ピエール・ガスリーは2019年にジュニアチームのトロロッソF1からシニアチームのレッドブルF1へ移籍し、速いが気性の激しいマックス・フェルスタッペンのチームメイトとなる。しかしガスリーはフェルスタッペンを叩きのめすのではなく、上回ることを目指しているという。
ガスリーはルーキーシーズンに好成績を上げており、トロロッソではこれまでのところ4回のトップ10圏内フィニッシュを飾っている。彼はチームメイトのブレンドン・ハートレーを完全に圧倒しており、ダニエル・リカルドの後任という判断はは理にかなった選択だった。
完璧に仕事を遂行したフェルスタッペンの“大人の走り”【今宮純のF1シンガポールGPドライバー採点】
来シーズン、ガスリーはレッドブルでフェルスタッペンのチームメイトとなる。現在のフェルスタッペンが印象的な成績を残しているのに対し、リカルドは9戦前のモナコGP以降はチームメイトに予選で負け続けていることを考えると、若いふたりのドライバーが互いにどのようなパフォーマンスで競り合うようになるのかは、興味深いところだ。
ガスリーはベストを尽くすことを誓っているが、Ziggo Sportのオラブ・モルに、「将来のチームメイトであるフェルスタッペンを叩きのめしたいか」と尋ねられると、そのつもりはないと否定した。
「いろいろなことに慣れるには常に時間がかかるものだけれど、チームやマシンに関しては、すぐに仕事に取り掛かれたらいいね」とガスリー。
「レッドブル・レーシングのチームは長いこと見知っているし、彼らの要請でシミュレーターでの作業も行なった。すぐに落ち着けるようになりたいと思っている」
「マックスを叩きのめそうとは思っていない。僕たちはふたりともドライバーであり、当然ながら僕は最高のドライバーになるために、あそこに行くんだ。僕はF1のグリッド上で最高のドライバーになりたいし、彼も同じ願いを持っているだろう」
モルの質問はおそらく冗談交じりのものだったが、ガスリーの答えは分別のあるものだった。「フェルスタッペンを叩きのめしたい」という、非現実的な野望を口にしたところで、彼自身のためにはならないだろう。
しかしながら、ドライバーの第一目標はチームメイトに勝つことだ。ガスリーは、果敢で素晴らしく速いフェルスタッペンを相手に、来年はすべてのセッションとラップにおいて全力を尽くさなければならないことを理解している。彼を倒すためではなく、“最速のマックス”に追いつくためにだ。
「隣にいるドライバーがとても速いのはいいことだ。お互いのベストを出し合えるし、素晴らしい時間を過ごせるだろう」
素晴らしい時間になるか、一触即発な時間になるかは、いずれ分かることになるだろう。
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