この記事をまとめると
■タイ・バンコクでスクーターが歩道を走っていた
渋滞も減る! 事故も減る! 高速に慣れていないドライバーが覚えておくべきマナー6つ
■その他アジア圏の国を訪れた際も、運転マナーに驚かされたことがある
■各国で目にした光景について解説
渋滞を回避するためにまさかの行動に!
筆者が2023年3月末にタイを訪れた時は、日本のような入国(日本人は再入国)時の新型コロナウイルス感染拡大による検疫(VISIT JAPANへの入力)措置が全面撤廃され(本稿執筆時点では日本も廃止予定)、コロナ禍前のような入国審査体制となっていて、日本以上にタイを訪れる外国人、とくに欧米人の多さに驚かされた。そんなタイでも街なかへ出ると、コロナ禍前の激しい交通渋滞を見かける機会が減っており、まだコロナ禍前に完全に戻っているとも言い切れない様子を見せている。
それでも「旧市街」のような街並みの地区を歩いていると、そこには激しい渋滞が戻っていた。「なんかタイらしいなあ」と思いながら歩道を歩いていると、進行方向からスクーターが歩道を激走してきた。激しい渋滞に耐え切れず、歩道に乱入してくるスクーターがその後も後を絶たず、筆者はそれを警戒しながら歩道を慎重に歩くこととなった。
「微笑みの国」ともいわれるタイでは、余程のことがない限りクルマがクラクションを鳴らしている光景に遭遇したことはない。アジア圏は総じてアグレッシブな運転が多いのだが、目立ってスピードを上げて運転するといったこともない。ただ、そんなタイでもあまりにシビアな状況になると、今回のような「歩道走行」ということになるようだ。
日本でも時おり夕方のニュースなどで、視聴者投稿としてバイクが歩道を走ったり、交差点の角にあるコンビニの駐車場を使った「ショートカット左折」などの映像が紹介されるので、運転マナーでは、海外のことをどうこう言えるほど、けっして良いといえるものでもなく、ある意味このようなマナーの悪さは日本も含めて「アジアあるある」といっていいのかもしれない。日本ではあまり見ることができないのだが、たとえば片側3車線の高速道路が渋滞になると路側帯も使って5台並ぶようなことも「アジアあるある」のひとつ。
クルマが歩道に乱入してくる場所も!?
そんなことを思っていたら、2000年代初期に中国・上海を訪れた時、歩道を四輪自動車が我が物顔で渋滞を避けるために走ってきた。激しい渋滞になると信号はお構いなしで交差点内にクルマが進入し、最後には交差点内で身動きがとれなくなることも珍しくなかった。もちろん渋滞すると逆走も当たり前に行われていた。街中にクラクションが鳴り響いていた。高速道路で出なければならない出口をスルーしてしまい、本線車道をバックして出口に入ることも珍しくなかった。ちなみに、そのような状況はいまでもインドのデリーを訪れると体験することができる。
そんな中国も数年もすると沿岸大都市ではクラクションを鳴らすことの禁止など、マナー向上運動もあり、カオス的状況が若干抑えられ、筆者としてはどこか物足りなさを感じていた。そんな時、北朝鮮と国境を接する遼寧省の瀋陽という町を訪れると、上海では見る事の出来なくなっていた歩道への四輪乗用車の乱入や逆走などが行われていた。瀋陽在住の日本人駐在員から、「上海では見られない光景がここでは残っていて懐かしいでしょう」といわれ、確かに懐かしく思っていた筆者がそこにいた。
今年1月に6年ぶりに韓国・ソウルを訪れた。すると、市内を走る路線バスの運転マナーが急速に改善されていたことに驚かされた。その昔ソウルではタクシーより路線バスのほうが危険な運転をしていた。当時、路線バスドライバーの給料は「1日担当路線を多く往復するほど高くなる」という、ある種歩合制だったといわれていた。そのため、できるだけ多く本数をこなすため、ドアを開けっぱなしで走行し、混んでいるバス停を自主的に通過することも珍しくなかった。ちなみにこのような状況は2010年に開催された上海万博会場内を走るシャトルバスでも見られた。さすがにドアを開けっぱなしで走行とまではいかないものの、自主的なバス停の通過などかなりアグレッシブな運転を万博会場で行っていた。
一般的には路線バスよりタクシーのほうが運転は荒っぽいといわれているのだが、ことソウルに限っては路線バスのほうが運転は荒っぽかったのである。そのようなソウルの路線バスやタクシーが、ドライバーの接客態度も含め大幅に改善され、市内の移動で躊躇なく使えるようになっていた。
筆者はこのようなマナーの悪い運転に遭遇しても、怒りのようなものはなく、新興国では国が急速に成長している躍動感のようなものを感じてしまう。そして、「かつての日本も似たようなものだったな」と、子どものころのかすかな記憶を思い出している。
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みんなのコメント
やっぱり後進国化してる