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21歳の新鋭たちが躍動しトヨタが表彰台独占。ペテコフ初勝利、バプティスタ兄弟はワン・ツー達成/SCB第8戦

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21歳の新鋭たちが躍動しトヨタが表彰台独占。ペテコフ初勝利、バプティスタ兄弟はワン・ツー達成/SCB第8戦

 ブラジル南部リオグランデ・ド・スル州に位置するアウトドローモ・ヴェロパークにて、9月7~8日に開催されたSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”第8戦は、ともにレーシングカート時代から切磋琢磨してきた南米流『黄金世代』とも言うべき21歳が躍動する週末に。

 ともに“New Kids on the Track”と称されたジャンルカ・ペテコフ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)が土曜スプリントでキャリア初優勝を飾ると、日曜メインレースではフェリペ・バプティスタ(クラウン・レーシング/トヨタ・カローラ)が、前戦に続く連勝で今季3勝目を飾ることに。

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 そして、こちらもキャリア自己最高の成績を収めた実兄のヴィトール・バプティスタ(スクーデリア・キアレッリ/トヨタ・カローラ)を2位に従え、文字どおり表彰台を家族で祝うとともに、3位にペテコフが続いたことでTOYOTA GAZOO Racingブラジル陣営がポディウムを独占する結果となっている。

 州都ポルト・アレグレ近郊に位置し、今年の4月末に深刻なダメージを被った豪雨被害からの復興を期すヴェロパークは、標高2278mの高地にありカレンダー上でもっとも短いコースでもある。そのため猛暑の金曜に実施された2回のフリープラクティス(FP)では上位22台の間隔が0.5秒未満、首位から最後尾の27番手までわずか0.886秒差という超接近戦のなか、まずはフェリペ・フラーガ(ブラウ・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)の最速で幕を開けた。

 そのFPを前に細菌性の疾患により木曜まで地域の病院で過ごしていたという2016年のSCBチャンピオンは、セッション開始直前まで衰弱が続いていた状況を考えれば、金曜ベストタイムの結果が週末に向け前向きな見通しになると喜んだ。

「こうやって週末をスタートできるのは素晴らしいこと。実を言うとサルモネラ菌に感染してしまい、ここでの週末はひどい始まりだった(笑)」と明かしたフラーガ。

「昨日は本当に気分が悪くなり、まる1日を病院で過ごしたが、今朝もまだかなり衰弱していた。でも、ありがたいことにチームは素晴らしい仕事をし、非常にドライブしやすいクルマを届けてくれたんだ」

■マルチクラッシュを回避した若手たちが表彰台に並ぶ
 迎えた土曜は快晴かつ猛暑の天気予報が一転。Q1終盤から降り始めた予想外の雨が勢いを増し、Q2では接触クラッシュによる赤旗も掲示される荒れ模様と化すなか、最終Q3で若手有望株のエンツォ・エリアス(クラウン・レーシング/トヨタ・カローラ)を退けた37歳のラファエル鈴木(TMGレーシング/シボレー・クルーズ)が、参戦229戦目にして2回目のポールポジションを獲得した。

 そのまま午後14時を回って開始された30分+1周のスプリントは、インバーテッドグリッドルールにより予選で12番手だったペテコフが先頭発進の権利を得る。その隣に並ぶ予定だったベテランのフリオ・カンポス(ポール・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)は、スタート前からクルマに問題が発生し出走を断念することに。

 これにより隣のフロントロウが空いたままの状態でスタートを切ったペテコフに対し、後方ではターン1進入でFP最速だったフラーガを筆頭に、予選2番手のエリアスやシリーズ5冠の“帝王”カカ・ブエノ(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)、さらに同“3冠”のリカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)やルーベンスの愛息“ドゥドゥ”ことエドゥアルド・バリチェロ(モービルエール・フルタイム/トヨタ・カローラ)らが絡むマルチクラッシュが発生。ここで早くもセーフティカー(SC)が導入される。

 リスタートから義務ピットを経て首位を維持したペテコフの背後には、シリーズ2冠のルーベンス・バリチェロ(モービルエール・フルタイム/トヨタ・カローラ)を仕留めたフェリペ・バプティスタが浮上しチェッカー。さらに背後の3番手には、こちらも21歳のゼジーニョ・ムジャティ(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)が続き、自身初のストックカー・ポディウム獲得となった。

「すべてがうまくいった! 完璧な一日で、大きな意味を持つ勝利だ!」と、21歳の3名が並んだ表彰台で初の頂点に登壇したペテコフ。

「僕自身、2020年のミドルフォーミュラ以来の勝利だし、最後の勝利から4年が経った。またこの場所に戻れて最高だし、願わくばこの流れが続きますように……」

■マッサが2位チェッカーも再車検で車両規定違反
 同じく今季6度目の表彰台を獲得し、この時点で選手権首位に返り咲いた2位バプティスタも「僕らはとても早くからカートを始めていて、その頃から一緒に競争していた」と旧知の仲である勝者を称えた。

「今日、僕らはブラジル・モータースポーツのメインカテゴリーに来て、信じられないほど素晴らしい景色を見ている。僕も8番手からスタートして良いレースができたし、今日僕らが何を達成したのか、そして明日は何ができるのか。とても楽しみだよ」

 そう語ったバプティスタは、明けた日曜に主役の座を射止めることになり、スタート以降も首位を守ったポールシッターのラファエル鈴木は、義務ピット消化後に無念のギヤボックス故障を抱えて戦列を去る。

 シリーズ“3連覇”経験者ダニエル・セラ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)も巻き添えとなったオープニングラップの波乱以降、静かな展開となったレースは、終盤に首位バプティスタの背後に今季好調を維持するフェリペ・マッサ(TMGレーシング/シボレー・クルーズ)が浮上してくる。

 しかしこのレースウイークでポイントリーダーの座から陥落したマッサは、2位チェッカー後の再車検で車両規定違反が発覚。すぐさま宣告された失格処分に対しチームは控訴する意向を表明したものの、これにより“もうひとりのバプティスタ”である26歳の兄ヴィトールが昇格し、3位にペテコフが続くリザルトとなった。

「信じられない週末で、もう言葉もないよ!」と、このラウンドで獲得可能な137ポイントのうち全体の95%に迫る130ポイントを獲得した21歳のフェリペ・バプティスタ。

「ここまでの8戦で7回目の表彰台を、こうして兄と共有する機会を得られたことは、まさに魔法のようだ。僕らの祖母は先週亡くなったけれど、きっと祖母がこのレースで僕たちを祝福し、ふたりを表彰台に連れてきてくれたんだ……」

 いよいよシリーズ後半戦に突入するSCBの第9戦は国境を越えて隣国アルゼンチンへと向かい、10月4~6日に首都ブエノスアイレスのアウトドローモ・オスカー・ファン・ガルベスにて勝負が繰り広げられる。

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