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ペルフォルマンテと同値の666ps ランボルギーニ・ウルス Sへ試乗 パワフルに底上げ

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ペルフォルマンテと同値の666ps ランボルギーニ・ウルス Sへ試乗 パワフルに底上げ

人気モデルを一層パワフルに底上げ

ランボルギーニ・ウルス Sの試乗場所に指定されたのは、中東のカタールだった。ところが世界でもトップクラスに裕福な国だとされるこの土地の人は、強い興味を示さないという。その理由は、フェイスリフト後だとしても「S」がベース・グレードだから。

【画像】ペルフォルマンテと同値の666ps ランボルギーニ・ウルス S 競合する高性能SUV 全145枚

彼らが専ら関心を持つのは、1番高価なウルス・ペルフォルマンテなのだそうだ。資金に余裕があるがゆえ、ファミリーSUVを購入する場合は最高グレードを選ぶことが一般的らしい。

なんとも皮肉な話ではある。ウルス Sの英国価格は、18万8000ポンド(約3120万円)もするのだが。もっとも、SUVに好んで乗るカタール人はウルスも大好き。市場シェアを堅調に維持しているとのこと。

そんな人気モデルのウルスを一層パワフルに底上げすることは、ランボルギーニにとって恐らくメリットしかない。スーパーカー級の加速性能をさらに高めたとしても、ウラカンやアヴェンタドールといったモデルの売上が減じることはないのだ。

ウルスのような高性能SUVは、スーパーカー・オーナーにとって追加で選ぶ普段使いのモデル。中東の人々を含め、極めて裕福な人の思考は筆者のものとは縁遠い。

ペルフォルマンテと同値の666psと86.5kg-m

余談となってしまったが、ウルス Sのボンネット内に搭載されるのは、4.0L V8ツインターボ・エンジンの改良版。ベントレー・ベンテイガからポルシェ・カイエンまで、フォルクスワーゲン・グループの上級SUVが搭載する、おなじみのユニットとなる。

最高出力は従来のウルスから16ps増しとなり、666psになった。最大トルクも86.5kg-mへ強化された。AUTOCARの読者ならお気づきかもしれないが、これはウルス・ペルフォルマンテと同値になる。

ウルス Sでは、フェイスリフトとしてスタイリングにも手が加えられた。フロントグリルのデザインと調和する、マットブラック仕上げのステンレス製スキッドプレートや、カーボンファイバー製のボンネットを獲得している。

エアベントのトリムもカーボン製。標準ではブラックだが、オプションでボディと同色に塗ることも可能だ。そういえば、このカーボン製ボンネットもペルフォルマンテと同じアイテムになる。

リア側もバンパーの造形が新しくなった。ブラックのディフューザー風の面積が大きくなり、マフラーカッターも一新。エグゾースト・システム自体も更新されている。

裕福な人の好みへ完璧に応えられるよう、パーソナライゼーション・プログラムの選択肢も拡張されている。アド・パーソナムと呼ばれるサービスで、選択できるボディカラーは無限といっていい。

インテリアでは、レザーに新色が用意された。ステッチのパターンも新しい。ツートーンのスポルティボ・シートか、ソフィスティケーテッド・シートを選べる。

ヘアピンの鋭い旋回ぶりは想像以上

スーパーSUVと呼べるような豪腕級の走りは珍しさを薄めている昨今だが、それでもウルス Sは凄まじく速い。2.2tの車重でありながら、現実世界では発揮しきれない速度を叶えている。

それでいて、適度に民主化されていることにも唸らされる。繊細とはいえないにしろ、混雑した市街地の中心部を何事もなく運転できる。

スポーツ・モードへ切り替えると、エグゾーストノートは凄みを増す。アクセルオフ時には、バックファイヤーの激しい破裂音が追加される。

以前にベースグレードのウルスへ試乗した際、排気音にデジタル加工された音が強めに重なり、さほど魅力的には聞こえなかった。だがウルス Sではチューニングを受け、よりアナログで生々しい。

リア・ディファレンシャルを制御するトルクベクタリング機能が備わり、想像以上の鋭さでヘアピンカーブを旋回できる。まるで、タイヤが路面へ張りついているように感じるほど。その回頭性は、四輪操舵システムが補完している。

ワイドトレッド化され強力なダウンフォースを得られる、ウルス・ペルフォルマンテの方がコーナリング速度は高い。とはいえ、公道を中心に運転するようなドライバーならウルス Sでまったく不満はないはず。

日常的に乗るならベーシックな「S」で

それは、乗り心地でも同様。裕福な国らしくカタールの舗装は極めて平滑で、試乗車は23インチ・ホイールと超扁平タイヤを履いていたが、サスペンションは殆ど働く必要がなかった。乗り心地を充分に確かめられないほど。

少なくとも、以前にペルフォルマンテで少し凹凸のある区間を走った時は、硬さが目立っていた。そちらにはハードなコイルスプリングが組まれていたのに対し、ウルス Sには標準でアダプティブ・エアサスペンションが装備される。後者の方が快適なはず。

ドライブモードのスイッチは一方向にしか動かず、ストラーダ(舗装路)、スポーツ、コルサ(レース)、サッビア(サンド)、テラ(荒野)、ニーヴ(アイス)が順に切り替わるのは従来どおり。ストラーダからスポーツを選ぶ場合、何度も押すことになる。

英国や日本で日常的に乗るなら、ウルス Sの方が良いだろう。ランボルギーニを普段使いのクルマにするのはよほど裕福な人に限られるとはいえ、高性能SUVとしての目的や能力を考えると、ベーシックな「S」の方がベターだと思う。

ランボルギーニ・ウルス S(中東仕様)のスペック

英国価格:18万8000ポンド(約3120万円)
全長:5137mm
全幅:2026mm
全高:1618mm
最高速度:305km/h
0-100km/h加速:3.5秒
燃費:7.1km/L
CO2排出量:320g/km
車両重量:2197kg
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:666ps/6000rpm
最大トルク:86.5kg-m/2300-4500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

7件
  • そうかあ170/62kgの私にはちょうど良いので貴方はデブって事になりますか。
    しかもこのウルス、同じベースのカイエンよりフットペダル周り、奥行きにかなり余裕があり高身長な方でも
    かなり余裕を持って座れるように設計してあるのですが。

    実は試乗されてませんねえ、残念、妄想さん。。



    2022/12/22 13:08
    友人に勧められて試乗したけど室内が狭すぎ窮屈で見た目だけの車だった
    もちろん即断った
  • 燃費がリッター7キロちょっとなら東京の市街地はリッター2~3だろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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