コンパクトなA1、そしてSUVのQ3&Q3スポーツバックと魅力的なモデルが続々と日本へ導入されているアウディにまたひとつ注目モデルが加わった。A4&A4アバントである。ラインナップは他にもオールロード、S4が用意されるが、今回はセダンの45に試乗した。(Motor Magazine2021年1月号より)
コースティング(惰性走行)も可能だ
2016年にモジュラープラットフォーム「MLBエボ」を採用しデビューしたアウディのベストセラーモデルA4シリーズ(A4/A4アバント/S4/S4アバント/A4オールロード)は、モデルサイクルが中盤にさしかかったということもあり、フルモデルチェンジに匹敵するような大幅な改良が施された。最初に主な改良ポイントを確認したい。
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まず挙げたいのが12Vマイルドハイブリッド(MHEV)の採用(S4除く)である。これは従来のエンジンにハイブリッド機能を組み合わせたもので、ベルト駆動式オルタネータースターター(BAS)と新たに追加された容量10Ahのリチウムイオンバッテリーがブレーキング時の減速エネルギーを最大5kWまで効率良く回生し、走行中に必要な動力を蓄電された電力が補うというものだ。
また約55km/h~160km/hの間でコースティング(惰性走行)中はエンジンを止めて走行することも可能となり、燃料消費とCO2排出量削減に貢献している。さらにスタート/ストップ機能は25km/h以下で利用することができるのも特徴である。
ラインナップは、ベースグレードに加え、アドバンスド、Sラインとなり、35モデルはエンジン排気量を従来の1.4直4ターボから2L直4ターボへアップ、最大トルクは250Nmから270Nmへ20Nm向上した。また45モデルは、最高出力249ps、最大トルク370Nmを発生する。そして組み合わされるトランスミッションはどちらも7速DCT(Sトロニック)である。ちなみにA4オールロードクワトロもと同じエンジンを搭載、出力/トルクともに同スペックとなっている。
これではもの足りない、という人にはS4をお勧めする。こちらは最高出力345ps、最大トルク500Nmを発生する3L V6ターボエンジンを搭載し、それに8速ATを組み合わせている。さらに45とS4は、最先端のクワトロシステムを採用している。これはAWDクラッチを採用し、前後アクスルへ最適なトルク配分を行う。
オンロードの高速走行時など4WDが必要ないと判断した場合は、プロペラシャフトを切り離しFWD走行し燃費向上を図るというもの。またオフロードや急な坂道、スリップしやすい路面状況では4WDに自動で駆動モードを切り替える。これらの制御は予測された上でドライバーに意識させることなく行われている。
今回は見えるところ以上に見えないところが大幅に進化
エクステリアデザインもドアパネルに至るまで刷新され、全車にブリスターフェンダーを採用、全幅が5mm拡大され1845mmとなった。ちなみにA4オールロードは標準車より車高を50mmアップ、逆にS4は10mmダウンしている。
試乗したのは、A4 45TFSIクワトロSラインである。走り始めてすぐに感じたのは、12VのMHEVがスマートな発進と加速のアシストを味わわせてくれることだ。A4らしく走りは相変わらず軽快だが、場面によっては4輪がしっかと路面を捉えていることがわかり安心感がとても高い。ただもっとハイブリッド感が欲しいと言う人もいるかもしれないが、A4の主役はエンジンなのだ。
また熟成も進みボディ剛性も向上、オプションの245/35R19タイヤを装着して、これを見事に履きこなしていたのも印象的だった。こうしたことから、見えない部分にも相当に手が入れられていることが感じられる。
インテリアも改良され、インフォテインメントシステムに最新式のMIB3を初採用、MMIタッチ式ディスプレイを装備したことでMMIコントローラーがなくなりシンプルかつクリーンな印象が強くなった。また最後になったが歩行者検知機能付アウディプレゼンスシティや渋滞時追従機能付ACCなどADASが充実したことも、付け加えておきたい。(文:千葉知充)
■アウディA4 45TFSI クワトロ Sライン 主要諸元
●全長×全幅×全高=4770×1845×1410mm
●ホイールベース=2825mm
●車両重量=1610kg
●エンジン= 直4DOHCターボ
●総排気量=19847cc
●最高出力=249ps/5000-6000rpm
●最大トルク=370Nm/1600-4500rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=7速DCT(Sトロニック)
●車両価格(税込)=627万円
[ アルバム : アウディA4 45TFSIクワトロSライン はオリジナルサイトでご覧ください ]
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