆者も予想外の混雑に、20分ほど巻き込まれてしまった。
細かく予定時間を組んでいるため、この遅れは少々痛い。最初の充電ポイント、フランスのオーコンクールに到着すると、慌てるように充電ケーブルをタイカンとつないだ。
5台同時に充電できる場所だったが、空いていたのは1か所のみ。既にフランスでも、少なくないBEVが走っている。利用できた充電速度は、最大で70kWだった。
75%までの回復に要した時間は45分。想定していたより効率が悪く、より速く走れるアウトバーンと急速充電器を求めて、ドイツへ急ぐことにした。
フランス→ドイツ→スイス
タイカンが算出する航続距離は非常に正確で、巡航速度を高める自信を与えてくれる。フランスとドイツの国境、ライン川を21時1分に通過。速度制限付きの高速道路から、速度制限のないアウトバーンへ足を進める。
さも平然と、スピードメーターは238km/hを表示してみせた。タイカンのカタログに載っている最高速度より8km/h高いが、まったく問題はないようだ。
ドイツ南西部、マールベルクという町に立ち寄り充電。フランス・オーコンクールとは異なり、4基ある充電器はすべて空いていた。充電速度は250kWで、最大値ではないもののフランスより数倍速い。
駆動用バッテリーは30分後に90%まで回復。筆者もコーヒーと肉肉しい軽食でお腹を満たし、6番目の国、スイスに向けてタイカンを発進させた。
この続きは後編にて。
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みんなのコメント
EVは本当にSDGsなのか?
バッテリーの廃棄方法は?
解決されてる疑問点に何時までも執着し、EV叩きを続ける頭の逝かれた凋落国家の劣化日本人が、重箱の隅をつついて来そうですねww
ポルシェ乗りは人の痛みが分からないのか?