11月7日、東京・青山のホンダ青山ビルで、ホンダと鈴鹿サーキットは鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)の新体制について記者会見を行ったが、このなかで行われた質疑応答のなかで、ホンダの山本雅史モータースポーツ部長は、将来のドライバー育成について言及し、来季に向けては「フォーミュラは思い切ったラインアップにしようと思っています」と体制変更の可能性を語った。
この日の記者会見は、世界で戦える若手ドライバー育成に向け、SRSの体制を強化し、佐藤琢磨をプリンシパルに、中野信治をヴァイス・プリンシパルを据えたことが発表された。
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その体制変更について山本部長は、「育成するにあたり世界で戦えるドライバー、そして表彰台の真ん中に乗れる日本人ドライバーを育てていきたいと思っています。そういったきっかけから、SRSをアップグレードして、世界で戦ってきた人たちをプリンシパルに迎え、さらに強くしていこうと思っています」と狙いを語っている。
また、ホンダはF1では2018年からスクーデリア・トロロッソと、さらに19年からはレッドブル・レーシングへのエンジン供給が決まっているが、山本部長はレッドブルのヘルムート・マルコと連携しながら、「今後レッドブルとは良きパートナーとして、プログラムを構築して世界に羽ばたく若手を育てられれば」とSRS、さらにレッドブルと連携したドライバー育成プログラムも強化することも示唆した。
実は山本部長によれば、すでに今夏にSRS出身の若手日本人ドライバーが渡欧し、レッドブルのジュニアプログラムに参加。ヨーロッパのドライバーたちと「切磋琢磨させて」きたところ、非常に高い評価を得たドライバーもいたという。こちらは大いに期待したいところだろう。
■2019年「フォーミュラは思い切ったラインアップ」に
一方で、ホンダは今季、FIA F2に牧野任祐と福住仁嶺を送り込み、F1ドライブに必要なスーパーライセンスポイント取得に向けた活動を行っているが、来季に向けた体制について質問が飛ぶと「来年に向けてはあまり多くは語れませんが」と断った上で、今季のF2の難しさについて語った。
「彼ら(牧野、福住)はスーパーライセンスポイント取得のために頑張ってきましたが、F2は今季車両が変わって、前半戦はエンジンのパフォーマンスが安定しないような、普通のフォーミュラにはない光景を私も見てきました」と山本部長。
「今年学んだことですが、チームによって強さが明確に分かれたと思うんです。そのなかで、ドライバーが苦しいなかでもどうやってレースを組み立てるかを、多くの人たちがすべて観ているんです。リザルトも重要ですが」
その上で山本部長は、来季に向けて「国内も含めて、フォーミュラは思い切ったラインアップにしようと思っています」と大きな変更がある可能性も語っている。
「厳しい言い方かもしれませんが、世界の舞台で、表彰台の真ん中に立てる可能性を極めていきたいと考えています。ラインアップは最終決定していないのでお答えできませんが、楽しみにしていてください」
世界のトップ=F1で優勝を飾り、そしてチャンピオン争いをする日本人ドライバーの登場は、長年日本のモータースポーツファンの悲願でもある。その「可能性を極めていきたい」とする山本部長の発言は、どんな体制変更を生むのだろうか……!? 非常に楽しみなところだ。
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