ラインアップ大幅変更で王座争いはどうなる?
2020年シーズンが開幕したWRC。例年通り、雪と氷のフレンチアルプスを舞台にした、伝統のラリー・モンテカルロから始まる。今シーズンの注目は、2019年から様変わりした各チームのドライバーズラインアップ。新加入メンバーがチームとマシンにどれだけマッチングするかが、チャンピオンシップの鍵となるはずだ。まずは、そのチームとドライバーを見てみよう。
シトロエンワークスの撤退を受け、WRカーで参戦するチームは3つ。トヨタ、ヒュンダイ、Mスポーツフォードの3チームだ。
2019年、トヨタで自身初のチャンピオンを獲得したオット・タナックは、ヒュンダイへ移籍。4年連続選手権2位のティエリー・ヌービル、元王者のセバスチャン・ローブ、スペインのベテラン、ダニエル・ソルドの4人でマニュファクチャラーズタイトル連覇と、念願のドライバーズタイトルを狙う。
シトロエンの撤退を受け、現役最速、6度のチャンピオンを獲得しているセバスチャン・オジェはトヨタに加入。Mスポーツから移籍のエルフィン・エヴァンス、19歳の新鋭カッレ・ロバンペラも合わせた新加入トリオで、トヨタはダブルタイトルを目標に掲げる。
Mスポーツフォードも3台体制。シトロエンから加入したエサペッカ・ラッピ、昨シーズンから走っているテーム・スニネン、WRC2から昇格したガス・グリーンスミスの若手ドライバー3名で戦う。
トヨタは2-3位のポディウム獲得!
モンテカルロといえば、めまぐるしく変化する路面コンディションが特徴。ドライターマック路面が基本だが、ウェット、スノー、アイスと同じステージ上にも点在するような難しい状況が終始続く。
ラリーは、デイ2のSS4でタナック(ヒュンダイ)が早々にリタイアしてしまい、オジェ(トヨタ)とヌービル(ヒュンダイ)、そしてトヨタに新加入のエヴァンスを加えた三つ巴の展開となった。
4つのSSを残し迎えた最終日は、有名なチュリニ峠が舞台。首位エヴァンスから3位ヌービルまではたったの6.4秒しかない。ここでヌービルが猛スパートをかけた。SS13、14、15と3連続ベストタイムをマークし、一気に首位へ。最終SS16を前に2位との差を11.1秒にまで広げた。そして最終SS、ともに全開で走ったオジェとヌービルのタイム差は、たったの0.016秒。リードを守りきったヌービルが、自身初となるモンテカルロウイナーとなった。
地元ラリーの連続勝利数は7でストップしてしまった、トヨタのオジェが2位。1.7秒差でトヨタのエヴァンスが3位で続いた。トヨタ勢のもう1台、ロバンペラは総合5位で完走。そして、ヤリスWRCで初のモンテカルロ参戦となった、日本期待の“若武者”勝田貴元は、堅実な走りで総合7位フィニッシュ。トヨタは4台ともに完走し、幸先のいいスタートを切った。
次戦は、シーズン唯一のオールスノー、ラリー・スウェーデン。2月13~16日に開催される。
WRC2020 Rd.01
第88回 ラリー オートモービル モンテカルロ 2020
最終リザルト
1. T・ヌービル(ヒュンダイ)3h10m57.6s
2. S・オジェ(トヨタ)+12.6s
3. E・エヴァンス(トヨタ)+14.3s
4. E・ラッピ(フォード) +3m09.0s
5. K・ロバンペラ(トヨタ)+4m17.2s
6. S・ローブ(ヒュンダイ)+5m04.7s
7. 勝田貴元(トヨタ)+11m27.9s
8. T・スニネン(フォード)+13m30.4s
ドライバーズ ポイントスタンディング
1. T・ヌービル(ヒュンダイ)30p
2. S・オジェ(トヨタ)22p
3. E・エヴァンス(トヨタ)17p
4. E・ラッピ(フォード) 13p
5. K・ロバンペラ(トヨタ)10p
6. S・ローブ(ヒュンダイ)8p
7. T・スニネン(フォード)7p
8. 勝田貴元(トヨタ)6p
マニュファクチャラーズ ポイントスタンディング
1. ヒュンダイ シェル モビス WRT35p
2. トヨタGAZOOレーシング WRT33p
3. Mスポーツ フォード WRT20p
<文=driver@web編集部・青山 写真=Redbull/TGR>
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