ついにパリ・モーターショーで次期型7代目の登場が宣言された3シリーズ。もちろんセダンから登場し、遅れてワゴンというのが常道だから、現時点ではツーリングはまだ現行型のワゴンである。そのワゴンのディーゼルモデルに試乗した。
自動車メディアにいると年間に100~200台を取材するのはザラである。だから、そんな経験豊富な人間たちが選ぶクルマというのは、吟味に吟味を重ねた結果に他ならない。最終的には極端な好みが反映されたり、普段の自分の取材領域では乗れないものだったり、はたまた経済的な理由からそのクルマを選んでいたりするのだが、可能なら仕事にも実利があって、かつ自分も満足出来るモノに乗りたい。
そういう点で自動車メディア関係者が多く乗るのがBMW320dツーリングである。積載容量からワゴンを選ぶカメラマンは多いが、年間に走る距離も半端ではない彼らにとって、燃費や高速走行時の安定性も重要な要素なのである。もちろんカメラマンだけが320dツーリングを選んでいるわけではなく、自動車メディア界隈での320dツーリング遭遇率は結構高い。
ジープ・ラングラー11年ぶりのフルモデルチェンジ! 1000名を発表会に招待
そこで、次期型の3シリーズ登場間近ということは、程なくしてワゴンたるツーリングも登場しようかというこのタイミングだが、今ならディーラーで有利に購入できるかもしれないという、期待も込めてあらためて320dツーリングに試乗してみた。
あらためて驚かされたのがその圧倒的な燃費性能である。2.0ℓ直4ディーゼルターボは、渋滞の都市部をウロウロしていたら、もちろん10km/ℓ程度のありきたりな燃費になるが、ちょっと流れている高速にでも乗ろうモノなら20km/ℓは堅い。
しかも運転が楽しい。17インチランフラットタイヤは、やや硬さが残るものの、街乗りではすばやく正確なシフトスケジュールも相まって快適だ。最大トルク400Nmというトルキーな性能はいかにもディーゼルエンジンだが、レスポンスも良く、BMWのガソリンエンジンにも通じるスムーズさをもって、よく回るのである。もちろん、信号でアイドルストップしなければ多少ゴロゴロとディーゼルらしい音は聞こえるが。
試しに8速ATをマニュアルモードにして、レブリミッターにあたるところまで試したところ、5000rpmまで回って自動的にシフトアップした。レッドゾーンは5700rpmだが、他ブランドのディーゼルモデルはほとんど4000rpm台でシフトすることを考えれば、さすが社名にエンジンメーカーを名乗るだけのことはある。
唯一の弱点は……
ワゴンボディだが、セダン同様に後方視界は良好だ。しかも最小回転半径は5.4m(4WDグレードでも5.6m)で小回りがよく利く。街中から高速まで全方位で死角のない3シリーズの売れ筋グレードだと感じた。さすが業界プリウス(=もっとも見かけるクルマ)と呼ばれるだけの事はある。
ただし試乗車に装着されていたレザーステアリングはいただけない。握りの細い形状はいいのだが、手触りがウレタンをイメージさせた。仮にも624万円だ。これだけで少し萎える気持ちがあったのは事実だ。
それとテールゲートを開けたときに自動でロールシェードが上にスライドするのは5シリーズからだったのも、え? と思った。3シリーズにそれを求めるなら5シリーズを買えと言われそうだが、ともあれ、そこまで求めてしまいかねない完璧なクルマであった。
BMW 320d Touring Luxury
■ボディサイズ:全長4645×全幅1800×全高1460mm ホイールベース:2810mm ■車両重量:1650kg ■エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ 圧縮比:16.5 総排気量:1995cc 最高出力:140kW(190ps)/4000rpm 最大トルク:400Nm(40.8kgm)/1750-2500rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:RWD ■サスペンション形式:FダブルウイッシュボーンR5リンク ■タイヤサイズ:F&R225/50R17 ■環境性能(JC08モード) 燃料消費率:21.4km/ℓ ■車両本体価格:624万円
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
国民ブチギレ!? なぜ「13年」で”自動車税”高くなるのか 軽自動車は20%加算も!? 「やってらんない税」「税金安くしろよ」の声上がる 理不尽な重課措置の仕組みとは
「左足ブレーキ」は「アリ」?「ナシ」!? なぜ教習所では「右足ブレーキ」推奨? 割れる「見解」どちらが”正しい”のか
「修学旅行が忙しいので高速バス運休」という苦渋の決断 難しくなる“需要爆発”への対応 人手不足でどう乗り切る
[インプレッサWRX]を買うなら今!!! 2000年以降スポーツカーの生産が減った意外なワケ
フロントガラスの「黒いツブツブ」は何のため?「薄い色」が帯状に付いている場合も! 気になる「謎の模様」に秘められた意味とは
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?