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スパ24時間:KCMGの35号車GT-Rは序盤の接触が響くも、千代&次生は今後へ向け収穫を得る

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スパ24時間:KCMGの35号車GT-Rは序盤の接触が響くも、千代&次生は今後へ向け収穫を得る

 インターコンチネンタルGTチャレンジ(IGTC)/ブランパンGTワールドチャレンジ・ヨーロッパの一戦として開催されたトタル・スパ24時間は7月28日、現地時間16時30分にチェッカーを迎えた。KCMGの35号車ニッサンGT-RニスモGT3をドライブした千代勝正/松田次生/ジョシュ・バードン組だが、序盤の接触による遅れが響き39位でレースを終えた。

 今季IGTC、そしてニュルブルクリンク24時間に2台ずつのニッサンGT-RニスモGT3を投じているKCMNGは、今回35号車を4回目の挑戦となる千代、初挑戦の次生、そしてバードンという3人にステアリングを託した。

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 7月25日の予選では、3人が平均して好タイムをマークし、暫定15番手を獲得。ただ26日のスーパーポールでは、ほんのわずかな時間のズレでペナルティを課されてしまい、20番手からスタートを切ることになった。ただヨーロッパの強豪勢に混じってのスタート位置とあり、今季のニッサンGT-RニスモGT3の速さならば……と期待をもたせるグリッドとなった。

 しかし、その期待は序盤30分ほどで崩れてしまう。千代がスタートドライバーを務め、ウエットのなか奮戦をみせていたものの、コース上に出ていたオイルにブレーキング時乗ってしまい、わずかにエスケープに逃れた。しかし、そこに後続車も同様に飛び出してきたため、GT-Rのサイドに接触。両サイドに設けられているマフラーを破損してしまい、パワーが上がらなくなってしまった。

 このため、チームは急遽千代を呼び戻し修復を試みたが、これに7周ほどを要してしまうことに。現在のインターコンチネンタルGTチャレンジ/ブランパンGTワールドチャレンジ・ヨーロッパの競争の激しさからすれば、致命的な遅れとなってしまった。

 最終的には、その後アンセーフリリースや、次生のトラックリミット違反でペナルティを受けたりとトップとは差が開いてしまったが、「ペースとしてはドライもウエットも、トップと同じリードラップについていける速さはありました。アクシデントが残念ですね」と千代はレース後語った。

「やはり強いチームや常連が上に来るレースですよね。今回は天気が目まぐるしく変わりましたし、毎スティントぜんぜん状況が違いました。僕が乗っていた赤旗中断の前は、本当にひどかったです。ストレートでは全然前が見えないし、でも全開で踏んでいないとうしろから突っ込まれてしまう。あれは危険でしたね」

■千代、次生のそれぞれの収穫
 とはいえ、千代は「チームも良い仕事をしてくれましたし、次の鈴鹿10時間に向けてすごく得るものが多いレースでした。鈴鹿に向けてはポジティブですし、IGTCに出ている人たちもみんな来るので、ホームレースで表彰台を獲って一矢報いたいです」とこのスパをバネに、鈴鹿10時間に挑みたいと語ってくれた。

 一方、今回初挑戦となった次生は、レースを通じて何度か危ないときがあったというが、「いろいろありましたね。とりあえず予選でオー・ルージュを全開でいけたのは良かったんですが、決勝でこんなに“スパ・ウェザー”を体験するとは思いませんでした(笑)」という。

 次生のスティントでは、路面が乾きはじめたり、雨が降り出したりするなかでスリックで走ったりと、チャレンジングな走りをこなす。それでもしっかり留まったのはさすがGT500チャンピオンというところか。

「最終的にはウエットに換えて、そこでも良い走りができたと思います。朝のスティントは赤旗で乗らず、最後に2時間走りましたが、ガチガチの戦いでしたね」とヨーロッパのドライバーたちと混戦を展開した。

 次生が驚いたのは、青旗やトラックリミットの解釈の違い。日本では青旗が出たらすぐどかなければならないが、こちらでは「抜く方がリスクを負うような感じ」。また、トラックリミットも、まわりがコースを大きくはみ出しながら走るのを見て、「これ外に出ていいのかな」と思いながら同様にしていたら、夜間はペナルティをとられないものの、朝になったら急にペナルティをとられたり……等々(千代によれば、こちらでは「夜のトラックペナルティは寝ている(笑)」と例えられるそう)。

「そういう感じが外国ですよね。日本に来て、スーパーGTでトラックリミットのペナルティをとられる外国人は、こういうレースに慣れている人でしょう(笑)。文化の違いで戦い方が違うと思いました」

 そして次生は、今回得た教訓を活かし、またスパへ来たいという。「また出場できるならしたいですね。ドライで走りたいです。でも、クルマもドライバーも、チームもまだ負けている。もしまた来られるなら、しっかりと準備をして、長く参戦しないといけないですよね。こちらで走りまくっている連中に勝つには、並大抵の努力ではすまないと思います」と次生。

 そして「表彰式を見ていましたが、ここで日本人ドライバーが、日本車で表彰台に立つ日が来るのかな……と思ってしまいますが、それを実現するのが夢です。ニュルブルクリンクもここも、世界のクルマと、世界のドライバーとイコールで戦えるのが魅力です。強くなって帰れると思います」と挑戦の意義と収穫を語ってくれた。

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