KYOJO CUPに参戦中の19歳女子レーサー、佐々木藍咲選手
近年は旧車ブームも相まってか「旧車が好き」という若者が増えている。しかし、実際に若者が旧車を見たり、触れたり、乗ったりという機会は少ない。そこでAMWでは、旧車好きな19歳の女性レーシングドライバー佐々木藍咲(ささき らみ)選手に、実際に旧車に乗ってもらい、若者の新鮮な視点からインプレしてもらうことにした。今回は、日本初の市販ミッドシップマシン、トヨタ初代AW11型「MR2」だ。
19歳女子の初愛車はトヨタ「86」! 高校の卒業式から制服で引き取ったクルマは小学生の頃に憧れていた車両でした
Vintage Club by KINTOの旧車レンタカーで初代MR2を体験
富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」で2023年シーズンに4輪レースデビューした佐々木さんは、旧車イベントに参加したことをSNSに投稿するほどの根っからの旧車好きだ。近年のレーシングドライバーは「レースという競走が好きで、クルマそのものはそこまで……」という選手も多いが、佐々木さんはプライベートでもマイカーのトヨタ「86」でサーキット走行を楽しむほど。
レーシングドライバーをする傍ら、普段はフォーミュラドリフトジャパンを運営する会社である「MSC株式会社」に勤めるという、公私ともにクルマ漬けの生活を送っている。
そんな佐々木さんに今回乗ってもらうのは、1988年式の初代MR2。後期型のG-Limitedスーパーチャージャーだ。この車両は、トヨタ自動車と新明工業によって完調にレストアされた旧車をレンタカーとして貸し出している「Vintage Club by KINTO」からお借りしたもの。今回試乗したMR2以外にも、さまざまな旧車をレンタカーとして楽しむことができる。
内装の雰囲気は実家のAE86と近いかも!?
初代MR2を見た佐々木さんはまずそのコンパクトなボディサイズに驚かされた様子であった。
「第一印象は“小っちゃい!”と驚きました。2シーターというのもありますが、実際に見るとその小ささはビックリするほどですね。あとやっぱりリトラクタブルヘッドライトは今にはない雰囲気でカワイイです」
続けて内装を見ていると、ランエボ乗りの父とAE86乗りの母から英才教育(?)を受けたサラブレッドらしいコメントが飛び出てきた。
「販売されていた時代がかぶっているというのもあって、インテリアの雰囲気は母が乗っているAE86に似ている印象がありますね。とくに角ばったメーターフードやリトラクタブルヘッドライトのスイッチ類など、メーターまわりが似ていると感じるポイントです」
重ステだけどミッドシップの軽快感が楽しい!
佐々木さんはMR2とは初めましてながらも、お母様の愛車であるAE86の影響でどこか親しみを感じた様子。そんな親しみを感じた初代MR2は、実際に運転するとどのように感じられたのだろうか?
「まず、ミッドシップということで後ろからエンジンの音や振動が伝わってくるのは、普通のクルマじゃないなって印象を強く持った部分です。コーナリング中の動きやリアの感覚もミッドシップらしい独特のもので、レースで乗っているVITAに似たような雰囲気がありますね。ミッドシップらしい点でほかに言えば、加速の時の押し出し感が普通のクルマとは違った感じでした。足まわりは想像以上にしっかりとしていて驚きましたね。あと独特だなって感じたのはスーパーチャージャーです。車体が軽いのもあって、加速感が良いのはもちろんなんですが、ターボと違った伸び方でスーッとスムーズに伸びていく印象でした」
取材時は一見すると前回の「セリカ1600GT」ほど運転には苦労していない様子だったが、やはり古いクルマだからこそ手こずったポイントもあったそうだ。
「フロントが軽いので前回のセリカ1600GTほどは苦労しなかったですが、パワステがないとやっぱりステアリングは重たいと感じますね。でも運転している感じというか、ステアリングからフィードバックがダイレクトに伝わってきてイイですね! あと、シフトストロークが長いのと、ペダルに少し遊びがあるのは慣れない序盤は少し戸惑いました」
* * *
ミッドシップマシンの独特なドライブフィールを楽しんでいた佐々木さん。時代は近くとも、お母様のAE86とはまた違ったキャラクターであることを実感していた様子であった。
佐々木さんの旧車試乗は今後も計画中。次回はどんな旧車をドライブするのか? お楽しみに。
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