STIテイストを堪能できる特別なグレード
2016年に初代レヴォーグで登場したのを皮切りにカタログモデルとなった最上級グレード「STI Sport」。現在、2020年に登場した新型レヴォーグのほかインプレッサとWRX S4にも設定されているが、通常グレードとは何が違うのかご存知だろうか? 今回はこの「STI Sport」について紹介していきたい。
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スポーツ性と上質感を高次元で両立
冒頭でもお伝えしたが2016年に初代レヴォーグの最上級グレードとして発表され、その後BRZやWRX S4にも設定された「STI Sport」。 STIとは「スバルテクニカインターナショナル」の略で、チューニングパーツやスバル車をベースとしたコンプリートカーの開発を行なうワークスチューニングメーカーである。
紹介するSTI SportにもSTIのエッセンスがふんだんに盛り込まれているが、STI自身が放つコンプリートカーや限定車との違いは何か。前述のとおり、今まではスバルのクルマをベースにSTIが手を加えるというのが流れだったが、このSTI SportはスバルとSTIが開発の段階から共同で行なっており、通常モデルと同様にライン生産されている点だ。
STIの名が付くとハイパフォーマンスなクルマをイメージしがちだが、STI Sportはスポーツ性の中に上質感を兼ね備えた、メーカーグレードとして最上級のポジションに相応しい内容に仕上がっている。
具体的な違いはエンジンはノーマルと変わらないものの、専用チューニングが施されたダンパーやパーツ類を装着し、内装はSTI Sport専用のボルドーカラーとなる。
走りに特化した限定車やコンプリートカーと違い、乗り心地や上質さなど、すべてにおいてバランス良く造られている
レヴォーグSTI Sport(VM型)
それではSTI Sportについて1台ずつ紹介しよう。まずは初代レヴォーグから。
専用グリルやバンパー、18インチのタイヤ&ホイールと専用チューニングを施したビルシュタインの「ダンプマティックII」をフロントサスペンションに採用。
この「ダンプマチックII」だが、STIのコンプリートカー「S207」にも採用された定評のあるダンパーだ。
またステアリングギヤボックスの取り付け剛性を高めるため、「クランプスティフナー」を装備する。
スバルBRZ STI Sport
BRZでは専用バンパーやフェンダーガーニッシュにブラックパーツが採用されているのがトピック。 足まわりにはフレキシブルVバーやフレキシブルドロースティフナーフロントのほか、18インチのアルミホイールとハイパフォーマンスタイヤを装備する。
またSTIが専用チューニングを施したSACHSダンパーとコイルスプリングを採用し、操舵応答性を向上させるとともにロールを抑え、しなやかで安定性の高い走りを実現した。
早ければ今年(2021年)の秋頃から北米市場で販売されるという次期型BRZだが、日本仕様の発売、そしてSTI Sportの設定にも期待したい。
WRX S4 STI Sport
WRX S4 STI Sportではレヴォーグ同様ビルシュタイン製ダンプマチックIIの採用に加え、クランプスティフナーを装備。
段差や荒れた路面を走行する際のショックや車体の上下動を抑えたしなやかな乗り心地と、ドライバーの思いどおりにクルマが反応してくれる俊敏なハンドリング、高い操縦安定性を併せて実現している。
エクステリアには「WRX S4 STI Sport」用のフロントグリルや、ブラック塗装で統一したサイドガーニッシュ、トランクリップスポイラー、シャークフィンアンテナ、ドアミラーカバーに加え、ダークグレーメタリック塗装の18インチアルミホイールを装着し、フロントグリルとサイドガーニッシュ、リヤにSTIエンブレムを配置した。
インプレッサSTI Sport
インプレッサSTI Sportでは、足まわりにSTIチューニングSHOWA製「メカ式減衰力可変ダンパー」を採用。レヴォーグやS4などに採用されるダンプマチックIIも減衰力がリニアに可変するという点では考え方は同じだ。
そしてシリーズ初となるFF車が設定されたのも目玉と言える。前輪だけに駆動力が加わる走行特性を活かし、より軽快な走りを実現している。
エクステリアは、各部にブラックカラーのパーツを採用。さらに専用ボディカラーとして、セラミックホワイトとWRブルー・パールを設定。インテリアはレッドステッチでコーディネートすることでスポーツ感を表現している。
レヴォーグSTI Sport(VN型)
SGP(スバルグローバルプラットフォーム)やアイサイトが大きく進化した新型レヴォーグ。
STI Sport専用機能としてパワーユニットだけでなく、AWDシステムや電子制御ダンパー、パワーステアリング、アイサイトの追従加速度、エアコンに至るまで、さまざまなデバイスを緻密に制御することで、クルマのキャラクターを大きく変化させることを可能とした。
あらかじめ設定された4つのモードに加えて、各デバイスの設定を自由にカスタマイズできるインディビディアルモードも搭載。ちなみに電子制御ダンパーはSTI Sport専用装備だ。エクステリアではホイールやSTI Sport専用バンパーが装着されている。
設定車種の拡充に期待
このようにSTIの走りのエッセンスがふんだんに盛り込まれながらもカタログモデルなので、販売台数が限定されず誰もがSTIチューンの乗り味を愉しめるというのは、ファンには嬉しいのではないだろうか。今後ほかのモデルにも展開されていくことを期待したい。
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