HRC US社長のデビッド・ソルターズは、アキュラNSX GT3 Evo22がIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権から間もなく姿を消すことを「ほろ苦い」と表現した。同車は10月12日に行われるモチュール・プチ・ル・マンで、最後のスタートを迎える予定だ。
NSXの現行バージョンは2029年末までホモロゲートされているが、唯一残ったカスタマーチームのマニュファクチャラー変更に伴い、ウェザーテック選手権のGTDグリッドから姿を消す見込みとなっている。
アキュラを離れフォード陣営へ。唯一のNSX GT3ユーザーがマスタングへのスイッチを発表/IMSA
まもなくNSXでの最終レースを迎えるグラディエント・レーシングは8月、2025年はフォード・マスタングGT3に移行すると発表しており、アキュラは2017年のデビュー以来初めてNSXでの出場チームを失うことになるのだ。
「IMSAのコンペティションにおいて、NSXが終わるのはほろ苦い」とソルターズは語った。
「NSXは美しい車で、大きな成功を収めてきた。また、レースカーとロードカーの両方のバリエーションで、ファンの間で非常に人気のあるクルマでもある」
「GTDクラスではNSXで素晴らしい結果を残してきた。2年間にわたってのチャンピオンシップ獲得、2022年のプチ・ル・マンでのグラディエント・レーシングの勝利などだ」
「長年このプログラムに一生懸命取り組んでくれたすべての人々に心から感謝する。彼らのスキル、努力、情熱により、素晴らしい選手権ウイナーとなるレーシングカーが作られ、激しい競争を演じた」
「みんな、ありがとう。そしてNSXにも感謝する」
■「開発を止めたら、同じリザルトは得られないもの」
NSXは、2017年から2020年まで、主にマイヤー・シャンク・レーシングの手によって参戦した。この期間で最も注目すべきは、マリオ・ファーンバッハーがトレント・ハインドマンとマット・マクマリーと組んで、2019年、2020年のGTDクラスで連続タイトルを獲得したことだ。
ファーンバッハーの回想によると、2017年後半にジャスティン・マークスとローソン・アッシェンバッハとともに、長距離耐久戦での追加ドライバーとして加入したことが、アキュラおよびMSRとの共闘のきっかけだったという。また彼は、2レースでアルバロ・パレンテの代役を務め、キャサリン・レッグと組んでベル・アイルで優勝を果たした。
「それから2019年に、親友のトレント・ハインドマンとシャンクがまだパドックにいたことで、大きな旅が始まった」とファーンバッハーはSportscar365に語った。
「彼と過ごした年は素晴らしい年だったし、もちろん最終的にはチャンピオンシップのタイトルも獲得した。IGTCでの最初のファクトリーレースも数回あった。素晴らしい年だった」
「その翌年、残念ながらCOVIDの問題が起きて、すべてが少し混乱したが、その状況にもかかわらず、その一年も素晴らしい年だった。チームには素晴らしい思い出がたくさんあるよ。振り返れば、いつもみんなと一緒にいて、いつも笑顔だった」
MSRが2021年にDPiクラスにステップアップした後、ファーンバッハーはグラディエント、コンパス・レーシング、マグナス・レーシング、レーサーズ・エッジ・モータースポーツなどでNSXでのレースを続けた後、アストンマーティン陣営のハート・オブ・レーシングチームへ移籍した。
「NSXに乗った最初のテストから、明らかにそのクルマにはホーム感があったんだ」とファーンバッハー。
「とくにエボリューションキットでさらに良くなった。それは、クルマにとっても正しいステップだった」
「残念ながら、このクルマがもう次のエボリューションを遂げることはないと分かった時点で、彼らはクルマの開発を止めてしまったんだ」
「そしてモータースポーツの世界では、何かの開発をやめてしまうと、同じリザルトを得られないものなんだ」
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