加速性能はスポーツカー並?
フォードは、ピックアップトラックであるF150の高性能モデル「ラプターR」を公開した。従来のF150ラプターよりもさらなるパワーアップを図った、ハードコアなスポーツオフロード車である。
【画像】フォード最強の大型ピックアップトラック【新型F150ラプターRを既存の「ラプター」モデルと写真で比較】 全65枚
F150は、北米市場ではベストセラーとなっている大型のピックアップトラック。「Fシリーズ」として14代目にあたる現行モデルは、2020年にデビューした。
従来のF150ラプターは、3.5L V6エンジンで最高出力456psを発生するが、新型F150ラプターRは、マスタング・シェルビーGT500と同じスーパーチャージャー付き5.2L V8エンジンを搭載。最高出力710ps、最大トルク88.5kg-mを発生する。
性能の詳細はまだ明らかにされていないが、V6のラプターで0-100km/h加速を5.0秒強で達成していることから、ラプターRはポルシェ911とほぼ同じ速さを持つと予想される。
スーパーチャージャーは低中速トルクを高めるようにチューニングされている。新しいステンレススチール製エグゾーストマニホールド、専用のオイルパンやオイルクーラー、フィルターなどにより、高温環境や高負荷下でも冷却性能を維持することができる。
足回りも大幅に強化
他の高性能SUVと大きく異なる点は、荒れた地形でもレーシングカー並の速さを目指していることだ。カリフォルニアの耐久レース「バハ1000」に参戦する、頑丈な4×4がモデルになっていると言われている。
「F150ラプターは、単に速く走るだけでなく、過酷なオフロード環境を克服しなければなりません」とフォードは話す。そのため、ラプターRはエンジンの大型化に加え、オフロード性能と耐久性の向上を目的としたシャシーチューンを施している。
強化されたフロントアクスルは、激しい衝撃を吸収するだけでなく、V8エンジンの強大なトルクにも対応する。ドライブシャフトは特注のアルミニウム製に変更されている。
一方、5リンク式リアサスペンションのトレーリングアームは、「荒れた路面でもアクスルの位置を保ちやすいよう」に延長された。24インチスプリングとライブバルブショックは、乗り心地とロールコントロールを改善するようチューニングされている。
フロントアクスルのサスペンショントラベルは330mm、リアは358mmと大きい。タイヤは37インチが標準装備される。また、10速ATもより大きな負荷に対応できるよう調整され、トルクコンバーターも同様に、トルク伝達の改善と「より滑らかなパワートレインフィール」のために手を加えられた。。
スタイリングとしては、アグレッシブなパワードーム、ブラックのトリム、「R」バッジをあしらい、リアには専用のデカールデザインを採用するなど、従来のラプターとは一線を画している。
F150ラプターRは、現在米国で受注が開始されている。生産は今年後半に開始される予定。今のところ、北米以外の市場に導入する予定は確認されていない。
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