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トヨタ内山田会長のスピーチ:あいち低炭素水素サプライチェーン発表会

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トヨタ内山田会長のスピーチ:あいち低炭素水素サプライチェーン発表会

こんにちは、トヨタ自動車の内山田です。本日はトヨタ自動車元町工場にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
「あいち低炭素水素サプライチェーン」参加企業を代表いたしまして、ご挨拶申し上げます。

昨今、持続可能な社会のためのエネルギーとして、またエネルギー媒体の両面で、水素に大きな期待がかかっております。

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我々は、「水素社会実現の必然性があるのかないのか」、「水素社会実現により、世の中はもっと良くなるのか」という多くの議論を積み重ねて参りました。

そして、「水素社会は必要だ」という結論に至りました。

まず、その4つの大きな理由を説明したいと思います。

一つ目、水素は使用中、CO2が発生しません。
二つ目、自然エネルギーによる水素製造・地域での活用など「地産地消型」に適したエネルギーです。
三つ目、水素は多様な一次エネルギーから作り出すことができ、エネルギーセキュリティの面で優れております。

現在、水素は天然ガス等の化石燃料から製造されたり、製鉄所や苛性ソーダ製造からの副生水素が供給源です。
また、下水汚泥や褐炭のような現在利用価値のない資源からも製造できます。
さらに、太陽光等の自然エネルギー由来の電気により水を電気分解し、水素を製造することもでき、この方法なら、製造過程でもCO2は発生しません。

四つ目、電気グリッドに水素グリッドを融合した社会を構築することで、さらなる低炭素社会構築が可能となります。
現在、各地で再生可能エネルギーの導入が行われておりますが、再生可能エネルギーは出力が変動してしまいます。
この部分を水素に変換することでエネルギーの貯蔵が可能となり、発生するエネルギーを余すことなく活用することが可能となります。

この様に有用な水素ですが、水素社会実現には長い時間と大きな投資が必要です。そのためには、様々なインセンティブに加えて、自動車のみならず、幅広い領域でのエネルギー変換に向けた国・自治体の長期ビジョンや政府枠組みを産学行政で推進するパートナーシップがとても重要です。

本日「あいち低炭素水素サプライチェーン2030年ビジョン・ロードマップ」の策定に至った愛知県のリーダーシップは水素社会実現に向けて、非常に先進的な取り組みであり、大変有意義であります。

ビジョン・ロードマップの策定においては、東京工業大学岡崎健(おかざきけん)特命教授、愛知工業大学鈴置保雄(すずおきやすお)教授に多大なるご指導を頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。



「あいち低炭素水素サプライチェーン推進会議」の重要な役割は、ものづくり県、愛知県から多くの仲間を巻き込み、水素への理解とビジネスチャンスを見いだせるように呼びかけて活動の輪を広げていくことです。

その第1号プロジェクトである「知多市・豊田市 再エネ利用低炭素水素プロジェクト」は、知多市、豊田市、中部電力、東邦ガス、豊田自動織機、トヨタ自動車という多様な主体が協働、協力、相互理解により仲間となって、本日認定を受け、地産地消の水素エネルギー利用を開始いたします。

このプロジェクトは既存インフラを活用することで、コスト・採算性を大幅に改善していますが、従来からある電気、ガスと同等以上のコスト競争力になってこそ真の水素社会実現です。

そのためにも、これからは愛知県内の企業だけでなく日本全国の企業の参画も期待したいと思いますし、業種の観点でも、金融、農業、食品、バイオ分野など、従来は水素に関わりのなかった企業の参画も期待したいと思います。

低炭素化は単に環境問題への対策だけでなく、新しいビジネスを創生する意味もあります。産業を越えて、すべてのステークホルダーが協力し、知恵を絞り、水素社会実現に向けた検討を進めるべきです。

水素社会実現に向けては、長く時間がかかることは承知しておりますが、千里の道も一歩から、という言葉もあります通り、本日の「あいち低炭素水素サプライチェーン」の立ち上げは、その一歩であります。多くの仲間の皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。

最後にトヨタとしての想いに触れさせていただきます。

トヨタ環境チャレンジ2050でも宣言している通り、トヨタはゼロCO2のクルマの開発と投入に全力で取り組んでいます。

これと並んで、工場でもCO2ゼロを目指します。その一歩目として、走行中にCO2を排出しないFCVは、製造段階でもCO2ゼロを目指して、2020年にはFCV生産工程のCO2ゼロをこの元町工場で実現します。

本日ここに集まった自治体、企業がリーダーズとなって水素社会実現に向けて、邁進してまいります。

以上で企業代表の挨拶とさせていただきます。ご清聴どうもありがとうございました。

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