韓国の自動車メーカー最大手であるヒュンダイ(現代自動車)。日本市場へは、2001年に参入し「ヒュンダイを知らないのは日本だけかもしれない」というコピーで話題となったが、わずか10年で撤退となってしまっていた。
しかし、2019年の世界新車販売台数では、VWグループ、トヨタグループ、ルノー・日産・三菱アライアンス、GMグループに続き、グループ全体で第5位にランクインしており、昨今は優秀なクルマが多く輩出されている。
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そのヒュンダイが日本市場へ再進出するのではないか、というニュースが先日報道され、いまにわかに注目を集めている。
数あるヒュンダイのラインナップの中でも、ミドルクラスSUVの「サンタフェ」は、世界戦略車として、広く世界中で販売されているクルマだ。ヒュンダイが日本市場へ再参入するとなれば、このモデルは必ず導入されると思われる。
今回はこの「サンタフェ」とは、どういったクルマなのか、ご紹介していく。
文:吉川賢一
写真:HYUNDAI
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目を見張る進化を遂げた
2008年に日本市場撤退をしたヒュンダイだが、多くの方が「そうだったんだ」という程度の印象であろう。しかしその印象は、すぐにでも書き換えた方が良い。ヒュンダイ車は、2010年ごろを境に、目を見張る進化を遂げており、世界的にも認められる存在になりつつある。
ヒュンダイには、SUVモデルが複数車種ある。サイズの大きな方から、パリセード、グランド・サンタフェ、サンタフェ、タクソン、クレタ、コナ、そして最もコンパクトなヴェニューと、トヨタ顔負けのSUVフルラインアップだ。
どれも、スタイリッシュで機能的なデザイン、そしてクルマの作りも十分に高く、コストパフォーマンスも良いことから、日本車メーカーも見習うべき点が多々ある。
サンタフェは、韓国や北米、欧州市場で販売されている、5人乗りのミドルクラスSUVだ。現在発売されているサンタフェは4代目にあたり、2018年にモデルチェンジをうけている。
現在発売されているサンタフェは、2018年にモデルチェンジをした4代目
ハイブリッドやPHVも計画されている
サンタフェのボディサイズは、4770×1890×1679(全長×全幅×全高mm)、トヨタRAV4(4610×1865×1690)よりも160ミリ長く、幅は35ミリほど広い。ホイールベースは2765ミリであり、RAV4(2690)よりも75ミリ長い。
エクストレイルやCR-V、そして、VWティグアンやアウディQ3、Q5、メルセデスGLA、GLB、GLC、BMW X3など、世界中の自動車メーカーが覇権を争っているミドルサイズSUVに分類される。
ホイールベースは2765ミリであり、RAV4(2690)よりも75ミリ長い
パワートレインはバリエーションが非常に多い。ガソリンエンジンは、2.4リッターのGDi(188ps/24.6kgfm)と2.4MPi(172ps/22.9kgfm)、3.5リッターのMPi(280ps/34.3kgfm)、そしてディーゼルエンジンは、2.2リッターのCRDi(200ps/45.0kgfm)だ。これらに、6速もしくは8速ATと、6速MTが選べる。
リアスタイルは引き締まっており、なかなかカッコよく見える
ただし、国ごとに投入モデルは変えており、たとえば北米市場には、2.4リッターガソリン仕様と、2.0リッターのターボモデルも用意している。価格は、2万6275ドル(SE:日本円で約275万円)~3万7875ドル(Limited 2.0T:約396万円)だ。
なお、ヒュンダイによると、今後登場する2021モデルでは、1.6リッターのハイブリッドモデルの登場が予定されており、将来的には、PHVモデルも追加する計画だという。
2021モデルではフロントフェイスが進化!!
2021モデルとして明らかになったエクステリアは、バンパーやヘッドライトのデザインが改良され、よりアグレッシブなフロントフェイスになった。
大型のグリルと、ヘッドライトはT字のLEDデイタイムライトに変更し、フロントバンパーを縦に貫通したデザインへなった。RAV4や新型エクストレイルに負けず劣らず、アグレッシブだ。好き好みが大きく分かれるデザインだが、幾多もあるミドルサイズSUVの中で目立つには、これくらいの派手さが必要ということだろう。
ド派手なフロントフェイスが売りのサンタフェ2021モデル プジョー208のような縦方向へのLEDヘッドライトによって、相当アグレッシブな印象だ
インテリアも、スイッチ型のギアセレクターや、センターコンソール最上段には10.25インチの大型タッチディスプレイ、12.3インチの液晶デジタルメーターも採用している。
世界的な高級車の流行にいち早く追いつき、採用をしているヒュンダイは、決して侮ってはいけない相手だ。この新型サンタフェは、2020年秋以降に販売開始の予定だが、コロナ禍により状況は変わる可能性もあるだろう。
インテリアのデザインクオリティも非常に高い Aピラー取り付け部下側に空いた小窓も、視界の確保に役立っている
トヨタやホンダ、日産と真っ向勝負となるか!?
サンタフェを含むヒュンダイの乗用車が、再び日本市場へ(正規代理店を立てて)上陸してくる可能性は、現時点では低い。もし、日本に再上陸したとしても、日本市場に限って言えば、日本車メーカーがそう易々と、ヒュンダイに負けることはないだろう。
世界的には有名な自動車メーカーのヒュンダイであっても、日本では、ほぼ「ゼロ」からの再スタートとなる。クルマの出来の良さ、デザインや価格の安さなど、ずば抜けてよかったとしても、一朝一夕に大ヒットとなることはまずない。
しかしヒュンダイの乗用車は世界的にヒットしており、日本以外の各地で日本車と激戦を繰り広げているのは事実だ。
そうしたことを考えると、有力な並行輸入業者が大々的に販売して、たくさん売れる、という可能性もありうる。そのときはぜひとも、日本の道でじっくり「現在のヒュンダイ 」そして「サンタフェの実力」を確かめたい。
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