現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 庶民の足がスポーツカーに変貌!? 大衆車ベースの高性能車5選

ここから本文です

庶民の足がスポーツカーに変貌!? 大衆車ベースの高性能車5選

掲載 更新 9
庶民の足がスポーツカーに変貌!? 大衆車ベースの高性能車5選

■1980年代に次々と登場した高性能なベーシックカーを振り返る

 いまではあまり耳にすることはありませんが、かつて一般庶民のためのクルマを「大衆車」と呼んでいました。昭和の時代では、大衆車の代表といえばトヨタ「カローラ」や日産「サニー」が挙げられます。

そっくりすぎるミニGT-Rが爆誕! なぜ軽自動車をGT-R風に?

 現在は大衆車というカテゴリーは存在しませんが、しいて挙げるなら軽自動車やミニバン、コンパクトカーといったところです。

 1970年代にマイカーが急速に普及し、1980年代には大衆車でも高性能化が進み、なかにはスポーツカー並かそれ以上の性能のモデルも誕生。

 そこで、1980年代にデビューしたベーシックカーの高性能グレードを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「マーチスーパーターボ」

 日産は1970年代に、世界的な流れからコンパクトカーのFF化を進め、「チェリー」や後継車の「パルサー」を発売しました。

 一方、ライバルに対抗して、グローバルで展開できるさらに小型のベーシックカーの開発に着手。そして1982年に発売されたのが次世代コンパクトカー「マーチ」です。

 デザインは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが手掛け、装飾は最低限に抑えながら機能的な造形を実現し、安価なベーシックカーとして国内外でヒットしました。

 1985年にはターボ時代の到来から、最高出力85馬力(グロス)を発揮する1リッター直列4気筒SOHCターボエンジンを搭載した「マーチ ターボ」をラインナップ。

 また、1988年にモータースポーツベース車両の「マーチ R」を発売し、排気量を987ccから930ccにダウンサイジングし、ターボチャージャーとスーパーチャージャーの2種類の過給機が装着された、日本初のツインチャージャーエンジンを搭載。最高出力は110馬力(グロス)を誇りました。

 低回転域ではスーパーチャージャーによる過給で、高回転域ではターボチャージャーの過給も加わることで、全域で高性能化を達成する、当時としてはまさに競技用といえるエンジンです。

 そして、1989年にはマーチRと同じエンジンを搭載し、普段使いできるように装備を加えた「マーチ スーパーターボ」が登場。ハイパワーなFF車ですがパワーステアリングは装着されず、ドライブフィールはかなり過激でした。

 ベーシックなマーチが57馬力(グロス)でしたから、スーパーターボは2倍近い出力を発揮していたことで、シャシ性能が追いついていなかったのが、いかにも昭和の高性能車です。

●マツダ「ファミリアGT-X」

 1963年に発売されたマツダ初代「ファミリア」は、カローラやサニーに対抗するために開発された、同社初の小型乗用車です。

 その後もマツダの主力車種として代を重ね、1985年に6代目がデビュー。外観は大ヒットした5代目のイメージを踏襲しながら、角を丸めることでよりスマートな印象となっています。

 この6代目ファミリアには日本初のフルタイム4WD車の「ファミリア 1600GT-X」がラインナップされました。

 最高出力140馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載し、ハイパワーなターボエンジンとフルタイム4WDの組み合わせは、2リッターターボ車に迫る動力性能と評されます。

 4WDシステムはプラネタリーギア方式のセンターデフを採用し、センターコンソールにあるデフロックスイッチで前後輪の駆動配分を固定することも可能でした。

 また、圧搾エアーによって悪路を想定した2段階の車高調整機能が装備されるなど、国内外のラリーで好成績を収めたことがイメージアップにつながり、GT-Xは高い人気を誇りました。

●三菱「ミラージュ サイボーグ」

 1978年に発売された三菱の次世代コンパクトカー「ミラージュ」は、FFレイアウトを生かした広い室内と、欧州テイストのスタイリッシュな外観でヒット車となりました。

 そして1982年には他社に先駆けてターボエンジンを搭載。最高出力105馬力を発揮する、1.4リッター直列4気筒ターボエンジンの「ミラージュIIターボ」の登場をきっかけに、コンパクトカーのパワー競争が勃発することになります。

 そして、1987年にモデルチェンジされた3代目では、1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「4G61型」にターボを装着し、最高出力145馬力を誇るスポーティモデル「サイボーグ 16V-T」が登場。

 1989年のマイナーチェンジで160馬力までパワーアップされ、ハイパワー2WD/4WD車として高い人気を誇りました。

 ちなみに、4代目以降のミラージュは、高性能グレードが自然吸気エンジンにシフトされたため、過激なモデルはこの3代目限りです。

■ハチロクだけじゃない!? FFカローラにも高性能モデルあり

●ホンダ「シビックSiR」

 1972年に誕生したホンダ「シビック」はFF新時代を象徴するコンパクトカーで、同社が本格的なグローバル企業となるきっかけとなったモデルです。

 車名の「CIVIC」は日本語で「市民の」と訳されることから、まさに大衆車として開発されました。

 1983年に登場した3代目では1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載した「Si」グレードが追加され、レースで活躍することで、シビック=スポーティというイメージを確立。

 そして、1987年に発売された4代目では、当時、1.6リッター自然吸気エンジン最強のDOHC VTECエンジンを搭載した「SiR」が加わります。

 SiRのエンジンは「インテグラ」から移植された「B16A型」で、最高出力160馬力(ネット)を発揮。

 シャシも一新され、足まわりには4輪ダブルウイッシュボーンを採用するなど、優れた動力性能と運動性能を発揮し、シビックはスポーツコンパクト・ジャンルの頂点に君臨しました。

●トヨタ「カローラGT」

 カローラの高性能モデルといえば、1972年に誕生した「カローラレビン」が始まりで、1983年にはシリーズ最後のFRモデル「AE86型 カローラレビン」が発売されました。

 一方で、レビンだけでなくカローラセダンなどにも高性能なエンジンを搭載した「GT」グレードも存在。

 AE86型と同時にデビューしたFFのセダンにもGTグレードがあり、1994年に3ドアハッチバックの「カローラFX」と同時にセダンの「1600GT」がデビュー。

 エンジンは横置き専用となる1.6リッター直列4気筒DOHC「4A-GELU型」で、最高出力130馬力(グロス)を発揮。高回転を得意とするスポーツユニットとして、いまも名機として語り継がれる存在です。

 1600GTの外観はベーシックなグレードとほとんど変わっておらず、唯一「GT」と「TWIN CAM16」のエンブレムによって、高性能さを控えめにアピールする、硬派なモデルでした。

※ ※ ※

 2020年2月に発売されたトヨタのベーシックカー「ヤリス」には、1.6リッターから272馬力を発揮する4WDのモンスターマシン「GRヤリス」がラインナップされ、まさに現代の大衆車ベースの高性能モデルです。

 ただし、車名はヤリスでも中身は別物といっていいモデルで、ほぼすべてが新設計されています。

 また、同時期にデビューしたホンダ4代目「フィット」には高性能モデルはラインナップされておらず、先代まであったMT仕様もありません。

 フィットでスポーティグレードの需要は無いというのは理解できますが、手軽にスポーツドライビングが楽しめるグレードが廃止されてしまったのは、寂しいところです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
レスポンス
6速MTあり! 日産が「“新”フェアレディZ」を発表! GT-Rの「湾岸ブルー」と「“伝説”のパープル」設定! “改良型”登場も「また抽選」? 受注再開で販売店にも反響
6速MTあり! 日産が「“新”フェアレディZ」を発表! GT-Rの「湾岸ブルー」と「“伝説”のパープル」設定! “改良型”登場も「また抽選」? 受注再開で販売店にも反響
くるまのニュース
バスがズラ リ並ぶ「壮観すぎる光景」今年も再び!? ピーク時は“1時間あたり50便”運行へ 人気の航空祭輸送で
バスがズラ リ並ぶ「壮観すぎる光景」今年も再び!? ピーク時は“1時間あたり50便”運行へ 人気の航空祭輸送で
乗りものニュース
なぜか自販機になると買いたくなる不思議! 24時間365日買えるソフト99の「洗車用品自販機」が便利な上にファンキー!!
なぜか自販機になると買いたくなる不思議! 24時間365日買えるソフト99の「洗車用品自販機」が便利な上にファンキー!!
WEB CARTOP
F1ラスベガスFP1速報|ルイス・ハミルトンがトップタイム記録。角田裕毅は19番手
F1ラスベガスFP1速報|ルイス・ハミルトンがトップタイム記録。角田裕毅は19番手
motorsport.com 日本版
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
レスポンス
藤原とうふ店がWRCラリージャパン参戦!? WRC2グリアジン、愛する『頭文字D』フルカラーリングは「僕の夢だった」
藤原とうふ店がWRCラリージャパン参戦!? WRC2グリアジン、愛する『頭文字D』フルカラーリングは「僕の夢だった」
motorsport.com 日本版
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
くるまのニュース
角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
VAGUE
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
バイクのニュース
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
レスポンス
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
ベストカーWeb
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
ベストカーWeb
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
モーサイ
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
モーサイ
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
くるくら
光岡自動車、シビックベースの「M55ゼロエディション」発売 イメージは1970年代 6速MTのみ 808万円
光岡自動車、シビックベースの「M55ゼロエディション」発売 イメージは1970年代 6速MTのみ 808万円
日刊自動車新聞

みんなのコメント

9件
  • FXのデビューは1994年じゃ無いよ
    1984年だよ、TE70セダンに2T G搭載のGTがあったよ、
  • 最近、似たり寄ったりの記事が多い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9450.0万円

中古車を検索
カローラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9450.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村