新型は人間中心設計を徹底。爽やかなクルマに仕上がった!
2022年、シビックは生誕50年を迎える。次の50年に向けてどうあるべきか? その答えが“爽快シビック”をキーワードに開発された11thモデルである。今回テストコースで試乗した。
「爽快シビック」11代目は5ドアハッチバックの新基準を提示する意欲作。ホンダの未来が実感できるのか!?
エクステリアはハッチバックと言うよりクーペと呼びたくなる伸びやかなプロポーション。自然光の下で見ると、より魅力的に感じる。ボディサイズは全長×全幅×全高4550×1800×1415mm。個人的にはディーラーopのリアスポイラーを装着し、よりスタイリッシュさを強調したいと感じた。
インテリアは水平基調のシンプルでノイズレスなデザイン。内部の構造を隠した“アウトレットメッシュ”空調ルーバーが印象的だ。スッキリとした造形は、見た目だけでなくストレスフリーな運転環境に大きく貢献している。スイッチの触感/操作感、加飾のバランスなども吟味され、質感はプレミアム領域に足を踏み入れた。ただしセンターコンソール周囲の造形は、やや事務的な印象が拭えない。
1.5リッターターボはスムーズ&パワフル。大幅に洗練
エンジンは、まずは直列4気筒の1.5ℓ・VTECターボを用意。e:HEVハイブリッドは開発中。来年、ラインアップに加わる。1.5ℓターボは、旧型からのキャリーオーバーと思いきや、乗ると「本当に同じエンジン?」と思うほどの差がある。先代はパワフルなもののドッカンターボでスムーズさに欠けた。意外に武闘派だったのだ。新型はアクセルを踏んだ時のターボの立ち上がりがスムーズ。応答性や過給の立ちあがりの滑らかさ、そして高回転まで力強さが持続する伸びの良さが印象的である。より洗練、より扱いやすいユニットに改善されている。
トランスミッションは6速MTとCVT。先代で好評だったMTは継続され、シフトフィール向上とショートストローク化などの改良が実施された。軽いタッチで正確なシフト操作が可能になっている。だが伸び代が高いのはCVTだ。エンジン回転と加速感のズレを解消する全開加速ステップシフト制御、減速Gに合わせてエンジンブレーキを併用するブレーキ操作ステップシフトダウン制御を採用。全開にしない限りはCVTだと気付かない仕上がりになっている。とくにブレーキ操作ステップシフトダウン制御は「パドルいらず」と言っていい賢さである。
走りの純度が大幅アップ。高い完成度に感銘
フットワークはどうか? プラットフォームは先代の改良版。潜在能力を100%活かすべく、基本素性の変更(ホイールベース+35mm、リアトレッド+12mm)をはじめ、体幹を強化するため各部をアップデートした。走らせてみると従来型とは別物である。
フットワークは軽快でスポーティなフィーリング。操作に対して忠実にな反応し、コーナリング時の動きの連続性は抜群。動かす所は動かし、抑える所は抑えるボディコントロールは見事だ。4つのタイヤを上手に使ったコーナリング姿勢、リアの接地性の高さも印象に残った。新型は圧倒的に「走りの純度」が高まった。先代を大きく超える「一体感/自在性/懐の深さ/安心感」を備えたハンドリングに仕上がっている。
それだけではない。走りの純度アップは、アコードに匹敵する直進安定性とドッシリした安定感、やや硬めだが目線がブレないフラットな乗り味と快適性にも大きなプラスをもたらしている。
ADASも最先端。新型は、次世代型ホンダセンシングを採用。世界初の自動運転レベル3実現したホンダセンシングエリートの技術を水平展開した高機能タイプである。中でも車線維持支援システム(LKAS)の精度は素晴らしい。
静粛性も高い。単に音量を下げるのではなく、エンジンサウンドを雑味を抑えた上で聞かせるのは、ホンダらしいこだわり。ホンダは電動化に舵を切る宣言をしているが、「まだまだエンジンもやるよ!!」と言う本音が表れている!?
11thシビックは「本質重視」の作り込みにより、総合的なレベルアップを実現した。しかも旧型よりも「シビックらしさ」が増している。その要因は何か? ヒントはグランドコンセプト「爽快」にあった。
「爽快」は人間の気持ちである。数値では測るのは難しく、人の感覚で磨き上げていく必要がある。つまり、絶対性能より官能性能を重視した開発となる。それが結果として今まで以上にドライバー中心のクルマづくりに繋がった。シビックらしさとは、ボディサイズでも車両重量でもエンジンパフォーマンスでもない。「人に寄り添うこと」だったのだ。そういう意味で、新型は久々に「シビックらしいシビック」である。
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みんなのコメント
インプレッションも普通すぎる
いちいちこき下ろされる10thが可哀想