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3代目より格段スポーティ! 新型 BMW X3 20 Mスポーツへ試乗 iXに近いデザイン 硬い乗り心地

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3代目より格段スポーティ! 新型 BMW X3 20 Mスポーツへ試乗 iXに近いデザイン 硬い乗り心地

iXに近いデザインを得たX3 エンジンは継投

プレミアム・ブランドだからこそ、主力モデルが好調だからといって、あぐらをかいてはいられない。3年前、BMWは次世代といえるエクステリアとインテリアのデザインを採用した、印象的なiXを投入したが、その変化はX3にも及ぶことになった。

【画像】iXに近いデザイン 新型 BMW X3 20 Mスポーツ 競合クラスの上級SUVたち 全170枚

果たして、4代目となるG45型の印象は、従来とは大きく異なる。先代は、実用性を重視したミドルサイズの上級ファミリーSUVとして、中道といえる内容だった。BMWらしくスポーティではあったが、ブランドに定着し、成熟された雰囲気を持っていた。

新しいX3は、見た目からイメージを一新。全長は約50mm伸び、全幅は約30mm広がり、全高は約15mm低くなった。フラットな面構成とシャープなラインが、近未来感を醸し出す。

シャシーは軽量化されつつ、剛性を向上。リアのトレッドも拡幅し、スポーティさが強く追求されている。

エンジンは、基本的に従来からのキャリーオーバー。今のところ最もパワフルなのは、直列6気筒のM50。プラグイン・ハイブリッドの30eもラインナップされる。2.0Lマイルド・ハイブリッドの、ガソリンとディーゼルも選べる。すべて四輪駆動だ。

Mスポーツ仕様を選べることも、従来どおり。車高の落ちるスポーツ・サスペンションに、19インチ・ホイール、クイックなバリアブル・スポーツステアリングを得るが、アダプティブダンパーはオプション。この辺りの技術には、目立った変化はない。

ワイドなモニターパネル 内装の質感はややダウン

インテリアは、3代目から刷新された。シートポジションは、SUVとしては高くはなく、調整域が広いことは従来どおり。しかし、ダッシュボード上には最新のワイドなモニターパネルが載っている。

インフォテインメント・システムは、バージョン9.0。センターコンソールには、ロータリーコントローラーが残されている。ショートカットメニューや、クイックセレクトと呼ばれる新機能のおかげで、一度慣れれば使い勝手は良い。

新しい特徴が、ダッシュボードからドアパネル側まで繋がった、インタラクションバー。ドアハンドルやエアコンの送風口を取り囲むように、アンビエントライトが仕込まれ、お好みでカラーを選べる。ハザードランプを灯すと、赤く点滅もする。

ダッシュボード自体はクロスで覆われ、思わず触れたくなる見た目。センターコンソールの下部には、小物入れとスマートフォンのワイヤレス充電パッドがある。ここも、アンビエントライトで照らされる。デジタル感には事欠かない。

ただし内装の素材自体を観察すると、肌触りやソリッド感などで、3代目に及ばない部分も。4代目が得た特徴をどの程度気に入るかによって、車内の印象は変わると思う。筆者は、もう少しヒカリモノ以外の部分にコストを投じて欲しいと感じた。

リアシートの空間は、3代目とほぼ同じ。平均的な大人なら、不満は感じないだろう。荷室容量は20Lプラスの570L。売りの1つになるといえる。

エンジンの洗練度は大幅上昇 乗り心地は硬い

発進させてみると、徹底的な改良で、パワートレインの洗練度は大幅に上昇したことが伝わってくる。今回試乗したのは、X3 20 xドライブ Mスポーツだったが、先代より明確にスムーズ。運転体験の素晴らしさに、感銘を受けたほどだ。

スターター・ジェネレーター(ISG)が載るマイルド・ハイブリッドだから、市街地では頻繁に2.0L 4気筒エンジンは停止・始動を繰り返す。そのマナーも、至って滑らか。

高負荷時のフィーリングも秀逸で、必要なトルクを得やすい。ちなみに、従来から24psと3.0kg-m強化され、207psと33.5kg-mを発揮する。

新しいX3では1番ベーシックなエンジンでも、不満ないほどパワフル。BMWのSUVに、ピッタリだと感じられた。今回の平均燃費は12.4km/Lで、驚くほどの経済性というわけではないが。

一方、Mスポーツの乗り心地は明確に硬い。試乗車は20インチのアルミホイールに、オプションのアダプティブダンパーが組まれていたが、凹凸の目立つ区間では、細かな揺れが続き落ち着かない印象。最もソフトな状態にしても、快適とは表現しにくかった。

それと引き換えに、ファミリーSUVとしてはグリップ力が高く、姿勢制御はタイト。正確なステアリングと相まって、スポーティに操れる。とはいえBMWだとしても、このカテゴリーでどこまで共感を得られるシャシー設定なのか、疑問が残ることは否めない。

新たな強みを与えようとしたBMWの努力

スタイリングやインテリアが刷新された、4代目X3。同様に、乗り心地と操縦性にも大胆な変化が加えられた。実績のある人気モデルへ、新たな強みを与えようとしたBMWの努力は感じ取れる。

果たして、明確なスポーツ指向という方針は正しかったのか。今後の販売状況が気になるところだ。

◯:3代目と同等の実用性 このクラス屈指のダイナミックな操縦性 特徴的なデザイン
△:インフォテインメント・システムが運転の気を散らしがち 車重とボディサイズを感じる身のこなし 路面次第では安定しない乗り心地

BMW X3 20 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)のスペック

英国価格:5万175ポンド(約978万円)
全長:4755mm
全幅:1920mm
全高:1660mm
最高速度:215km/h
0-100km/h加速:7.8秒
燃費:14.3km/L
CO2排出量:158g/km
車両重量:1930kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc ターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:207ps/4400-6500rpm
最大トルク:33.5kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

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