CEATECと共催となった「ジャパンモビリティショー ビズウィーク2024(JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2024)」(幕張メッセ)は、日本自動車工業会(自工会)としては異例ともいえるオープンな事業者向けイベントだ。このイベントにかける業界としての意気込みや狙いについて会場で取材した。
2025年のJAPAN MOBILITY SHOWは10月30日から
10月15日、JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2024(BIZWEEK)が開幕した。その中の「未来モビリティ会議」において青山真二 自工会モビリティショー委員長(本田技研工業 取締役代表執行役副社長)が、2025年のジャパンモビリティショーは、東京ビッグサイトで10月30日から11月9日まで開催することを発表した。
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またジャパンモビリティショー2025のコンセプトを「ワクワクする未来を、探しにいこう?」とし、「#FUTURE」「#CULTURE」「#CREATION」という3つのテーマキーワードも発表された。
ジャパンモビリティショー2025は、「東京モーターショー」からジャパンモビリティショーに名称とコンセプトを変革させたものを踏襲・発展させたものとなる。これに対してビズウィークの位置づけはどのようにとらえればいいのだろうか。
ビズウィークの狙いは異業種交流とビジネスマッチング
サプライヤーやサードパーティが多く加盟する日本自動車部品工業会(部工会)は、事業者向けのイベントを主催したり産業展への協賛をすることは珍しくないが、OEMを中心とする自工会は、おもに消費者向けのイベントをメインとすることが多い。CEATECは、IT業界の最新技術やソリューションの展示を行う典型的なB2Bイベントだ。自工会が隔年開催のジャパンモビリティショーの間の年に、「ビズウィーク」としてモビリティショーの銘を冠したイベントを開催したのには理由がある。
イベント初日の「未来モビリティ会議」において自動車工業会会長 片山正則氏が次のように語っている。
「“豊かで夢のあるモビリティ社会を創りたい”という想いのもと、自動車産業という枠を超え、これまでの単なる移動にとどまらず、社会に貢献する資産として活かされ、新たな機会と価値を創出する“モビリティ産業”へと進化させたいと考えております。JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2024 が、次世代を担うスタートアップの皆さまや、これまで接点がなかった様々な産業の皆さまとともに、未来に向けた事業共創の重要性と、その可能性について共有する場となり、新たな発想が生み出されるきっかけになることを願っております」
片山会長が述べているように、業界として100年に一度と言われる変革期に、旧来の自動車産業という枠組み囚われていてはいけないという決意がある。自動運転やSDVといった技術は、これまで以上にソフトウェア産業との接点が重要になる。とくにモビリティサービスを手掛ける「スタートアップ」との協業を強く意識していることの現れといえる。
自工会 次世代モビリティ領域長「定着させるべく継続したい」
これまでに接点のなかった産業、スタートアップらとの事業とはどいうことか。モビリティショーとビズウィークの違いは何か。会場で自工会 次世代モビリティ領域 領域長 田中正実氏に話を聞くことができた。それによると、「ビズウィークの目的はOEMやサプライヤーと、スタートアップのマッチング」にあるという。狙いはずばり「自動車業界の持つ人材や経験とスタートアップのみなさんが持つ柔軟性と多様性を結びつけること」だ。
マッチングは自工会のサイトに、売り込みたい企業、スタートアップが自社の技術やサービスを登録する。自工会・部工会らのメンバーもどんな技術がほしいかを登録することで、マッチングや商談の機会を生み出す。
これまで、中小企業やスタートアップが既存のサプライチェーンに参入しようとしても取引条件や実績、ケイレツのような慣習(近年はだいぶ薄れてはいるが)があり、決してハードルが低いとは言えなかった。しかし、自工会側があえて間口を広げる姿勢を見せるだけでなく、マッチングサイトやビズウィークのようなイベントを開催した。
2023年のジャパンモビリティショーでも、スタートアップとのコラボレーションやマッチングについての取り組みを行っていたが、次回JMSの間の年に、B向けの商談や交流をメインにしたイベントとしてビズウィークを企画したという。取材したのはビズウィーク初日だが、すでにマッチングサイトへの登録は1500件を超え、会場では実際の商談も行われているそうだ。自工会では、ビズウィークの取り組みは定着させるべく継続したいとする。
このような意識は数年前から業界内でも強くなり、東京モーターショーからジャパンモビリティショーへと変革を検討したときから、マッチングや異業種交流のしくみを考えていたという。自工会としても、業界に新しい血への期待、変革への強い意志が感じられる。
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