ヤマハではこれまでに、「YPJ」シリーズとしてロードバイクタイプの「YPJ-R」やクロスバイクタイプの「YPJ-C」など、さまざまなタイプのスポーツe-BIKE(電動アシスト自転車)をリリースしてきましたが、マウンテンバイク(MTB)タイプの「YPJ-MT Pro」は、『Fun and Exciting unusual experience~楽しくて刺激的な非日常体験~』をコンセプトにした「YPJ」シリーズのフラッグシップモデルです。普段使いで街中を走行するというよりも、荒れた路面や野山を駆け巡るe-MTBとして、アクティビティを楽しむために生み出された車種になっています。
「YPJ-MT Pro」は、ヤマハのe-BIKE取扱店のなかでも「YPJ Pro Shop」に認定された店舗でしか取り扱いがないため、自転車屋と言えどもなかなか触れる機会がないのですが、今回はヤマハが世界で初めてe-BIKEを商品化してから30周年を記念して、特別限定カラーと記念エンブレム装備の「YPJ-MT Pro 30th ANNIVERSARY」の発表会の場で、「YPJ-MT Pro」(2023年モデル)に試乗する機会を得ました。
【画像】これは面白い!! ヤマハの最新スポーツe-BIKE「YPJ-MT Pro」詳細(10枚)
まず最初に目を引くのが特徴的なシルエット。2本のトップチューブと2本のダウンチューブで構成されたメインフレーム「YAMAHA Dual Twin Frame」が、これから非日常に連れて行ってくれるというワクワク感を増幅させます。
そして気になったのは、2023年モデルから新しくなったe-BIKEの心臓部とも言えるモーター部分です。新ドライブユニットの「PW-X3」を搭載し、重量は2.75kgと、従来型の「PW-X2」に比べて約10%の軽量化と約20%のコンパクト化を果たしながら、さらなる高トルク化を実現しています。
ちなみに、ヤマハのe-BIKEで定番の「PAS」シリーズ(ママチャリタイプ)で使われているドライブユニットの重量は約4kgほどです。e-BIKEはどうしてもモーター部分とバッテリーが重くなるものですが、一般モデルにも軽いモーターの技術が活かされることを期待したいところです。
試乗会場となったのは、東京都稲城市にある、都内唯一のMTBパーク「スマイルバイクパーク」です。素人目線では絶対に自転車で走ろうとは思わない山の中のコースが用意されていて、「崖じゃない?」と思ってしまうほどの急な上りや下りの坂もあり、思わず息をのんでしまうほど「ガチ」のオフロードです。
ところが、実際に走り出してみると最初の不安はどこ吹く風で、最新の「YPJ-MT Pro」の圧倒的な性能に度肝を抜かれました。
前後に搭載されたサスペンションが驚くほど衝撃を吸収してくれるので、悪路のガタガタを感じず滑らかに進むことができます。フルサスペンション初体験の身としては、来るはずの段差の衝撃に身構えてしまい、余計な力が入って性能を存分に引き出せなかったような気もします。
そして前評判通り、上り坂でのアシスト力は抜群です。流石にギアの選択は必要になりますが、上手にアシストを引き出せば、無理と思っていた激坂も上ることができました。逆に坂を意識しすぎて少しでも上りやすいようにとハンドルを押さえる手から力を抜くと、思わずウイリーしてしまうほどです。街中とオフロードの走り方の違いをあらためて認識しました。
急な下り坂でも、前後に装備された油圧式ディスクブレーキが強力で安定した制動力を発揮してくれるので、安心して下ることができます。
はじめてのオフロードコースに大汗をかきながらの試乗でしたが、「YPJ-MT Pro」の性能に助けられて、とにかく「楽しい!」を味わうことができました。初心者が非電動のMTBで挑戦していたら、きっとこの面白さは感じられなかったでしょう。「YPJ-MT Pro」なら坂を上る苦労がかなり軽減されるので、ダウンヒルの練習などにも使えて、オフロードという新たな扉を開く良いキッカケになるかもしれません。
普段、市街地で乗っているe-BIKEは、そもそものコンセプトとして「ラクするため」に開発されましたが、「YPJ-MT Pro」は自転車での走行を「楽しむため」という思想です。e-BIKEは日常用途だけではない、さまざまなシーンで広がっていくこれからの楽しみ方を感じられたような気がします。
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みんなのコメント
変速機要らないだろ!
電動自転車(アシスト・モビリティー含む)
60~80km走行してるし!
自動二輪扱いに切替ろ!