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【輸入車年鑑 2020】ポルシェ911 カレラSは伝統を継承しながら大いなる躍進を遂げた

掲載 更新 10
【輸入車年鑑 2020】ポルシェ911 カレラSは伝統を継承しながら大いなる躍進を遂げた

スポーツカー界のスーパーロングセラー、ポルシェ911が第8世代の992型に進化した。新型最大の特徴は、従来型は一部モデルだけだったリアのワイドボディを全車種に採用したほか、これに連動して前輪のトレッドを拡大。4輪でバランスよく路面を捉えることでスタビリティを向上させたことだろう。エンジンはタイプ991IIの3L 水平対向6気筒ツインターボを改良して搭載。カレラで15ps、カレラSで30psの出力増を果たした。この後、911ターボなど、新しいバリエーションが順次登場する予定だが、今回は992型のトップバッターとして上陸した911カレラSの試乗の模様を新刊ムック「Motor Magazine 輸入車年鑑 2020」からお届けしよう。

いつの時代も人の心を捉えて離さない
992型のトップバッターとして上陸したカレラS /カレラ4Sのエンジンは、先代991型に引き続き3Lの水平対向6気筒ツインターボだ。出力で30ps、トルクで30Nmの増強が行われ、450psと530Nmというパワースペックを実現している。

【くるま問答】トヨタ2000GTのサイドにある四角い部分には、いったい何が入っているのか?

トランスミッションは新開発の8速DCT(PDK)で、シフトバイワイヤとなったためセレクターはレバーではなく小ぶりなトグルスイッチのような形状に変更された。

自然吸気(NA)の水平対向6気筒が991型の後期型で姿を消し、すべてがターボによる過給エンジンとなった時は、NA時代を懐かしむ声も多く聞かれたが、どうしてどうして、この3LツインターボもレスポンスはNAばりに鋭い。タービンを大型化しているようだが、いわゆるターボラグが増えている様子は微塵もなく、むしろ低回転域のアクセルペダルの踏み込みに対する反応は鋭さを増し、全域でトルクの余裕も増しているように感じられた。

精度感の高い回転フィールは健在だし、高回転まで回した時の甲高い快音や、鋭いアクセルレスポンスはさすがポルシェのスポーツユニット。911は、いつの時代も本当に魅力的だ。

カレラSはRRのハイパフォーマンスモデルだ。4WD機構を備えるカレラ4Sと乗り比べると、以前は高速域でフロントの接地性がやや薄れる感じで直進安定性に不安を感じることもあったのだが、991型の時代からこうしたRR特有のクセはかなり減っており、この992型ではほぼ感じられなくなった、というのが素直な感想だ。安心して踏んでいけるのは、これはやはり進化と言うほかないだろう。

911に乗っていつも感心するのは、いかにも強固なボディとシャシが、極めてソリッドな乗り味を実現していること。ただ、足まわりは相応に硬い。ボディが強固なので荒れた路面でも進路が乱されるようなヤワな動きは見せず、ギャップを押し切っていくような逞しさがあるし、サスペンションストロークにさほど余裕があるわけではないのに、姿勢をフラットに保つあたりにもスポーツカーとしての実力の高さを実感する。荒れた路面や大きな凹凸に対しては、比較的正確にその衝撃を乗員に伝えてくる。

もちろん日常の足として使える快適性は確保しているが、セダンのような滑らかな乗り味を期待するのはお門違い。911は、きっちりスポーツカーなのだ。(文:石川芳雄/新刊ムック「Motor Magazine 輸入車年鑑 2020」より)

ポルシェ911 カレラS 主要諸元
●全長×全幅×全高:4519×1852×1300mm
●ホイールベース:2450mm
●車両重量:1540kg
●エンジン:対6DOHCツインターボ
●排気量:2981cc
●最高出力:450ps/6500pm
●最大トルク:530Nm/2300-5000pm
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:RR
●WLTCモード燃費:9.7km/L
●車両価格:1696万8519円

[ アルバム : ポルシェ911 カレラS はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

10件
  • 日常使いの車に、ぜひ増車したい
  • 911はもはや1500万じゃ買えない時代に。
    非才な自分は頑張っても718に手が届くか怪しいところ・・

    悲しいなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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